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2008年9月 4日 (木)

『暦に見る日本人の知恵』岡田芳朗著

私たちは当たり前と思って、有り難味を感じないもの、事がたくさんあります。空気、水、電気、ガス、乗り物などを筆頭に数え上げればきりがありません。
この本で、暦、時刻もそうなんだと知りました。
旧暦、時代劇に出てくる時刻法が太陽暦(グレゴリ暦)に変わったのは今から130数年前です。

幕末から明治にかけての国事多難なとき、諸外国と月日が違うのは不便であった。朝廷と幕府の間さえ食い違っていたようです。
欧米人との約束には有無を言わさず、彼等がそれによって動いている時刻法と西洋時計の時刻に従うことになった。
また、明治政府にとっても旧暦には閏月もあって13ヶ月分の給料を払わなければならないという財政上の困難を救わねばならない。

明治5年11月9日に太陽暦改暦の詔と太政官の布達が発表されたのです。
[明治5年12月3日をもって明治6年1月1日とする。1ヵ年365日、4年毎に1日の閏を置く]
[時刻はこれまで昼夜の長短に応じて12時に分けていたのを改めて、西洋時計の時刻により、昼夜を等しく24時間とし、これまでの子の刻から午の刻までを12時に分け午前幾時とし、午の刻より子の刻までを12時に分け午後幾時とする]
新聞もまだあまりなく、このことが全国民に伝わらず暫く知らなかった人、また新法はとても不便だと文句を言う人も多かった。また師走が2日間しかなくて、とても正月が迎えられないとか、商売もにも大いに差しさわりが生ずるなど様々な声があがった。

少々乱暴な過激な言葉を使って、これの啓蒙に尽くした人が福沢諭吉でした。
[此度の改暦にても、其訳を知らずして、12月の3日が正月の元旦になると計りいふて、夢中にこれを聞き、夢中にこれを伝へなバ、実に驚くべき事なれども、平生より人の読むべき書物を読ミ、物事の道理を弁じてよく基本を尋れバ、少しも不思議なる事にあらず、故に日本国中の人民改暦を怪む人は必ず無学文盲の馬鹿者なり。これを怪しまざる者ハ必ず平生学問の心掛ある知者なり。されバ此度の一条ハ、日本国中の知者と馬鹿者とを区別する吟味の問題といふも可なり]

今では旧暦の六曜(大安・仏滅・先勝・先負・友引・赤口)を冠婚葬祭に使い、季節の用語として二十四節季がまだまだ使われていますが、旧暦そのものだったら本当に大変。本の題名とは関係ないような内容になってしまいましたが、陽暦、西洋時刻の中で暮らす有難さを感じた1冊でした。

私もやっとセンニンソウ(仙人草・キンポウゲ科)を近所で見ることが出来ました。これも分からなくて教えていただいた花です。
別名「馬喰わず」 有毒で馬も食べないからとか。
実がなって熟すと仙人のひげが広がるそうで、是非忘れないで見たいものです。
Photo_2 

たくさん咲き始めたニラの花もよく見るときれいなものです。
Photo_3

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コメント

毎日、当たり前と思って生活していることも、最初のⅠ歩は大変なことだったでしょうね。
いい時代に生きれてると思います。

tonaさんは白いお花がお好きですよね。
センニンソウ、この辺でも見れるでしょうか?
にんにくの花も咲き始めましたが、畑では早めに切って、新しいニラの葉を育ててしまいますね。

モミジバルコウソウ、少し涼しくなったからか、たくさんの花が咲きだしました。

投稿: もみじママ | 2008年9月 4日 (木) 20:14

ニラの花とセンニンソウ、最近私も見ました。
センニンソウは名前が分からなくて図鑑と首ぴきだったのですが、「だろうなぁ・・・」に達した時、tonaさんのところで、「やっぱり、そうだった」になりました。

tonaさんは、本当に花の名前をよく知っていらっしゃいますね。

今度UPしましたら、間違っていたら教えてくださいね。

投稿: anikobe | 2008年9月 4日 (木) 21:49

tonaさん、またまたすごくお勉強になるご本を読まれたんですね~
習慣が変わるというのは混乱を招いて最初は大変だった事でしょうねぇ
でももっと怖いのが当たり前にあぐらを描いちゃう事かもしれませんねぇ。
だから折に触れ、改革が必要なんだろうし。
そうやって今、私たちの暮らしが成り立ってると思うと先人に感謝すべき事、いっぱいありますね。
こちらは雨がなく水不足の問題が深刻になってきました。
水不足になると減圧給水となり蛇口から水の出が悪くなるのですが、私はこれくらいがちょうどいいと持ってるんですよ。
何であんな勢い良くジャージャー出る必要があるのかと前々から苦々しく思ってましたから。
だから渇水の心配がなくなっても今のまま減圧したままでいいのになぁって思ってるんですが困る方もいらっしゃるのかしら?
水の出がイマイチでも、のんびり水を溜めたり使える気持ちの余裕が欲しいですね。

