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2007年7月20日 (金)

『スギ林はじゃまものか』

Yuri_2 『スギ林はじゃまものか』山岡寛人著

スギは日本原産の、常緑針葉樹で、青森県から屋久島まで分布する。

日本の森林面積は国土面積の67%で先進国でもトップクラスである。
そのうち41%が人工林で、人工林の43%がスギである。
何故スギか?木目が美しく、軽くて丈夫で、家屋の建築用材として優れている。又、成長も早く、植林してから30~40年でまっすぐに高さ50mに育つ。

戦後復興のため、国策としてスギが造林計画に使われた。
ここで私は昭和19年の国民合唱歌の「お山の杉の子」を思いだ出す。禿山の杉の子が椎の木に馬鹿にされて、[今に見ろ、大きくなって皆(国)のため、お役に立ってみせまする]と考え、大きなスギになったというもの。私が1番最初に覚えた歌(と親が言っていた)で、私より下の方は知らないほど古い歌である。

ところが伐採の時期を迎える頃、コンクリートや2×4構法など建築方法が変わったり、価格暴落、人件費高騰などでスギ林は放置された。そのため、山地崩壊、土砂流出、スギ花粉症の問題が引き起こされた。それでじゃまものに・・・

解決策としては・・・スギ人工林の中にギャップ(森林の穴)を作って、そこに木の実が豊富な落葉広葉樹を植え、クマ、カモシカ、イノシシ、シカ、サルなどが人里に出ないようにする。
その上、森林は地球環境保全機能や土砂災害防止機能などたくさんの機能を有する。花粉症のためにもスギ人工林の世話をしていかなければならない。林業に関心を持つ若者も少し増えているが、もっと育っていって欲しい。という内容でスギ林をじゃまにするばかりではないといういきかたがあり、少し林業への目が開かれた。

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コメント

●「杉」に罪はない!
tonaさんはご存知ですが、私の姓にも使われている漢字なので、肩を持ちたくもなる(笑)
大昔から日本にあったのに、30年ほど前から花粉症の「犯人」として悪者扱い。
杉林が放置されだしたたのは、林業の衰退(特に後継者不足と輸入材の増加による需要減)が主な原因。
結果、山が荒れ(具体的には保水力の低下)、ちょっとの大雨で「土砂災害が発生」ということに。
落葉広葉樹なら腐葉土になりますが、どこもかしこも常緑針葉樹を植林したんだもの、いわば「自然のしっぺがえし」でしょう。

ちなみに、昔習った「三公社五現業」のうち、なぜか「林野」のみ現存。
他は全て民営化、あるいは独立行政法人になりました。
「お山の杉の子」は、私も子どもの頃歌いましたよ~。
どこで憶えたか?は、定かではありませんが…

投稿: 讃岐の団塊オヤジ | 2007年7月20日 (金) 23:25

★讃岐の団塊オヤジさま

おはようございます。
そうでしたね。姓に入っていましたね。気がつきませんでした。肩を持ちたくなる気持ちが良く分かりますよ。

本当におっしゃるとおりのことが書いてありました。
常緑針葉樹は栄養にならないことは知っていましたが、散々な結果が、しっぺ返しとしてで出ていますね。
豊かな贅沢な生活が地球温暖化を招いたように。
>「三公社五現業」のうち林野のみ現存、これも全然思っても見なかったです。
「お山の杉の子」ご存知でしたか。終戦後歌詞を変えて、ずっと歌われていたのでしょうね。

投稿: tona | 2007年7月21日 (土) 07:11

私の一番古いアルバムの最初のページにモノクロで大きく引き伸ばした写真が張ってあります。諏訪大社境内の大きな杉の木をし下から見上げる形で撮った写真。
子供が大きく、まっすぐに育つようにと、父が撮ってくれたのだといいます。

東山魁偉が描いた北山杉の美しさ。
日光の杉並木。
木曽五木にも杉は筆頭に上げられています。

杉は竹と並んで日本の文化を支えてきた大切な資源。

戦後の急速かつ大量の植林による弊害がいまになって出てきたのですね。
ほんと、杉に罪はありません。

でも、毎年花粉症に悩まされる私にとってリスクのある木でもあります。

投稿: aosta | 2007年7月21日 (土) 08:48

コストに合わないからということで林業や農業が切り捨てられてきました。私なども勉強もしないでマスコミの論調を鵜呑みにして農林族が悪いとばかり思っていました。
コストだけでは判断できない国土の安全、さらには食物の安全に今頃気が付いています。

投稿: saheizi-inokori | 2007年7月21日 (土) 10:48

 
讃岐の団塊オヤジさんが最初に書いていらっしゃるように、
杉には何の罪もありませんね。杉ばかりを植えたのも人間、
その杉の林を放置したのも人間。
自然界に対して人間が手を出すと、どれも独りよがりだったり
考えが浅かったり中途半端だったり…というのの見本に
なってしまっていると思います。
人工の杉林の中に落葉広葉樹を植える対策や林業に関心のある
若い人が増えてきているとのことで、少し将来に光が
見えたような気がしました。
林業は何十年単位で見なければいけない仕事、スローライフ
じゃないと成り立たないものかもしれませんね。

