2023年9月18日 (月)

アメリカの教え子


今日は「敬老の日」で初めて認識。今迄17年、一度も自分に当てはめてみたことがなかったのです。なんでも80歳以上が人口の10%だそうで恐れ入りました。
高齢者で働いている人が900万人を越えているそうで、ただただ頭を垂れた本日です。63歳から20年近くも仕事もなく遊んで暮らして、80歳以上の1割の仲間に加わり、そして初期介護者になり、やがて自分も介護される身になる・・なんて考えると暗くなるばかりですが、自分がなりたくないけれどもなったらその時に考えましょう。
今はいかに穏やかに介護するか、怒鳴ってばかりでは良いことなく新たに勉強することが出来ます。

 

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最初に就職した学校が潰れそうになって、すぐ2つ目の、実母が卒業した学校に勤めたときに縁のあった生徒さんのことです。ちなみにその後転勤や病気などでブランクは出来ましたが最後は別の学校で62歳まで勤めることが出来ました。
その方が前にFB(私は前にやめてしまった)で出身校が書いてあったので、問い合わせたらまさしくそうでした。
色々悲し事や紆余曲折を経て、20年前からアメリカのコロラド州・デンバーに外国の方と結婚してカフェをやっています。
音大ピアノ科出身なので、お店でもでピアノも弾いているのですが、ピアノ即興演奏をしているのです。この度、45曲、全部で11時間半くらいを送ってきて下さって、広いアメリカ西部の旅行をも思い起こさせる演奏の数々を聴かせて貰いました。空いた時間に刺繍をしながら聴いていると、凄い才能を持った子たちが目の前にたくさんいたのだと職業冥利に尽きます。当時もぼんくらだった私が今一番お馬鹿さんになってちょっとぼけかかってきました。
アメリカは広いのでPCで沢山の勉強の単位をとることができるようで、カリフォルニア大学ショートコースの栄養学そ他色々勉強もしているようです。無料だそうで。それも今は亡くなった父親が、当時肺気腫に糖尿病を併発して母親に食事療法を伝授するためにだったそうです。
ミシンを買って、コロラドの冬は尋常でなく寒いそうで、ダウンでなく半纏を自分で自己流で作っているとか。
美しいコロラド(一頃は乱射事件のことが頭を占めましたが)の写真もたくさん今までいただいて、こんな人生もありとYuちゃんの幸せを祈るばかりです。

 

その後の向日葵9つ咲きました。今日またいらしてくださったので聞いたところ、宮城県・石巻の海岸だったそうで、やはり「ド根性向日葵」と呼ばれ今年が7回目のだそうだ。たくさん種が採れそうねとお嬢さんと話したひと時でした。
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2023年9月11日 (月)

ど根性 向日葵

お盆の時に引っ越して行ったお隣に残された向日葵が咲きました。
引っ越された時はまだ丈が低かったのですがあっという間にどんどん伸びて2m30㎝くらいになったでしょうか。
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電話して咲いたことを知らせたら、見に行きますとのこと、夕方一家でやってきました。

驚いたのが東日本大震災のあった夏に塩水がかかる砂浜に、この向日葵がたった一輪だけ咲いたのだそうだ。
その種子を小学生のお嬢さんがもらって蒔いたのがこれ。
2つ目が咲き始め、あと蕾が23もありました。
凄い向日葵なのです!
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今日から夫は月に1~2回訪問診療(往診)になって、薬局など支払いに私が出向くようになりました。
24時間対応で、救急車を呼ぼうと思うようなときはその前にこのかかりつけ医に電話をしてからということで非常に安心しました。
もう一つ、まだ必要ないけれども介護サービスの申請をした方が良いということで早速することになったことです。
寝たっきりというわけではないので、私も残りの街道歩きに来週あたりから月2回出かけられそうです。

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2023年9月 7日 (木)

