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2007年4月26日 (木)

木々を渡る風

小塩節著『木々を渡る風』

花や目線で楽しめる木とその花は名前もある程度わかって、親しめる。
ところが高木なると葉もよく見えず、木肌も特徴がつかめず名前がさっぱりわからない。

そんなとき、この本と出合って、木にまつわるいろいろなエピソードなどで、木への愛着が深まった。
日本とヨーロッパ、あるいはドイツと信州の対比などが中心となって書かれている。

江戸時代に杉を、ケンペルがドイツに、シーボルトがオランダに持って行った。しかし気温が低いうえ、降水量が日本の3分の1しかないため、ヨーロッパでは育たなかった。銀杏は移植できたが杉の木はヨーロッパにない。
代わりに寒さと乾燥に強い樅やトウヒが良く育つ。ただ日本の杉は50年で成木になるが、ドイツの樅は150年かかるそうである。
ヨーロッパの人々が、例えば大聖堂など500~600年かけて建てたりするなど、歴史を長いスパンで考えるのは、この自然条件のせいだと小塩さんは語る。

日本は中心が温帯、照葉樹林地帯で、森や林、里山を彩る木々の種類は多く、変化に富んだ色彩、景色を楽しめるのは、幸せなことだ。
いろいろ知ってさらに自然に入り込んで眺めていきたいものだ。

Kouyamaki Daiousyou

      コウヤマキ                ダイオウショウ

最近教えていただいた木で樹形や葉の形が気に入ったものです。

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コメント

樅は成木になるまでに150年もかかるのですか!
気の遠くなる話ですね…
日本の林業でさえ、今植えた苗木は次の世代が木材にできるという
気の長い話なのに、ヨーロッパの場合は3代目か4代目で?
そういう自然のありようがヨーロッパの人々の物事を長い目で見る
性質を作ってきたというのにはさもありなんと思いました。
ヨーロッパ統合の構想もはるか昔からあって何度も何度も
話し合いを続けてきてやっと、だったのですよね。
こうした長い目で見るからこそ、ドイツなどは自然保護にも
とても熱心に取り組むのでしょうね。

投稿: ポージィ | 2007年4月26日 (木) 10:50

今日は下北沢粟島神社の400年の大銀杏を見てきました.医者へいきすがらです。
下の幼稚園で子供達が遊んでいます。この子達が大人になっておじいさんおばあさんになっても元気でいて欲しいと思ってみていました。

投稿: saheizi-inokori | 2007年4月26日 (木) 13:18

その土地に順応した木々しか育たないのですね。日本でも北海道と、沖縄ではずいぶん種類も成長の度合いも違います。当然のことです。紫外線の強いニュージーランドでは日本の5倍くらいの速さで成長すると聞きました。

コウヤマキ、ダイオウショウ、両方とも公園などでよく見かけます。ダイオウショウは葉が長くてこんもりした感じで好みです。

投稿: 夢閑人 | 2007年4月26日 (木) 14:56

★ポージィさま

昨日は失礼をし、今日は早速にありがとうございました。
そうですよね。
ヨーロッパの人々の気の長さが気候にも関係していたなんて考えてもみませんでした。
個人の方でも、自分でこつこつと何年もかけて家を作りますね。
日本人の私たちはよくて3ヶ月か4ヶ月、半年もかかるなんていったらブーイングされちゃいます。何だか、すべてにせっかちなんですね。
悪いものを安く早くでなく、よいものをじっくりとというヨーロッパの精神を見習わなくてはならないのではないかと、思う面もあります。

投稿: tona | 2007年4月26日 (木) 19:52

★saheizi-inokoriさま

私も代々木上原に行くため、下北沢を通過しました。
400年の大銀杏とはさぞ立派なことでしょうね。江戸時代の初期の頃のですね。
『東京巨樹探訪』によりますと、世田谷区では奥沢の浄真寺の銀杏が都の天然記念物の指定を受けていて、写真で見ますと大きいですね。
私たちはどんどんいなくなっても、木はずっと生きて子孫を見守っているのですね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2007年4月26日 (木) 20:04

こんばんは。
小塩節さんの文章、品があってかつ平明でわかりやすく大好きです。
今回ご紹介のあった本はまだ読んだことがないのですが、シュバルツヴァルト(ドイツの黒森)について書かれたものを読んだ記憶があります。
よくヨーロッパは石の文化といわれますが、この深く大きな黒森とともに歴史を歩んだドイツ民族は「森の民」なのかもしれませんね

