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2007年1月13日 (土)

トホホ短歌

Roubai

かつて手首の骨を粉々に砕いてしまったコーラスの先生が、猫持先生のトホホ短歌に密かに入門して、グチの掃き溜めとして闘病生活の歌をたくさん作ったのを見せてくださいました。
そのとき私に捧げてくださったトホホ短歌四首が同封されていました。ありがたかったです。自分もこの調子でなんかできるかと頭をひねったのですが一首も出来なかったのが情けない。

 1日は24時間×(掛ける)100(3ヶ月の意味) 動いちゃならぬ直すためには

 長い日々 無駄には出来ぬどないする 五感があるさ動く手もある

 今一番やらねばならぬそのことは あせらずあわてず直すことのみ

 ご主人の愛と力をお借りして 今しばらくは休業宣言

そこで密かな師である猫持先生の猫持歌集『猫と未練と』寒川猫持著を早速読みました。
私より一回り下でバツイチとか、大阪の目医者さんで猫と暮らす、40歳頃の歌のようです。
ご存知だったらすみません。おかしいので20首ばかり紹介します。

 雨ニモ負ケテ風ニモ負ケテタダ寝テル ソウイウモノニ私ハナリタイ

 芋だよと言えば寝てても飛んで来る 別にいいけど猫だよキミは

 「センセ、わて何ぼ食べてもでまへんねん」 目医者にそんなこと言われても

 外科・内科あの連中に言わせたら 眼科・耳鼻科はメクソハナクソ

 ゴルフして地球ばっかり叩いてる たしかにこれも球ではあるが

 平生はすぐにセクハラ言うくせに ご馳走すると言えばゴロニャン

 暑いから夏は何もせずにおき 冬は寒くてまた何もせぬ

 無理をして買った車に乗せる人 いなくてまずは地球にやさし

 両足を互い違いに前に出し ここまで来たがほぼ進歩なし

 記憶力あてにしたら泣きをみる 歌ができたら紙に書くべし

 同じ阿呆なら踊らにゃ損損 阿呆ではあるが踊らずに見る

 「ノーと言える人間にならなくてはダメ」そして誰もいなくなった

 愛されて死んだ男の映画観て どうして俺が泣いているのか

 いつまでも何もしないでいるならば 何も起こらぬ人生である

 風邪ひけば家で寝ていて治ったら 病院に来る婆さんがいる

 枕から右のおててをどけなさい うんちが付いているではにゃあか

 タテに寝りゃ狭くないのにヨコに寝て 飼い主様がフトンはみ出す

 人間の吾はケモノの君を飼い ケモノの君は虫の蚤飼う

 何とまあ馬鹿な人生四十年 思い出したくないことばかり

 呆れつつ万年蒲団はよせと言う ご心配なくまだ二年弱

 
 

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コメント

「最近○○さん見えないねえ」
「もしかすると病気かもねえ」
病院のロビーでの会話。
tonaさんも始めましょうよ。

投稿: saheizi-inokori | 2007年1月13日 (土) 12:29

コーラスの先生の思いやり短歌、ありがたいですね。
そして猫持歌集には フハハハ 笑わせていただきました。
悲哀漂う歌もありますが、それすらユーモアまぶされていて
悲壮感はありませんね。

暑いから夏は何もせずにおき 冬は寒くてまた何もせぬ

これは私のことかと思いました~

投稿: ポージィ | 2007年1月13日 (土) 14:51

トホホ短歌、ユーモアがあってなかなか面白い。何も考えずに日常茶飯事のことをそのまま表現している。格式ばらず親しみ易いですね。漫才のツッコミとボケみたい。

投稿: 夢閑人 | 2007年1月13日 (土) 17:09

★aheizi-inokoriさま

小噺笑ってしまいますね。
自分もそうなったら哀れですね。

saheiziさんは落語の小噺いくつでも作れるのでしょう。簡単にできそうでむずかしいですね。できたらどんなに楽しいか。
saheiziさんにお任せします。

投稿: tona | 2007年1月13日 (土) 19:43

★ポージィさま

そうです、そうです。
悲哀感がユーモアでかなたに行っちゃって実にユニークで楽しい歌になっていますね。

ポージィさんのことを歌ったみたいとかいう歌いいですね。ポージィさんは春や秋ってとても忙しくなってしまうのでしょうね。
私は
何とまあ馬鹿な人生四十年 思い出したくないことばかり
の四十のところ入れ替えて歌いたくなる時があります。

投稿: tona | 2007年1月13日 (土) 19:58

★夢閑人さま

本当に漫才みたいですね。
いつか夢閑人さんがご披露くださった初恋の歌は素晴らしかった。
次は夢閑人さんにはひょっとしてトホホはないかもしれませんがあったら歌って欲しいです(^λ^)

投稿: tona | 2007年1月13日 (土) 20:04

可笑しいですね(笑)。
「記憶力」の歌なんかまともなこと言ってるし「風邪が治った婆さん」や「下手なゴルファー」なんか普段よくみる光景だのに、こうして歌になると何となく笑えてくる。

やはりそれを目の端で捕らえていては、こういう楽しい人生は送れないと気付きましたよ。

この目医者さん、さえない風体のクタぶれたおっさんかと興味がわいて、tonaさんの文章から「猫持歌集~猫持著」までをコピーアンドドラッグして検索したら、書評が見つかりました。
http://www.bk1.co.jp/product/1355657/review/177824