村上春樹作品

どうしても気が向かなかったりして超有名なのに1冊も読んでない作家が殆どです。
ノーベル賞候補者としての村上春樹の小説もそうです。
昨年3月に友人から『1Q84』は面白かったということで読み、なるほど面白く、オーム真理教みたいのもちょっと入っているなと思いながらその後他の作品をストップしていました。
今年の4月から長編『ノルウェイの森』
         『ねじまき鳥クロニクル』
         『騎士団長殺し』
         『海辺のカフカ』
         『羊をめぐる冒険』などを続けて読みました。
最新作『街とその不確かな壁』は44番/182人で今年中は無理でしょうか。

読みやすくドンドン読める村上作品です。
女性が結構我儘にも簡単に家庭から出ていく。
その出て行かれた男、その他作品に出てくる結婚してない男もみんな、何だか女性に対して考えが優しい。怒らない。
そして驚くのがどの男性も食事の支度、洗濯などなど家事が良くできるということ。
また経緯があって仕事をしてない。食べていける奥の手があるのである。
それにこの人たち、良く寝ること。大体男の人は良く寝るんですかね(わが家の夫も病のせいか良く寝る。趣味化しているみたいに)。

村上氏は学生時代からジャズ喫茶などでアルバイトをしていて、大学在学中から奥さんとためたお金で我が国分寺市の駅前でジャズ喫茶(夜間ジャズバー)を開いていたという。そのため非常にその方面の音楽が多く出てくる。
翻訳本も自分の作品に劣らず出してる。外国にも多くの期間暮らしている。

その外国の紀行文も出しているが1冊しか読んでない。『雨天炎天』。
ギリシャのテッサロニーキから東南にハルキディキ半島があって3つの細長い半島が突き出ている。
そこは修道士のみの修道院のある地で、女性は入ることが出来ないと聞いていました。
その地を春樹氏は旅をするんです。この本を読んで凄く羨ましいと思ったものです。

 

近くのバス停のところにある百日紅林。
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更に左に繋がり、白い百日紅が丈は低いが見える。
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2023年9月 2日 (土)

『街角図鑑』『街角図鑑・街と境界編』 三土たつお編著

近くの八幡神社です。
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神社には神紋というのがあって、賽銭箱や手水舎に付いています。
この八幡神社の神紋は「三つ巴」紋で賽銭箱に付いています。

手水舎らしきもので水の設備が見当たりません。ここにも擦り切れて見えにくい「三つ巴」紋が。
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神社には狛犬が「神を守る」ものとして左右一対で見られます。
口を閉じたものが狛犬、開いたものが獅子として区別されるという。どこかの神社で鹿など色々いたけれど狛鹿とか獅子鹿とかいうのでしょうか。

右側の口を開いた獅子
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左側の口を閉じた狛犬
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以上の神社の事をこの本の2冊目で知りました。

『街角図鑑』
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電柱、街路灯、道路標識、回収ボックス、郵便ポスト、透かしブロック、擬木、消波ブロック、装飾テントなど33種紹介され、知らないことだらけで驚きました。

『町角図鑑・街と境界編』
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神社、給水塔、玄関灯、階段、踏切、配管、路上園芸など34種載っています。

この本を知ったのがテレビで図鑑をたくさん集めている男子小学生が「これらの図鑑の中で一番のお薦めは?」という問いにこの本を紹介ということで、早速借りてきたというわけです。この小学生の将来も楽しみになる。

こんなに見るもので溢れている街角、今まで下を向いてマンホールしか見ていなかったような。それも汚水マンホールだけ撮影していたのですが、これは趣味としてこれからも目が行くでしょうが、その他色々楽しめたら本を見た甲斐があるのですが、なかなか辿り着かないでしょう。


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2023年8月29日 (火)

『世界のすごい墓』地球の歩き方編集室著

地球の歩き方・旅の図鑑シリーズの31冊目
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「墓マイラー」の名付け親、カジポン・マルコ・残月さんによれば、19歳より偉人たちの墓参りを続けていて、昨年12月まで36年間に101ヶ国、2520人を訪ねているそうだ。きっかけは偉大な作家や芸術家にお礼を言いたかったそうだからだ。