投稿: ポージィ | 2007年7月21日 (土) 11:50

放っておいても育つ木もあるが、杉など植林されたものは、それなりに手がかかる。
下草払い、下枝きり、間伐など。

うちでも昔、本業ではないが少しばかりの杉林があった。少なくても30年以上にならなければものにならない。
その頃はまだ職業として成り立つ頃だったが、植林して一代でものにならない。次世代でやっと商品になる気の長い仕事だ。
手をかけて育てても、商品になる時代に左右される。割の合わない職業かもしれない。

輸入材などに押されて価格も暴落すれば、なお更継ぐ人もいなくなる。
花粉の問題もあるが、環境破壊に繋がる由々しきことだと思います。
「お山の杉の子」歌いました。

思い出しました。この前の緑のなす、昔、郷では作っていました。焼きナスがおいしかったです。

投稿: 夢閑人 | 2007年7月21日 (土) 12:22

★aostaさま

まあ、アルバムのモノクロ写真、お父様の意思が杉のようにとは、記念的写真でちょっと感動しました。お父様を思い出す大切な写真ですね。
aostaさんが挙げられた、北山杉のあの絵は素晴らしい絵ですね。そして日光杉並木、誰の心にも焼き付いているのではないでしょうか。
木曾五木の筆頭と初めて知りました。
いつも教えてくださってありがとうございます。
花粉症は辛いでしょうが、放置したことによって花粉が増えたそうです。ですから、きちんと面倒を見ると少し減るのだそうです。
竹の美について、aostaさんにいつかお願いします。

投稿: tona | 2007年7月21日 (土) 16:42

★saheizi-inokoriさま

高度経済成長で、人並みの暮らしが出来る程度に給料が上がってきたら、人件費高騰で、コストに合わなくなって、国土が荒れてきたのは悲しいことです。
マスコミ、関係者の方がいたらすみませんが、本当に皆がヒステリックになっていくように煽り、私たちは流されないようにするのが大変ですね。

投稿: tona | 2007年7月21日 (土) 16:47

★ポージィさま

本当に杉に罪はないのですね。
火事の多かった、江戸時代にはもう杉が家屋の建設に、切っても切れないほど重要だったのですから、それが引き継がれて戦後復興にまで当てられたのすぎなのに。かわいそうになります。
犠牲になった自然界のこもごも、そろそろ見直して、将来を考えていかなくては思います。開発もいろんな面から考慮していかなくては、日本はめちゃめちゃになります。
そうでうよね。林業は育つまでが野菜と違って長い道のり、皆が理解し、後継者が増えるように願ってしまいます。ありがとうございます。

投稿: tona | 2007年7月21日 (土) 16:55

★夢閑人さま

私もこの本で、下草払い、枝払い、間伐など多くの仕事があって、多人数の人がいるということを知りました。この著者は教え子に体験させているのです。そこから後継者が出ることもあるようです。
こうした努力が実を結ぶといいなあと思いました。でもおっしゃるように、1代では成り立たず、苦労も多く、しかも重労働ですから口で言うほどたやすいことではないということが解ります。
もうこれ以上、杉林を荒れ果てさせてはいけないところに来ているのですね。
でないと災害がますます頻発に起きるようになりますね。地震国故に侮れないことだと思いました。ありがとうございます。

投稿: tona | 2007年7月21日 (土) 17:03

確かに日本の山は杉が多いようですね。
それによって起こる花粉症は、昔からあったのでしょうか?
なかったのかあってもスギ花粉が原因か分からなかったのか?
いろんなアレルゲンがあるんですけど、代表的なものとされているようです。
以前ちょっと耳にしたことがあったんですけど、花粉の飛び散らない杉が開発されてるとか?

投稿: pochiko | 2007年7月21日 (土) 21:28

★pochikoさま

pochikoさんの方にも勿論杉林があるのでしょうね。人工林の半分近くが杉で占められているのですからね。
スギ花粉って江戸時代、明治、大正、戦前まではあまり聞かなかったみたいですね。
私が生徒だった頃友人にあんなに鼻かんでいる子はいなかったですもの。花粉の量が増えたとか、添加物を多く摂取するようになったとか言われていますが。
花粉の飛び散らない杉、それが大きくなる30年後は花粉症が少なくなるでしょうね。

投稿: tona | 2007年7月22日 (日) 08:32

お山の杉の子の歌、懐かしく今でも口ずさむ程度に歌えます。

四方山に囲まれた県南西部は、特に奥吉野などに行きますと、下刈りや、枝打ち、間伐をして、丁寧に育てている、美林を目にすることがしばしばです。

植えっぱなし、人の手を加えないでいる杉山とはまた違った美しさがあります。

むやみな伐採は山肌を荒らしますので、要は、いかに管理するかですね。
林業の後継者不足が、山の暮らしの問題になっています。

投稿: anikobe | 2007年7月23日 (月) 09:31

★anikobeさま

NHK「みんなの童謡」で今丁度「お山の杉の子」を歌っていました。
5番、6番は覚えていませんでした。
奥吉野の美林、きれいでしょうね。
手入れされた杉林は遠目には見ても、近くでじっくり眺めたことはありません。
あんなに美しく保つためには、大変な労力がいるということを知りました。重労働と価格に合わないために廃れた林業を淋しく、悲しく読みました。でも少し希望が!
天道真『大誘拐』の映画を観た時に、あの奈良から和歌山一体の森林に圧倒されました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2007年7月23日 (月) 15:22

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