実像は想像したのとは少し違っていましたが、却って無性に可笑しくなりました。

投稿: ねむウサギ | 2007年1月13日 (土) 21:07

小噺じゃなくて川柳です。急に始めたのです。只でどこでも出来る!面白いですよ。

投稿: saheizi-inokori | 2007年1月13日 (土) 21:36

良いですね~
こういう人間くさい句、私好きです。
よく綺麗にまとまってる句を詠む人がいますけど、なんだかツンとして近寄りがたいです。
一句一句、なかなか味わいがあって、思わずあるある~~ってうなづいてしまったりしてます(笑)
とっても楽しく読ませていただきました。

投稿: pochiko | 2007年1月13日 (土) 22:52

★ねむウサギさま

本当に笑えました。
自分でも目にする普通の光景がどうしてこんなにおかしくなるのでしょう。
句にして書いて楽しむと同じ人生でも2倍に楽しんで生きたという感じです。

ねむウサギさん、書評を見つけてくださってありがとうございます。
本当にちょっと違いますね。目医者そんなにすぐだめになってしまったのですか。理由がふるっていますね。
別れた奥さんへの未練の句や、また猫と生活しているおかしな句が際立っていました。

投稿: tona | 2007年1月14日 (日) 08:30

★saheizi-inokoriさま

そうでしたね。すみませんでした。
急に始められたとは思えないですね。
昨晩狂歌を作ってみましたが、一人だけで鑑賞してうんざりしました。

投稿: tona | 2007年1月14日 (日) 08:34

★pochikoさま

簡単なようでいて、味わい深いのがありますね。
pochikoさんの3人組に関してもたくさんできそうですね。
とくにコビスケちゃんは。
pochikoさんもいかがでしょうか。

投稿: tona | 2007年1月14日 (日) 08:39

tonaさん、自分にも笑えてしまいました。人のことを笑っている場合じゃない(涙)。
コピーして貼りつけたのです。

さしずめ私には《記憶力あてにしたら泣きをみる 文章書いたら読み直すべし》
とほほ。。。

それからコーラスの先生も面白い方ですね。その先生を選ばれたtonaさんも。
これ、《風が吹いたら桶屋が儲かる》の論法。
ええと、これって間違っていませんよねぇ。

投稿: ねむウサギ | 2007年1月14日 (日) 10:07

★ねむウサギさま

たちまち1句出来てしまいましたね。
私も肝に銘じよっと。
しょっちゅう書いて送ってアレーと叫んでいます。
《風が吹けば桶屋が儲かる》
そうなんですね。転んだために巡り巡って猫持先生の人までたどり着いてしかも笑いをいただいて、私が儲けたのでした。
コーラスの先生は全身麻酔の手首の骨折の手術を何回もしていますが、最初の手術のあと1日おいて病院を抜け出して教えに行ったという何ともはや凄い人なのであります。ノートには197首があります。

投稿: tona | 2007年1月14日 (日) 15:58

tonaさん、
ユーモア短歌楽しませていただきましたよ。
短歌集ができそうですね。
僕は少し中休みしています。
春が来たら、・・
夏が来たら・・・と
時間ばかり過ぎていきます。

投稿: YUKI-arch | 2007年1月15日 (月) 16:39

★YUKI-archさま

寒川猫持さんて面白いでしょう!
ただ並べるだけなら出来そうな気もしますがそこに、そこはかとなくユーモアを漂わせることは難しくて私には出来ないです。

YUKI-archさんは今歌を作るのを休まれているのですね。
また復活されるときが楽しみです。
他に本も執筆されていらっしゃるのでしょうね。

投稿: tona | 2007年1月15日 (月) 20:08

芋だよと言えば寝てても飛んで来る 別にいいけど猫だよキミは

犬に置き換えれば今日のblog
あまりにも偶然でドキっとしました。
短歌は興味がありませんでしたがこういうのは別です。
身近な事ばかり、ユーモアがありますね。
とっても楽しませていただきました。

投稿: ももみ | 2007年1月15日 (月) 21:03

★ももみさま

わー、本当にももみさんの家でも、ももちゃんとなつちゃんがお芋を食べたのですね。
猫持という号は猫を飼っているからつけた名でしょうね。
ですから愛猫ちゃんの歌がとてもいいです。
犬にかえてもとてもよく当てはまるのがあって、なごやかで楽しいです。
私コーギー犬(後姿も好き)が好きなのでももみ家の写真を見るのが楽しみなんですよ。

投稿: tona | 2007年1月16日 (火) 08:21

あれれ、コメントさせて戴いたつもりが、載ってないですねぇ。深夜に書くとろくなことがありません。もう、何を書いたのかも怪しいです。(笑)

楽しませてもらいました。
自然体の短歌がいいですね。

「ノーと言える・・・」
「・・・二年弱」

こういうの、僕大好きです。
(=^_^=) ヘヘヘ

投稿: Stanesby | 2007年1月19日 (金) 22:29

★Stanesbyさま

まあ、2度手間とらせてしまってすみませんでした。
2回分のコメントありがたく頂戴いたしました。
Stanesbyさんも歌を作られるとこんなふうになるのではないかと密かに思っております。過去3回、すごく面白くて笑い転げて忘れられないのがありますもの。
理科系で文章がうまい、そして音楽とたくさんの才能をお持ちで雲の上の人ですね。

投稿: tona | 2007年1月20日 (土) 08:31

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