Most Amazing Graves in the World (スケールに圧倒される世界のすごい墓)・・日本が1つ入っていました。

① タージ・マハル(インド)ムガール第5代皇帝皇妃
② カイディン帝陵(ベトナム)ベトナム第12代皇帝
③ フマユーン廟(インド)ムガール帝国第2代皇帝
④ 秦の始皇帝陵および兵馬俑坑(中国)
⑤ アリー・エブネ・ハムゼ廟(イラン)シーア派8代目エマーム(指導者)レザーの甥
⑥ 預言者モスク(サウジアラビア)ムハンマドの霊廟
⑦ ネムルトダーゥ(トルコ)コンマゲネ王国アンティオコス1世
⑧ 聖墳墓教会(イスラエル)イエスが埋葬された世界屈指の聖地
⑨ エマーム・レザー廟(イラン)
⑩ サーンチーンの仏教建築物群(インド)ストゥーパに釈迦の火葬骨が納められたという。
⑪ ギザの三大ピラミッド(エジプト)
⑫ 仁徳天皇陵古墳(日本) ④⑪⑫を世界3大墳墓と呼ぶ。

この中で見学できたのは⑦ネムルトダーゥと⑪三大ピラミッドだけ。

このあと194まで世界の面白い、楽しい、美しい、荘厳な、たくさんで圧巻される有名な人の墓がずらりと並ぶ。
外国の旅で出会っているのがあって思い出しながら、その時そんなに興味を持って見なかったことを残念に思う。
今なら、2020年5月、コロナで町から人が消えたときから多磨霊園の墓マイラーになり、街道歩きで色々有名な人の墓にお詣りするようになった。

その他
ローマのパンテオンにはラファエッロ。
バチカン市国、サンピエトロ大聖堂の聖ペテロ。
フィレンツェのサンタクローチェ教会にはミケランジェロ、ガリレオ、ロッシーニ。
パリ、パンンテオンにはルソー、ユゴー、ヴォルテール。
パリ、モンパルナスには、サルトル、モーパッサンなど。
パリ、モンマルトルにはハイネ、スアンダール、ベルリオーズなど。
フランス北部・オヴェール・シュル・オワーズでゴッホと弟テオの墓。
パリ、ロダン博物館でロダン。
スペイン、サンチャゴ・デ・コンポステーラ大聖堂で聖ヤコブ。
スペイン、サグラダ・ファミリアでガウディ。
チェコ、セドレツ納骨堂で約4万体の装飾された骸骨。
リトアニア、10万本もの十字架。
ワシントン、アーリントン国立墓地。ケネディ大統領他。
ワシントン、リンカーンの墓。
ニューヨーク、ジョン・レノンの記念碑。
エジプト、王家の谷。ツタンカーメンの墓。

日本
高野山奥之院。戦国武将の墓がずらり。
家康関係。日光東照宮、久能山、増上寺、寛永寺、輪王寺(家光)、谷中(慶喜)。
泉岳寺。
青山、谷中、染井、雑司ヶ谷、多摩霊園。

一番愉快なお墓は
ルーマニア北部の「メリー・セメンタリー」(陽気な墓地)です。
ブルーを基調としたカラフルな墓碑で、故人の人生を伝えるメッセージと肖像が彫られていて、特にその人生が結構ユーモラスに語られているのです。今では800基を超える。ルーマニア語が読めないのが残念なところです。

このシリーズは他にも30冊あって面白そうな書名を見ているだけでお腹がいっぱいな感じになってきました。

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2023年8月25日 (金)

『アルチンボルド Arcimboldo アートコレクション』リアナ・ジローラミ・チーニー著

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アルチンボルド(1527~1593)はハプスブルグ家のフェルディナンド1世、マクシミリアン2世、ルドルフ2世に仕えていたイタリア出身の画家です。

アルチンボルドと言えば、花、魚介、野菜果物などの収穫物、枯れ木や藁や葉などで顔を描いた四季「春・夏・秋・冬」など面白い画家という事のみ浮かんでくる画家でありました。
ところがこの「春・夏・秋・冬」にはいくつかのバージョンがあり、世界中に散っているか行方不明という。ウィーン、ルーヴル、スペインバスクでいくつか見ることが出来ました。
そしてこれの対になる作品があってそれが「大気・水・火・大地」です。こちらは凄さを感じさせる作品です。
これらの作品を細部まで見ていると優に1日はすぐ過ぎてしまいそうであります。