投稿: ちょびママ | 2008年9月 4日 (木) 23:37

あらら、誤字脱字が。。。
あぐらを描く→あぐらをかく
ちょうどいいと持ってるんですよ→ちょうどいいと思ってるんですよ

投稿: ちょびママ | 2008年9月 4日 (木) 23:39

暦も、時間(時計)も
日本が近代化するための
基礎づくりだったのでしょうね。

投稿: YUKI-arch | 2008年9月 5日 (金) 07:56

★もみじママさま

そうですね。いろいろの意味でいい時代です。もし夜ロウソクや行灯だったら、不便ですよね。
1つ1つ日常を振り返っても本当に有難いことです。

センニンソウは調べてみたら、山地だけでなく、市街地にも咲いていると出ていました。きっと今に見つけられるでしょう。
ニラですが、春から何回切ったことでしょう。凄い生命力です。
モミジバルコウソウ、我が家でも昨日あたりから急にたくさん花をつけました。ありがとうございました。

投稿: tona | 2008年9月 5日 (金) 08:09

★anikobeさま

センニンソウご覧になったのですね。
私は知らない花が多くて、教えてくださる方がいらっしゃるので、いつもおすがりして教えていただいています。
教えていただくためには、観察もしっかりしなくてはいけませんので、よく見るようになりました。
私の方こそ間違えていたら宜しくお願いいたしますね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2008年9月 5日 (金) 08:15

★ちょびママさま

本当に習慣が変わるというのは大変なことだったのですね。
今、ヨーロッパのようにサマータイムにする議論がありますが、こんなことでさえ大変だと思います。
そうそう、当たり前になってしまうのは怖いです。
四国の水不足、いつも讃岐の溜池の話やなどと関連して、心配しています。
北九州で昭和50年代に大渇水にあったので、いつも水のことが夏になると心配です。
今年はこの間辺り降ったので大丈夫と思っていたのですが、やはりだめなのですか。
水道の出の勢い、おっしゃるようにもったいないと思います。食器を洗う時量を絞りながら洗っています。
井戸も経験しているので、水の無駄遣いも結構心が痛みます。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2008年9月 5日 (金) 08:24

★YUKI-archさま

幕末、明治の初め、いろいろな改革が行われましたが、今はこんな当たり前のことも変革の時があったのだと知りました。
西洋化とても大切だったことがわかります。
あの激動の時代、あれだけのエネルギーがなかったら近代化への道がずっと遅れていたでしょう。祖先に感謝です。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2008年9月 5日 (金) 08:29

慣れれば感じなくなる。当然と思えるようになる。
 人間は、アブノーマルなとき、その存在の有り難味を知る。

暦だって、測定法だって、旧暦が太陽暦、西洋時刻に変わり、尺貫法がメートル法になる。当然、慣れないから戸惑いが生じる。

現代でも、もし何かが変われば、慣れるまではさなざまなトラブルが起こるでしょう。

慣れることは大事ですが、慣れすぎれば、有り難味を忘れる。
 たまには振り返って見る事も大事ですね。
 

投稿: 夢閑人 | 2008年9月 5日 (金) 11:40

落語の世界の住人はいまだに「いま、なんどきだい?」福翁から大バカ者!といわれますね^^。

投稿: saheizi-inokori | 2008年9月 5日 (金) 13:23

★夢閑人さま

本当に慣れると感じなくなるということの連続でした。
たまには有り難味を感じるためにも初心に返る必要ありですね。
どこまでも傲慢に突っ走っている人間ですから。義務を怠って権利ばかり主張するまことにうるさい世の中ではあります。
そういえば、匁って言っていたのがgに変わったときを知っています。まごつきました。

イギリス人は未だにヤードポンドを使っていて、かなり保守的民族ですね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2008年9月 5日 (金) 13:58

★saheizi-inokoriさま
ははは、落語ではホントにそうですね。
落語や時代小説で時や暦、行事を知ったようなものですから、此処で語られなければ、ずっと知らないままです。
今から比較すると、随分スロ-な生き方だし、月を中心として生きていたのだと実感しました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2008年9月 5日 (金) 14:06

福沢諭吉の「日本国中の知者と馬鹿者とを区別する吟味の問題」の
言葉には苦笑いでしたが、移行のときは大変だったでしょうね。
今も昔のままだったら、それこそ世界情勢について知るたび
考えるたびに置き換えなくてはいかず、それこそ大変な思いを
することになっていたでしょうね。
頑張って変更しておいてくれて助かってます。
季節の移ろいは旧暦の方がぴったり来るなということも多いのは
確かで、今も旧暦で日々を過ごそうという人たちもいるようですが。

投稿: ポージィ | 2008年9月 5日 (金) 15:17

追伸
センニンソウをご覧になったのですね。私もぜひ見てみたいと
思いつつまだ果たせていません。仙人のお髭になる様子も
ぜひご覧になってくださいね。

投稿: ポージィ | 2008年9月 5日 (金) 15:19

 こんにちは。これはまたおもしろそうな本ですね。
 それにしても、12月3日からいきなりお正月になって、みんな、おめでとう、と言って、初詣なんかも行ったのかな。(笑)それとも、それどころじゃなかった?

