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2007年1月23日 (火)

鉄ちゃんと鉄子

Bokenomi 『汽車旅放浪記』関川夏央著より

――国鉄完乗を果たした宮脇俊三が虚脱感を味わったのは無理からぬことであった。退職したらあれをしようこれもしようと心づもりしていたが、いっこうに気はのらない。自由はありすぎると扱いに困る。制約の中に自由は発見され、不自由を克服してはじめて自由は価値を持つのである。――

これは多くの退職者が始めに味わう問題である。

このあと宮脇俊三が実行したのが「最長片道切符の旅」であった。最長片道切符の有効期限は68日、値段は65000円。全長13319.4km、北海道広尾から鹿児島枕崎まで乗りぬいた。人はこれを「児戯」と呼ぶ。

なぜ「鉄ちゃん」は掃いて捨てるほど隠れて棲息しているのに「鉄子」がまれなのか?
その答えの1つがここにあった。
宮脇俊三が果たしたこれらの鉄道の旅は「児戯にひとしい」がこれは真剣で求道的味わいのある「児戯」で、趣味のあり方が人の根源に触れる。幼少時代、人がその人になったときの体験が記憶の岩盤から生じている。
特に男性はそれを生涯持ち続ける傾向にある。女性はこれを「コドモねえ」と時々大のオトナの男にあきれ憐れむ。

NHKの「熱中時間」でしたか、出てくる人に男性が多く、いつもうなってしまうが、殆どの人が小さいときからの趣味をそのまま大人になっても引きずって、ある人は家庭を顧みないで熱中してやり続ける。これは女性には出来ません。しかし時代は変わって、女性も家庭のことを考えずに自分のやりたいことを貫く人生を選ぶことが可能になり覗くのは楽しい。

上記の本の中に鉄ちゃんをわくわくさせる薀蓄が披露されているが、他に近代文学の巨匠たちのエピソードが満載されていて楽しい読み物になっている。

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コメント

男は永遠の少年であります。
何を言われても、
「放浪」を手放すなんてできませんね。

投稿: YUKI-arch | 2007年1月23日 (火) 21:13

★YUKI-archさま

おお、永遠の少年!
ロマンを感じます。
少年でいられるということは、そのとき大人をやめているのでしょう。
男は放浪するとき何かを感じ、何かを掴んで戻ってくるのですね。
羨ましい。今度夢を持った男として生まれたいです。ありがとうございました。

投稿: tona | 2007年1月24日 (水) 08:15

tonaさん、おはようございます(^-^)
宮崎県の新知事も永遠の少年の志…なのでしょうか…(・・?)
だとしたら…志を貫いてほしいですね…ちょい期待(^O^)

解るような…解らないような…「永遠のロマン」は男・女に関係なくあると私は思っているのですが…

>殆どの人が小さいときからの趣味をそのまま大人になっても引きずって、ある人は家庭を顧みないで熱中してやり続ける。
>これは女性には出来ません…
出来ないのではなく…出来ないと思わされているだけのような気がします…
先人には自由奔放(意味がちょっとブレた(・・?))に生きた女性が何人かいますが…
世間の評価は低いですね(>_<)

例えば岡本かのこ…彼女が育てた(?)息子は自由な発想で大成しましたね…
男はどこか欠けていても仕事で成功すれば良いのかなぁ~(・・?)
よく解りません…(^^;
ただ解るのは女性の人格が子どもに及ぼす影響は大きい…ということだけかな(^O^)

mitueさんから画像の追加がありましたので…お知らせですヽ('-'*)~♪

投稿: orangepeko | 2007年1月24日 (水) 09:32

男は永遠に少年ならまだしも、子供でもある…と私は思う。自分のことかもしれない。

自由はありすぎると扱いに困る。制約の中に自由は発見され、不自由を克服してはじめて自由は価値を持つのである。

この言葉、まさしくその通りだと思います。
多くの人間が仕事から離れると、すべてから開放された鳥のごとく自由に飛びまわろうと
する。先ずはしばらくの休息とゴロゴロしてると、粗大ゴミ扱いにされる。漠然とあれもやろうこれもやろうと思ってたことが、第一歩から当て外れになる。はっきりした目的、目標が無いから、ついつい手っ取り早く、趣味でもと思って熱中してしまう。

私の場合、定年を待たずに独立して仕事を始めたため、半自由、半拘束の生活だった。
仕事の合間を見つけての旅行は、それはそれは制約の中に見つけた自由であり、自由の価値をかみしめられたものでした。

投稿: 夢閑人 | 2007年1月24日 (水) 13:29

★orangepekoさま

ありがとうございました。
宮城県知事、早速鳥インフルエンザで忙しいようですが、果たして初心を貫けるでしょうか見守りたいです。

そうか、出来ないと思わされている、そう考えてもおかしくないですね。現在は論外ですが、先人がいろいろ思い浮かびますね。岡本かのことくれば宇野千代、平塚雷鳥、雲の絨毯の飛行士など各界にいましたね。今なら評価が高いのに。
>女性の人格が子どもに及ぼす影響は大きい・・・今は悪い意味で影響が子どもを蝕んでいることも多くて胸が痛みます。

orangepekoさんのコメント楽しかったです。

投稿: tona | 2007年1月24日 (水) 16:13

★夢閑人さま

ありがとうございました。
男は子どもみたいというのは今まで何度となく思いました。逆ってあまり聞きませんものね。

自由とか暇がありすぎとか、ただあればいいっていうものじゃないですね。
でもこれを手にするとそれは嬉しいことながら、うまく使って生きることの何と難しいことか。
忙しい現役の人に言わせれば、何贅沢を言っているのかとなりますね。