この他にたくさんの鳥、動物を描いていてこれが上記の作品に克明に描かれるわけです。
その他宗教画「聖母マリアの死」もなかなか他の画家と違っているのです。
肖像画が数枚紹介されているが「フェルディナンド1世の娘の半身像」が気に入りました。
厚紙にペン、鉛筆、茶色のインク、青とグレーの淡彩の「市場に向かう農婦」。自画像がこれと同じ色調で、エッチングとは味わいが違い傑作だと思います。

植物、動物、鉱物で色々な人間の顔をそれらしく描いてしまった人はアルチンボルトが初めてなのでしょうね。基礎がしっかり勉強されているうえでのこれらの作品です。
またルドルフ2世が博物学者並みに各国からいろいろな動物や骨とう品など収集していたことも作品誕生に与ったと思われました。

 


●近所の働くおばあさんとして二人、以前取り上げた方。
薬屋を90歳くらいまで一人で年中休みなしで経営していた方、ここ8年くらい外の煙草販売機しか稼働していず、お隣の方に聞いたら昨年亡くなった由。ずっと自宅療養で介護の人の助けを借りていたようです。よく働き続けたとご冥福をお祈りしました。

もう一人近所の野菜を作って販売していたおばあさん、私より15歳上で5年前に倒れ、遂にデイケアに通い美味しい野菜を食べられなくなりました。八王子から週末に通ってくる娘さん夫妻では殆ど野菜の供給がなく淋しいところです。
倒れるまで現役で働くその姿は、倒れないのに働いていない自分と比べられない私の中の偉人です。

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2023年8月22日 (火)

残暑お見舞い申し上げます

残暑が厳しいですね。お見舞い申し上げます。

壊れた地球と呼ばれるようになり、欧州のフランスはじめ諸所で45度越え(冷房なしで戦っているお年寄りの姿や建設現場などで働く人々など憐れです)。
その世界各国で森林火災、旱魃(日本も一部あり)、洪水と絵にかいたような悲惨な映像が毎日入ってきます。
世界のワースト10と呼ばれる国々(トップはアフガニスタンと言われる)の飢えた人々の様子も世界ニュースで伝わってくる。
最近のニュースで驚いたのが、今年は既に来年の備蓄の半分以上を世界が喰い、使い尽くしているという。今年は海水温も上がって海の生物さえ正常に収穫できないし、旱魃も多いし、戦争で収穫できた穀物なども行きつくべきところに渡らない。この先またいい事があるのだろうか。壊れた地球を戻そうにも長く使ってきて人口が増え、憎しみあって戦争ばかり増え、結局は自分の国さえよければいいのだ的考えの国が多く、ちょっと物資が入ってくれば汚職大国化する。
ここにずるい考えが起こります。もうすぐこんな恐ろしくなった地球の姿を見なくて済むのだと。逃げ腰で卑怯ですが。

さて、我が家も前回書いたように、私の方は認知はまだましだと信じているのですが87歳という夫が普通に見えてちょっとしたことを忘れるだけでなく、時々わからなくなってしまうという局面が見えるようになりました。ショックでした。ちょっとしか歩けないのも原因か?その他4つくらい病を抱え、心配になってきたのですが、本人が能天気で、私が残っている街道歩きの時に留守番できるというので、秋になったらその時様子を見てなんとか達成したい・・という感じになってきました。

そんなこんなで楽しかった「365連休の日々」ももうすぐ18年、枯渇し擦り切れて、これからは合間に読む読書日記風となります。コメント欄は今回を最後に閉じますので思い出したときに見てやっていただけたら嬉しいです。今迄数えきれないコメントをくださった方々には深く深く感謝いたします。たくさんのことを教えられ、私の狭い世界が無限に広がって行きました。楽しかったです。嬉しかったです。それが高齢で頭がいかれてしまったことは悲しいですが、こんな体験ができ、これからも皆様の体験を拝見出来るのが生き甲斐になります。ありがとうございました。
整理していたらこれまで中学生から最近まで4回日記をつけて(飽きっぽい、長続きしない)、読んで結構面白かったのですが、捨てました。
ブログも私の最後の外向け日記。

 

