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2009年3月 5日 (木)

南極観測隊の食べ物

西村淳著『面白南極料理人』

巡視船勤務の海上保安官だった著者は、第30次観測隊(昭和基地)と第38次南極観測隊ドーム基地越冬隊の2度の経験をしています。
その第38次でシェフとして南極の昭和基地から1000km離れた、標高3800mのでの1年間を綴った本です。
南極は北極よりも寒い。3800mは空気も薄く苦しい。平均気温が-57℃、最低-76℃を体験しています。すべてすぐ凍ってしまう世界でどのように過ごして、どんな食べ物を食べているのか興味津々でした。
なるべくゴミを出さない。けれどもやっぱり氷の世界に探検隊はたくさんのゴミを残し続けているのですね。南極のゴミの問題が世界で騒がれたときに、「しらせ」で全部持ち帰っているのかと思ったのがそうではないようです。

このたび宇宙飛行士が二人選ばれたが、身体頑健、宇宙酔い試験だけでなく、狭い空間で仲間とずっと一緒に仕事をするに耐える精神力や統率力など厳しいテストで選ばれました。南極も厳しい自然条件と何もないところで1年間仲間と過ごすのは実に大変なものがあることがわかります。

さて、その食べ物ですが、これが驚きなのです。
私たちが日常食べている食品はおろか、豪華なお店に行ってしか食べないものまで、すべて冷凍(こんにゃくや生卵など1部を除く)にしたものを1年分計算しつくして持っていくのです。
隊員のお誕生パーティの度に、リクエストに答えて凄い料理が作られます。
例えばこんなです。

アミューズ:ムール貝のカクテル チリソース
前菜   :ガランティーヌ フォワグラのムース詰め
スープ  :すっぽんとトリュフのコンソメ
サラダ  :フレシュフォワグラとドーム製レタスのサラダ ソース・ド・アンチョビー
魚    :ラングスティーヌと帆立貝のパイ皮包み ソース・ド・アメリケーヌ
ソルベ  :ブルーキュラソーのシャーベット ダークベリー添え
肉    :鴨肉のロースト オレンジソース
デザート :冷凍いちごのそば粉のクレープ包み ソース・ド・アングレーズ  

いやいやたまげました。いちごやレタス、アンチョビー、帆立以外は我が家の台所に登場しません。 

中華やイタリアン、蟹尽くし料理、栗ご飯や桃饅頭の材料、串揚げ、はじかみ生姜、漬物、からすみ、もずく、あらゆる野菜、各種誕生ケーキ作りなどの冷凍材料をよく用意したものです。
料理熱源や水の確保など生活もいろいろ興味深い内容でした。南極も宇宙に劣らず大変ですが、料理に関しては宇宙食はまことにお気の毒です。

クロッカスがやっと開きました(黄色は近所)

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ヒメフウロとモミジバゼラニウムが冬の間に、外で紅葉

Photo_3 Photo_4

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コメント

豪勢なお料理でびっくりいたしました。
すっぽんとトリュフのコンソメなどは、
冷凍物を解凍するのでしょうが、
変わらず賞味できるのでしょうね。

極寒地ですから、カロリーも高めで、
日本で食したらたちまち成人病です。

メニューというのはなるほど生活を映し出すものですね。

投稿: YUKI-arch | 2009年3月 6日 (金) 03:37

★YUKI-archさま

私たちの冷凍庫と違って、冷凍は南極は実に状態がいいわけで、品質低下もなさそうです。美味しいでしょうね。
リーフ類などの新鮮野菜は栽培して食べていたのですね。

なるほど、こんな料理を食べていたら確かに体がメタボになって数値悪化ですね。
カロリー消費は-50℃近辺の中で活動するわけですから凄いのでしょう。
-10℃の経験で1日で結構という身にとっては想像を絶する世界です。ありがとうございました。

投稿: tona | 2009年3月 6日 (金) 08:12

一面氷の世界で楽しみと云ったら食べることが最大なのかもしれないですね。
湯豆腐で一杯も都会の喧噪の一日が終わったからこそしみじみとうまいのかも。南極ではしみじみしすぎてしまう?

投稿: saheizi-inokori | 2009年3月 6日 (金) 08:42

★saheizi-inokoriさま

閉鎖された極限状況では、どんどんストレスがたまるので、食欲を満たすことだけが最大の楽しみで、それもお酒付きの宴会です。
そこで出される料理もつまらないものではなく、雰囲気にそぐうものでなければならないから、この方の作るのは仲間8人に沿うよう最高のメニューで、無事幾つもの大波を乗り越えたようです。
昭和基地は今では、この本の高地と違って、水洗トイレだそうで、他にも恵まれて快適だそうです。精神的強さがまず要求されるのですね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2009年3月 6日 (金) 12:52

ふっくらと素適なクロッカスが咲きましたね。
うちのはまだ蕾も出てきません。葉っぱばかり。毎年気をもみます。

南極観測隊の食事内容、興味津々で拝見しました。
豪華なメニューにびっくりです。これを作れるというのですから、
シェフ担当の方の腕もすごいものですね!
極限での生活においては、食事は大いなる楽しみでもあり、
楽しめることがストレス解消にもつながるのでしょうね。