夢閑人さんのようにまた独立して仕事を始められたのは、第二の人生が幸先よいスタートをきられたわけですから理想的だったんですね。
だからお元気なのかしら。

投稿: tona | 2007年1月24日 (水) 16:27

夢を見ることに関しては、男女差なく、しているような気もしますね。
でも、一般論によれば女性は現実的なものの考え方をするとか。
これが当たっているとすると、家庭を顧みずに夢に生きる
ということは女性には難しいことなのかも…。
わが家の場合は夫の方が地に足の付いた現実派のように思えますが(^^;)

共に生きるパートナー同士、同じ夢を見られたらいうことなしですね。

投稿: ポージィ | 2007年1月24日 (水) 21:15

★私のこと?
前々回の駅弁といい、今回の「鉄ちゃん」といい、tonaさんのツッコミにたじたじ…(笑)
「鉄ちゃん」に関していえば、車両マニア・切符マニアというオーソドックス(?)なのから、鉄道用品蒐集や廃線マニアなどディープなものまで、千差万別。
私は?といえば、やっぱり電車の運転手に憧れたのが「根っこ」にあるのかなぁ、と思います。

自分の「好きなこと」をやっているときは「少年に戻っている自分」に気付きます。
男には、それを「恥ずかしいこと」と感じない遺伝子が組み込まれているのでしょう。
そして「のめり込み」、女性からバカにされたり、「男って、いくつになっても子どもネ」って言われ、「女にゃ分からん!」とクダをまく(笑)

投稿: 讃岐の団塊オヤジ | 2007年1月25日 (木) 01:38

★ポージィさま

ありがとうございます。
そうですよね。女性でも大きな夢はいっぱい持っています。
我々の時代はまだいい方で、親の年代の女性の殆どは、もう家族のためだけに一生の殆どを生きていましたね。
余裕が出来て昔からの茶道、華道、日本舞踊、書画の道、歌道、琴などのお稽古事の延長のを楽しんでいました。
女性の現実的なところが、男性のあの夢見るような熱中するものに共感を抱かないこともありということがよくわかります。
ポージィさんの家では反対なのですね。
パートナーとは1つでも一緒に熱中できるものがあれば、嬉しいです。

投稿: tona | 2007年1月25日 (木) 08:49

★讃岐の団塊オヤジさま

ありがとうございます。
「鉄ちゃん」お書きくださったようにいろいろなマニアがいるらしいということをこの本でも知りました。
オヤジさんはこの中で普通のマニアなのでしょうか。
好きになる「根っこ」、この関川さんもちゃんと書いておらましたが、オヤジさんは運転手だったのですか。
私は中学生のとき国府津電車機関区にもう1人の男性と選ばれて、運転席で運転の1部をさせてもらったことがあります。根っこにはならなかったけれど。
少年に戻って、今ものめり込んでいる姿はなかなか羨ましく、私は決してバカにしたり笑いません。今からでも自分がそういうバカになりたいですもの。

投稿: tona | 2007年1月25日 (木) 09:01

あくまでも私見ですが、男性は遠い先を見て動き、女性は今を動くように思います。
どちらも大事な事でそれぞれ個々の持ち味を生かし、その中でうまく夢や趣味や仕事をこなしてらっしゃいます。
ただ、思うのは女性の方が周りの事を意識してる感があります。
男性の方が周りの事を顧みず没頭する気質は強いかと。。。
我が家の夫は夢見る夢男くんです。
否が応でも現実的にならざるをえない私です(涙)

投稿: ちょびママ | 2007年1月25日 (木) 10:36

★ちょびママさま

ありがとうございます。
ちょびママ論文を読んでおおなるほどと思いました。
皆様の論文を集め、検討するとおおよそ見えてくるものはそれなりに男女の差です。
男性の没頭度、それは感じます。その中に埋没すると、家庭やお金や人のことを気にしないですものね。

わはは(^◯^) 夢見る夢男くんね。
ちょびママさん、夢見ている暇がなくなってしまいますね。何とかして割り込まねば。

投稿: tona | 2007年1月25日 (木) 15:52

このようなお話には、いろいろな意見や考え方があるでしょうね。
「小さい時からの趣味をそのまま大人になっても引きずっている」そんな人が実際にいるのですね。男は大なり小なり、そんな傾向があるとは思います。ただ、こんなことが出来るためには、経済的にある程度の余裕がある、また時間的にもゆとりがあるからだと思うのです。やりたくても出来ない、出来なかったので、一寸羨ましい気もします。

投稿: 茂彦 | 2007年1月26日 (金) 09:13

★茂彦さま

ありがとうございました。
そうですね。
私もいろいろな考えを伺いました。
自分の思い込みから目を開かせていただいたりありがたいです。

私も小さい頃は経済的に余裕がなかったり、結婚してから職業と家庭との両立で時間的に余裕がなくて無芸大食の代表選手になってしまいました。
私も、やりたいことを暖めることもなく続けてこられた人を羨ましく思う1人です。

投稿: tona | 2007年1月26日 (金) 16:25

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