前回江戸でしたので、ディケンズの小説にも通ずるものがあるけれども、パリとロンドンの場末記。

●ジョ-ジ・オーウェル著『パリ・ロンドン放浪記』

インド帝国の警察官としてビルマに勤務したあとに、欧州に帰ってからジョージ・オーウェル(1903-50)は1927年から3年にわたって、パリとロンドンで自らに窮乏生活を課した。その体験をもとにパリやロンドンの貧民街の人間模様や浮浪者の世界を描いたルポルタージュ。
まさに世界恐慌の起こる2年前からの様子であるが、よくぞ植民地における過酷な体験の後に、さらにこの世のどん底の生活を自らに強いたものだ。
もう考えられない貧しさのどん底生活はひもじく、不潔、汚さ、悪臭など読んでも考えられないほどのひどさ。5分と耐えられないだろうと思った。しかし著者は耐え、この体験を著わして作家デビューを果たしたのだ。

これで分かったことの一つに、浮浪者は圧倒的に男が多く男:女=10:1だそうだ。
女は男ほど失業の影響を受けてない。見られる女なら男にすがることが出来るとのこと。
また浮浪者は一生独身のままということ。

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2023年8月14日 (月)

卒業論文

●今から10年前、卒業して50年に突然、手書きの卒業論文の製本されたものが大学から送られてきて驚いたものでした。
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担当の教授には途中で1回ほど「何をやっているのじゃ」と叱責を受け、やっと出来上がった論文なのですがその思い出がふと蘇ってずっとそのあと見もしないで放置状態。ところが成績表やら免許状など、最後の整理をしていたら出てきたので捨てる前に一度何をやったのか見ておこうと読み始めたのですが・・・
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いやはや難しい実験や試薬や言葉の連続で、同じ人間がこんなことをやったのかと、何も理解出来ないまま読み流し、今の自分はただ易しい本が読めて家事が杜撰ながらどうにか出来て、あとは知能は幼稚園生にも劣るという事を実感したのでした。
そうよ、卒業してから勤めでは勉強しながらもそれほど難しいことではなく、今日まで60年以上も頭を使わないで怠けてきたつけがこれでした。なんでも高齢になると脳みそが8%近く減り、血液が往時の80%しか流れていないそうで、最近ますます、度忘れや永久忘れがひどくて毎日泣きそうです。
夫はまだ80代になり切ってなくて慣れていないで、ぶつかってばかり、時々転ぶで危ないといいます。もっとゆっくり落ちついてと。


●今年は暑さが特に厳しく、夫も高齢で病がちになってきたので、家を出ることが街道歩き以外はあまりなくなりました。この後も暑い長い夏休みです。
まだ一隅に一箱の刺繍糸と布地、毛糸がごろごろ、暫く捨てないで転がしておくことに。
暇な徒然に今日は、実際に見たことはないけれども写真から適当に書いて刺繍にモアイ像を縁取って見たら、ご存知、絵が下手なので、全然モアイ像とわからないのでがっくりしたところです。おやつを食べて気分を晴れやかにしました。
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●『大名屋敷「謎」の生活』安藤優一郎著

江戸100万都市の話はよく聞くが、その構成を知らなかったので、この本は面白かった。
江戸は日本最大の城下町。

江戸の土地の70%は武家地。町人が住む町人地と寺社地が15%ずつで30%であった。
武家地の過半は大名屋敷だった。
江戸も末期だけれど、武家人口の約80%が地方から出てきた藩士たち。
旗本が約6千人、御家人が約2万6千人で幕臣は計3万人強だった。その家族を合わせると10万人。従って江戸の武家人口は50万人を超えたのである。
しかし単身赴任(勤番侍)が多かったので、江戸は女性が圧倒的に少なかった都市だ。
江戸藩邸での生活を隔年ごとに強いられた諸藩は、藩の年間予算の半分以上が江戸での生活費として消えていた。
一方様々な業者が御用達として参入するが、豪商だけでなく、江戸近郊農村の豪農たちも参入した。各街道沿いも潤った。
こうして260年栄えた江戸であったが、地方は非常に貧しくなっていった。赤貧洗うが如しである。