投稿: aosta | 2007年4月26日 (木) 20:26

★夢閑人さま

日本は北海道が亜寒帯で沖縄では亜熱帯ですものね。ことに沖縄や奄美大島やハワイに行ったときは、私たちの所と植物の違いに驚いたものでした。
ニュージーランドって行ったことがないのですが、緯度的には日本の北端とニュージーランド南端と同じなのに紫外線の強さでそんなに5倍も成長が違うなんて驚きました。
そちらの公園にはコウヤマキやダイオウショウまであるのですか。いいですね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2007年4月26日 (木) 20:31

★aostaさま

ありがとうございました。
私は小塩さん本はこれが初めてです。
凄い博学ですね。
それにモーツァルトがお好きなのですよね。
文章がとてもいいです。
御地の信州が日本では主体として出てきます。
石の文化に対して木の文化。石でいながら
ドイツは森の民、休暇には国民が森の中をサイクリングやきのこ採りや散策で過ごすそうですね。ドイツ文学の中にもたくさん森や湖が出てきますね。読み直してみたいです。

投稿: tona | 2007年4月26日 (木) 20:40

小塩さんはプロテスタントの作家ということで読んだのが始まりでした。
熱心なクリスチャンなのですが押し付けがましいところがありません。

以前読んだものの中で印象的だった文章がもうひとつありました。
ヨーロッパのカトリック教会を訪れた小塩さん、ミサの中で歌われる歌が皆ユニゾンなので、「ここは一つ自分がハーモニーをつくって差上げなくては!」と張り切って歌われたそうです。
朗々と響いた小塩さんの歌声にニコニコと耳を傾けてくれた信者の皆さんと気持ちよく挨拶を交わした後で、カトリックのミサではユニゾンでしか歌わないのだと知らされたというお話。無邪気なまでに素直な小塩さんの感性と、それを暖かく受け入れた教会の人々。
なんだかとっても「いい話」として覚えています。

投稿: aosta | 2007年4月26日 (木) 21:33

★aostaさま

おはようございます。
そうでしたか。
カトリック教会ではミサではユニゾンで歌われるのですね。
プロテスタントではそこも違うのですね。
少しも知りませんでした。
本当にテレビでお話を伺っていても、そんな性格が表われた方です。
さらに小塩さんの本を読みたくなりました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2007年4月27日 (金) 05:45

気候や土地風土によって成長に差があるんですねぇ。
そしてそれが思想の違いを生むなんて。。。
知れば知るほど面白いですね。
そういえば、南国の方と寒い地方に住む方の性格も違いますよね。
南国に行くほど時間にとらわれないように思います。
こちらの方ではダイオウショウはほとんど見かけません。
樹木の魅力にとりつかれるとハマりこんでしまいそうです。
抱きついてパワーを頂くだけにします(笑)

投稿: ちょびママ | 2007年4月27日 (金) 10:04

★ちょびママさま

ありがとうございました。
この本ではいろいろなことがわかりました。
面白かったです。
木もいろいろですが、人間の方も暖かい地方と寒い地方では違うのですね。
なるほど、時間にとらわれない、何かおおらかなんですね。
我が東京は中間かしら。

樹木も奥が深そうです。
ちょびママさんに抱いてもらった木々は元気になれるのではないでしょうか。

投稿: tona | 2007年4月27日 (金) 20:38

花については、被写体にすることがよくありますので、興味を持って、調べたり見たりするのですが、木についての本を読まれて、樹木についてお勉強なさっておられるのですね。
写真の高野槙はお馴染みですが、ダイオウショウは初めて見ました。
それで調べてみましたら、3葉の長い葉の松なのですね。
写真を拝見して、王者の品格が備わっているような第一印象でした。

縁起のいい三鈷の松とはまた違うのでしょうね。
私も木についてもっと興味を持たねばと思いました。

投稿: anikobe | 2007年4月28日 (土) 20:33

★anikobeさま

まだ木については初歩です。
お花と違ってちょっと覚えられそうもないです。といって、お花の方は野草や高山植物、サボテン、湿地植物、シダなど未知のものばかりですが。気長にいこうと思っています。

anikobeさん、私はダイオウショウが3葉とは知りませんでした。
また三鈷の松のことも知りませんで今調べたところです。高野山にあるのですね。
「飛行三鈷杵」も初めて見ました。
今日も少し勉強できました。
いろいろ教えていただき感謝しております。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2007年4月28日 (土) 21:29

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