それにしても、平均気温-57℃、最低-76℃の世界は
想像を絶します。寒がりの私じゃ、降り立つと同時に冷凍人間になって
はいさようなら、となってしまいそうです~~

投稿: ポージィ | 2009年3月 6日 (金) 14:40

★ポージィさま

こんばんは。
今演奏会から帰ってきまして遅くなりました。
ははは、冷凍人間になってはいさようならとは!ご一緒したら涙を流して悲しんでいるうちに、私も後を追ってしまいそうです。寒がりなんです。それ以上に暑がりで、インドに行ったらお陀仏です。

シェフのこの方は海上保安学校出身ですが、どこでお料理を習ったのでしょうか。とにかくこんな調子で凄いお料理ばかりで、私が頑張って作ったのも彼なら超手抜き料理なのですよ。

極限状況下の人間関係はかなりのストレスがたまる中、著者は料理人として最高のエンターテイメント・ディレクターと友人も書いています。著者が陽気で、豪気で、アバウトで全然神経質でないということが、越冬隊9人の男所帯の爆発を救ったのです。ある意味で宇宙飛行士にも匹敵するすごい人です。
もう一人、-70℃でもジョギングしたりするドクターがいました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2009年3月 6日 (金) 22:24

南極観測隊の食事には興味深々
でした。桁外れの寒い気温だけ
に恐ろしいところですね。
物凄い超豪華な料理には唖然と
しました。食品は1年分持参し
保存も凄いことですね。
冥土の土産に行きたいなあ!

投稿: 老春 | 2009年3月 7日 (土) 15:29

★老春さま

観測隊の食事は思い描いていたのとは全然違っていました。
あらゆる食材の冷凍技術が進んだのですね。
9人の1年分の食材の調達と、さらにそれを昭和基地から1000kmも離れた高地に運ぶのも大変ですね。
食材ですが私たちがめったに食べられない、イセエビやカニ、フォアグラ、海鮮の数々、超高級ビーフなど、極寒の僻地だから用意してもいいのでしょうかね。
冥土の土産に行きたい!老春さま、なかなかお元気ですね。私は思ってもみなかったです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2009年3月 7日 (土) 19:58

素晴らしいお料理
素敵です

クロッカス 綺麗にさいて
うれしいですね

投稿: ryuji_s1 | 2009年3月 9日 (月) 09:48

tonaさん、こんにちは。
>一面氷の世界で楽しみと云ったら食べることが最大なのかもしれないですね…
>閉鎖された極限状況では、どんどんストレスがたまるので、食欲を満たすことだけが最大の楽しみで…
そうなのかも知れませんが…以前「南極」の特集をしていて…
何十万年(?…うろ覚え(^^;)も前の氷を採取して成分を調べたり…
果てしなく拡がる大地を探検したり…体力が必要だと感じましたね…
観ているだけで…ワクワクしましたよ~♪行けるものなら行きたいです!(^O^)
未知の世界を観られる楽しみが一番であって欲しい…という希望でした(*^m^*)

演奏会は盛況でしたか…お疲れ様でした…(^-^)V

投稿: orangepeko | 2009年3月 9日 (月) 11:07

★ryuji s1さま

コメントありがとうございました。

ryujiさんならこのようなお料理なんでもなく作ってしまわれそうですね。
1500近くもお料理をアップされていて、驚きました。
毎日きれいなお花も載せていらっしゃいますね。
お料理を感嘆の声を上げながら拝見させていただきます。

投稿: tona | 2009年3月 9日 (月) 16:46

★orengepekoさま

著者が行ったときは9人のうち4人が研究者で、その研究を支える技術者などが一緒に派遣されとということです。
探検は半数で4、5泊で回っていました。

私の元同僚がNHKの随行で南極へ行きましたが、その話もなかなか面白かったです。
南極に乗り込むまでの船の揺れが凄いらしく、ちょっと二の足を引いてしまいます。
「しらせ」のような大きな船なら大丈夫なのでしょうか。
未知の世界はわくわくしますね。
orangepekoさんならきっと南極上陸を果たせることでしょう。

演奏会はコーラスに関するものでしたので、とても参考になりましたが、雲の上の人たちです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2009年3月 9日 (月) 17:01

tonaさん こんばんは^^
宇宙食と違って、何でも冷凍して持ってくんですね。
特に考えた事はなかったんですけど、缶詰類が多いのかなぁ~と思ってましたが違うんですね。
現地調達も考えました。
よく南極でタロウとジロウのように犬に生肉を与えていましたよね。
ああいうのも、ひょっとして出発時に冷凍して持って行ってたのかしらね^^;
でもバリエーションのある献立にびっくりでしたね。

投稿: pochiko | 2009年3月 9日 (月) 23:02

★pochikoさま

パソコン買い替えで復活おめでとうございます。データーが消えないでよかったです。

南極食は冷凍なのですね。氷の大陸が天然の冷凍庫ですから、ここまで発達した冷凍技術に、こんな美味しい献立さえ可能なわけです。
私も缶詰が多いのかと思っていました。
この間、東京タワーの下で南極の犬たちの銅像にお目にかかりましたが、そう、冷凍生肉を食べていたのですね。
野菜は葉ものは現地で栽培していたのにも感心しました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2009年3月10日 (火) 08:40

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