最後幕末に黒船が来てから尊王攘夷が盛んになり、各藩の争いから外国との戦争、幕府倒壊後も続く戦争、明治の世になって首都が京都から江戸(東京)になり天皇が江戸城(皇居)に入られ、その時起こったのが、江戸の大半を占めていた大名屋敷、武家屋敷が没収され、人がいなくなり、次第に江戸の町が荒れ果てて行ったこと。また街道も参勤交代がなくなって廃れたとか。贅を尽くした大名庭園も伐採、石が持ち出されたりして殆どが消滅。六義園、後楽園、浜離宮などを残すのみとなった。
明治政府がスタートを切って軌道に乗るまでの荒れた江戸の姿を想像したこともなかったので、この点が驚きの話であった。

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2023年8月 9日 (水)

栃木県へ(美術館と餃子)

●先ず宇都宮美術館

「うつのみや文化の森」の中にあって、森や池、草原のなかに彫刻も置かれていて広大な景色のなかに佇んでいる。
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ここまで撮影可。
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「芸術家たちの南仏」展。
19世紀末以降、南仏の光に憧れ魅了されて多くの芸術家が南仏にアトリエを構え数々の作品が生みだされた。
すぐ思い出されるのがセザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンであるが、セザンヌの他ドラン、ピカソ、マティス、シャガールなどの約90作品が国内のあちこちから集められていた。
ピカソの見たことのない絵画だけでなく、陶器作品は見ごたえあり。
シャガールの作品は南仏にも美術館があったが、人物が飛んでいる。
マティスは上野の美術館のマティス展は見てないけれども、赤が印象的だ。


●餃子
今は宮崎や浜松などに地位を譲ってしまったが、ずっと餃子の町として有名でありながら、初めて食べることが出来た。

場所は奥羽街道で最初にお詣りした二荒山神社の斜め前のドン・キホーテの地下にある「来らっせ」。
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まず日替わりゾーンへ行く。
A盛りとB盛りとを頼み、家はA、娘たちはB。
Aには、飯城園、konomi、餃子会館、幸楽、玉ちゃん。味が全然違ってまず5種類を味わう。
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続いて常設店舗コーナーへ。
定番の「みんみん」の、焼き、揚げ、水餃子、「龍門」のめんたいチーズ餃子を頼む。
これも味が当然のことながらみんな違っていて、何が何やらわからなくなったというのが本音。美味しかった。
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●栃木市立美術館
ごく最近できたらしくホヤホヤのピカピカ。途中暑くて、道に駅で西日光サンライズ・マンゴー(凍ったたくさんのマンゴーの上にマンゴーソースのかかったソフトクリームがのっている)を食べる。初めてで美味しい!
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「日本洋画の歩み」展
紙や絹を用い、墨と繊細な色彩による日本画から、幕末から明治にかけて西洋から入ってきた絵画は日本の美術に変革をもたらし実物と見まがうばかり再現描写を可能にした技術であった。高橋由一たち初期の洋画家たちは苦心して画法を学び、黒田清輝ら留学する画家も多くなっていった。
大正時代にはキュビズムやフォービズムなど前衛的な画風がある一方、ルネサンス絵画の影響を受けて写実を極めようとした画家も現われた。
高橋由一の3枚の<鮭図>のうちの1枚とか岸田劉生の<麗子之像>などが目に飛びこんでくる。
山下りんもあったし、藤島武二、青木繁、坂本繁二郎、萬鉄五郎、梅原龍三郎、安井曾太郎、佐伯祐三、岡鹿之助、東郷青児、香月泰男、向井潤吉、熊谷守一などなど63点を見ることが出来た。西洋画もどんどん変わっていったのである。

美術館の芝生を挟んだ隣は栃木市立文学館で閉館時間になってしまって。吉屋信子や山本有三、詩人の柴田トヨらを中心に市ゆかりの文学に関する展示がある。
ここは大正10年から約90年間にわたって町役場・市役所であった。市の有形文化財である。
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堀があって、巴波川と繋がっている。
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コウホネの蕾があった。
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行き帰りとも浦和辺りで事故があり1時間ずつ遅れてしまったが8時を回った頃、東小金井の華屋与兵衛に辿り着き、私は海鮮丼、みんなは豚カツ定食やカツ煮定食を頼んでいた。
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ロボットが運んできたり火が付いているのは人が運んできた。
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お土産は、ひとくち餅(レモン入り牛乳)ときぬの清流(とちおとめ餅)。
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何時もドライバーさんは1人、本日は14時間、お世話になり、お疲れ様でした。