 あと、逆に、陰暦のよいところは部分的に依然として残されていたるするのも、また、日本人のすごいところのような気がします。

 話は変わりますが、戦国時代などは、それこそ地域によって暦がバラバラだったので、大名の側近に、乱れ飛ぶさまざまな情報の日付等を調整する専門職が、いたそうですね。
 この専門職の能力が、そのまま、その国の勢力にも影響したとか。おもしろいですね。

投稿: Nora | 2008年9月 5日 (金) 15:19

★ポージィさま

今の太平をむさぼっている私たちより、幕末明治の人たちの東奔西走している姿は、折りにつけ感動を与えられますが、過激な福沢諭吉の言葉も当然のように通用したのですね。
今だったら、何でも失言で槍玉に挙げられることでしょう。

今も暮になると、旧暦の暦がたくさん売れるそうで、それに則って生活する方や、祭りや様々な行事が行われているそうですね。旧暦は中国から来ているので、中国でもお正月は日本とずれていますね。

センニンソウ、男ならもう仙人の髭を生やしそうな年齢で、やっと見ました。
忘れないようにしたいです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2008年9月 5日 (金) 19:57

★Noraさま

11月に告示されたとは言え、12月3日からいきなりのお正月、そのてんてこ舞い振りが見えるようですね。
かなりブーイングがあったようです。
今でも、暮になると旧暦の暦がたくさん売れるそうですね。
それだけ暦を使っている人が多く、また綿綿と受け継がれてきたことは仰るように凄いことです。
これからも若い方たちに受け継がれていくのでしょうか。

Noraさんが教えてくださった戦国時代の話面白いですね。
その昔は百済から暦博士に来てもらっていたそうです。
その後そんなわけにもいかず、陰陽・天文・暦の三道に通じた賀茂家や安倍家の独占するところとなったそうですね。
しかしながらこの本を読んで、旧暦はイマイチ理解できず、難しい時代に生きていなくて良かったなんて思って、馬鹿みたいですね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2008年9月 5日 (金) 20:27

平素はご無沙汰ばかりで申し訳ありません。フェルメール展、サッチャーさんが認知症、「暦に見る日本人の知恵」など、tonaさんのブログは本当に見ごたえ、読みごたえがありますね。毎度のことながら、内容の新鮮さに驚かされます。「暦に見る日本人の知恵」この本はぜひ読んでみたいと思いました。tonaさんのおかげで啓蒙されることが多くあります。今までも、紹介された本を買ったり、上野へ足を運んだりということがありました。これからもまたいろいろ教えてください。

投稿: 茂彦 | 2008年9月 5日 (金) 21:22

★茂彦さま

過分に仰っていただき恐縮しております。
美術展はその時の感動をいつまでも忘れないでというわけにいきません。それでも足を運んでしまうのは、天才たちが紡ぎだした絵画の本物を、ちょっと足を伸ばせば、見られるおいう好条件を逃す手はないということと、一瞬の感動の贅沢さに嵌ったといえましょうか。
何も特技がないので、茂彦さんのように人に教えたり、先頭に立ってお世話をしたりが出来ません。少しでも見習いたいです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2008年9月 6日 (土) 08:41

センニンソウって白くて変わった形の花びらですね。
山野草ではないのですか?
あまり見かけたことがないような花で、この辺りでも見られるかしら?
こちらでもニラの花が咲き始めました。
匂いに似つかわしくない白い可憐な花ですよね^^

投稿: pochiko | 2008年9月 6日 (土) 23:38

★pochikoさま、こんばんは。

センニンソウは山野草ですよね。
それで町で見られたので不思議でしたが、山などだけでなくあちこちに咲いているようです。
私も今年初めてその辺で見て驚きました。
そちらにもあるのでしょうね。きっと。
どこかで出会えるといいですね。
ホント、ニラって匂ってくる葉から想像できない、意外に可愛い花ですね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2008年9月 7日 (日) 22:36

「愛」がランクインしてなくてホッ。

投稿: Papalin | 2008年9月16日 (火) 21:22

あれ、へんなところに書いちゃったみたい。ランキングの記事に書いた筈が・・・。(^_^;)

投稿: Papalin | 2008年9月16日 (火) 21:28

★Papalinさま、こんばんは。

あははは・・・「愛」が10年後になくなっていなくて良かったですよね。老いも若きも大切なもの、人類滅亡まで残るものでしょう。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2008年9月16日 (火) 22:55

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