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2007年7月12日 (木)

立春の卵

Hana_2 『中谷宇吉郎随筆集』に「立春の卵」の話(昭和22年)がある。
これは立春のときに卵が立つという話で、中国の本から発見され、1945年(昭和20年)に上海で立春に卵を立て、2年後の立春に上海、ニューヨークや東京などで実験に成功した。数千年の間中国の古書に秘められていた偉大なる真理が、突如脚光を浴びて、科学の世界に踊り出た。

しかし著者は立春の時だけ卵が立つことが科学的に説明できないとして、家で実験したら3,4分でちゃんと立ち、科学的に説明している。立春の卵の話は人類の盲点の存在を示す。人間の歴史が些細な盲点に著しく左右されるかもしれないというのである。
私も卵を立ててみたが、10分であきらめた。身近に成功した方がいるでしょうか?

中谷宇吉郎は世界で初めて人工雪の結晶を作った、雪と氷の世界的な科学者であり、寺田寅彦に師事した随筆家の名手でもある。

7/9の新聞に、霧を使って空間を演出する、世界的に有名な「霧の彫刻家」の中谷芙二子さんのことが載っていた。この方が中谷宇吉郎のお嬢さんである。
画家から造形に転じ、大阪万博でペプシ館を人口霧で包んだのが初の「霧作品」だそうである。
「芸術家も現代に生きる限り、科学や自然、社会との関係に敏感でなければならない」というのが父から継いだ考えとのこと。父譲りの独特の自然観を持った芸術家なのである。
10,11日とお台場の科学未来館で「霧の芸術」を披露したそうで、どんな世界が出現したのでしょう。

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コメント

「卵を立てる」と言う話は何かで聞いたように記憶していますが、試したこともなく、
tonaさんの、広い読書から「う~~ん」と納得しました。
本当に読書家ですね。
いつもそれに感心し尊敬しています。

投稿: anikobe | 2007年7月13日 (金) 18:03

★anikobeさま、こんばんは。

コロンブスの卵の話は有名でしたが、この話が中国の古い書物から発展したことは知りませんでした。
国語の教科書に寺田寅彦が載っていたような気がしますが、そのお弟子さんの中谷宇吉郎の随筆は、実に古いのにそれを感じさせない魅力に富んだ文章と内容ですね。
ありがたいお言葉のコメントをいただきありがとうございました。

投稿: tona | 2007年7月13日 (金) 20:32

「霧の彫刻家」中谷芙二子さんの記事は新聞で読みましたが、
そのお父さんのことなど知る由もなく…
tonaさんはどうして知っていらっしゃるのだろうなどと、
自分の無知は横へ置いて、思ってしまいました(^^;)
立春だけに卵が立つ、などという話はナンセンスと感じますが、
tonaさんが試してみられたように10分頑張っても立たなかったら、
多くの人が『やっぱり立春じゃないからなのか?』と思って
しまうものかもしれませんね。
ナンセンスと思ったことを立証してみせたところが、
さすがは科学者と思いました。
そしてその科学者としての感性はお嬢さんである芙二子さんにも
受け継がれ、新たな芸術を生んだのですね。感動を覚えました。

投稿: ポージィ | 2007年7月13日 (金) 21:38

あ~、私も卵を立ててみようと頑張って見た事あります。
一度も立ったタメシありませんよ。

人工雪の結晶を作ろうなんて思うとこが私のような凡人とは違うとこなんでしょうね。
そういうお遊び的部分にこだわる。
そこから科学や発明の一歩が生まれるのですね。
そのお嬢さんもなかなか素敵な方のようですね。
霧の芸術かぁ。。。見てみたいですね。

投稿: ちょびママ | 2007年7月14日 (土) 00:26

●立ちますよ~
もちろん「全て」というわけではありませんが、コイツなら?というので試して、
何度か成功しました(笑)。
要は、平べったい方(尖っていない方)のブツブツが多いのを見つけ出すこと。
そして、そっと(あくまで、そぉ~と!)テーブルなどの上に置くだけです。
ゆで卵の方が上手くいくのか?は、生卵しか試してないので不明です。
まぁ、素人考えですが、生の方が重心が低い(黄身が下がって)と思われ、
確率が高いのではないか?と…

投稿: 讃岐の団塊オヤジ | 2007年7月14日 (土) 03:17

★ポージィさま

ポージィさんも記事を読まれたのですね。
切っても切れない親子の関係が「雪」と「霧」となって結晶したことに深い感銘を覚えました。
普通は蛙の子は蛙なのですが。
科学から芸術へ、決して無関係ではなかったのですね。
中谷宇吉郎のことを聞いているのは、年がいっているからですよ。何しろ戦前生まれですもの。
この頃科学離れって騒がれていますが、科学する心もますます、私は失ってしまいました。
コメントをありがとうございました。

投稿: tona | 2007年7月14日 (土) 08:29

★ちょびママさま

ちょびママさんもやってみたことがおありで、まだ成功していないのですね。成功したら教えてくださいね。
↑讃岐の団塊オヤジさんは立てたそうです。やっぱり立つのですね。
こんなことを戦後すぐの頃、立春だけに実験していたことが、おかしく感じられる話です。
エジソンを初めとし発明家たちの考え方や振る舞いは、私のような凡人とはあまりにかけ離れていて、そういったことを読むのがまた面白いわけですね。
コメントをありがとうございました。

投稿: tona | 2007年7月14日 (土) 08:39

★讃岐の団塊オヤジさま

わー!何度か成功しているのですね。
根性の人ですね。
中谷博士の理論どおりではありませんか。
凄い!尊敬申し上げます。
鉄ちゃんと共通するところがあるような気もします。
中谷博士はゆで卵も簡単に立ったと書いておられます。何かもっと難しそうに感じますが。
どうも立たせたお話をありがとうございあました。

投稿: tona | 2007年7月14日 (土) 08:48

中学の教科書だったかに載っていました。
何故か中谷は寺田の親戚と思い込んでいたのです.tonaさんの記事で思い違いを知りました。

投稿: saheizi-inokori | 2007年7月14日 (土) 13:27

★saheizi-inokoriさま

そうですよね。私も教科書に載っていた記憶があります。
中谷宇吉郎=雪の結晶とインプットされていました。
随筆面白いです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2007年7月14日 (土) 17:26

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