●岐阜県出身の熊谷守一
については、中野翠さんの本の中に、面白い一文があるので引用させていただく。映画にもなりましたっけ。(山崎努と樹木希林出演)
 私は本当に不心得者です。気に入らぬことがいっぱいあっても、それに逆らったり戦ったりはせずに、退き退き生きてきたのです。本当に消極的で、亡国民だと思ってもらえればまず間違いありません。私はだから、誰が相手にしてくれなくとも、石ころ一つでも十分暮らせます。石ころをじっと眺めているだけで、何日も何月も暮らせます。監獄に入って一番楽々と生きていける人間は、広い世の中で、この私かもしれません。
と言っている。けっして誇張でも謙遜でもなく、ほんとにうにそう思っていた様子である。非情にひねった見方をすれば、こんな我儘に、頑固に、だらしなく無気力に生きた人はいない。中野翠著『会いたかった人』より。

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2023年8月 2日 (水)

『凍』『天路の旅』『檀』

今年は蝉があまり鳴きません。聞いたのは3回だけ。鶯はもう鳴かなくなりました。涼しいところに行ったのでしょうか。
ウグイスの合間にカッコウが毎年2日くらい来て鳴いています。真夏の小鳥は雀さんだけです。


ノンフィクションの大家・沢木耕太郎氏が聞き書きして上梓された3冊。うまいなあ、と心打たれるものがありました。

『凍』『天路の旅』『檀』。
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『凍』は最高のクライマーと名高い山野井泰史と妻のやはりその道で知られた妙子。ヒマラヤ難峰・ギャチュンカンを泰史だけが登頂成功したが、5日も遅れて遭難と言われた矢先に無事帰還した話と、その後の病院生活の話しだ。
最高のクライマーを支えていく妙子さんが余り類を見ない女傑なので、いやはや見習いたくても見習えない人物。全編、特に高山病で10日間も飲まず食わずで帰還した彼女の凄さにはただただ驚嘆するしかない。
何しろこの時には以前になくした指の一部に加えて、完全に両手は10本指がなく、足は2本を除いてやはり指がなくなった。それ以前には鼻もこそげてなくなって、おでこから移植したとか。手術の時は旦那は大声上げて泣いて叫んだそうだが、奥さんは殆ど声も上げなかったという。指のない手で、料理、裁縫、畑をこなすのです。その5年後にはグリーンランドのミルネ島にある高さ1,300mの大岩壁のクライミングをしている。その他、至る所に極限の世界がたくさん出てきてよくぞこんなに書かれたと、作者の方も尊敬です。最後がちょっと素敵な構成です。

『天路の旅』は西川一三氏に聞いて氏亡き後に上梓した作品。西川一三氏は既に『秘境西域八年の潜行』 芙蓉書房(上・下・別巻)を書いていて、慕辺未行様よりご紹介いただいて数年前読み、こんな凄い日本人がいたのかと感想を書いたものでした。
『天路の旅』にはその後の日本における生活も書かれていて、最期まで凛として、その生涯を閉じたことがわかります。

『檀』は檀一雄の『火宅の人』と同じ内容で沢木氏が奥さんに聞いて、その内容を奥さんが語っているという面白い形式です。
奥さんの悲惨さは『火宅の人』でも伝わってくるが、私にはまだ檀氏の気持ちが奥さんから見たのと違っていて(当たり前)、両方から読めたのが面白かった。悲惨な内容を面白がっているわけではないのですが。檀ふみさんの明るさはお母さんから受け継がれたのか。


よその畑のスペアミント
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ご近所のノリウツギ
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お鷹の道に昨年新しいマンホールが昨年出来ました。武蔵国分寺跡、史跡指定100周年記念のマンンホールカードをオタカフェでもらってきました。
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マンホールカード
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