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2009年4月25日 (土)

映画『スラムドッグ$ミリオネア』

ツルオドリコソウ(シソ科・踊子草と同じ花で色が黄色)がもう咲いていました

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立て続けに映画2本観てきました。

『スラムドッグ$ミリオネア』
世界中にある4択、賞金が倍々になるクイズ番組、ミネオリアがインドを舞台に行われている。
このクイズにスラム育ちで殆ど教育を受けていない若者が挑戦している。
何故?挑戦、何故?最高賞金まで行ったのか。
どう考えても殆ど勉強していない子が、この難問に答えられるわけがない。
しかし彼の育った過酷な人生にその答えが全部結びついていたというのである。
どんな問題とも結びつくほど、彼はめまぐるしい体験の連続の人生を送ってきたのか。
全問答えられたのはこれは奇跡としかいいようがないが、奇跡としても私には不自然と受け取れてしまった。
しかし映画だからいいのでしょう。
それにしても以前観たフィリッピンのスラムのドキュメンタリーの上を行く、凄まじいとしか言いようのないスラムである。のっけから打ちのめされそうな光景が続く。
孤児になった兄弟が恐ろしい魔の手から逃亡して、タージマハルであらゆる違法な行為をしてでも生き延びていく、その逞しさは計り知れない。
一見そんなに強そうに見えない若者がクイズに挑戦するのも、幼いときに行動をともにした女の子と離れ離れになって、またその子に会いたい一心からだ。
彼にとって彼女が、こんなにないない尽くし生活の中の一条の光であり続けたわけだ。賞金と彼女の両方を手にするハッピーエンドの物語であるけれども、インドの最も貧しい人々の凄まじいエネルギーに圧倒されてしまった映画でした。

『ある公爵夫人の生涯』
一転してこちらは18世紀後半の豪華なあつらえの館に、大勢の召使にかしずかれ、贅沢な生活の公爵夫人の生涯を撮った映画。
ダイアナ元妃の先祖ということで観たくなった映画です。
どんなに富と家柄に恵まれても、貴族は家系を絶やさないために、男の子を生まなくてはいけないという道具として結婚を強いられ、愛のない生活に縛られ、それはそれは悲しい毎日の連続です。
この実話の場合、彼女の親友まで夫が愛人にして同じ屋根の下に生活する。夫と親友に裏切られて、後に首相になる人物と恋する仲になるが、許されずに恋人との子供とも引き離される。彼女亡き後、彼女の遺言で夫は愛人と結婚するのがまた涙を誘われる。
ただこの映画は本年度アカデミー賞で最優秀衣装デザイン賞受賞だけあって、次々と装われる衣装に釘付けです。
スラムと貴族、どちらも悲しみ・不幸は質は違っても同じ、比較するのもおかしいのですが、どちらもノーサンキューです。

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コメント

教育も何も受けてないスラム街の若者が、ミリオネアに挑戦。すべての問題に答え、最高賞金を獲得した。
彼の人生にその答えがあったと言うストーリーとはいえ、いかにも映画らしい作り話の筋書き。確かに納得するにはちょっと不自然な気もします。

一週間くらい前、NHKのBShiの放送で、詩人の小池昌代さんがインドのコルカタ(カルカッタ)を取材、訪問した番組がありました。

1平方キロに2万4千人が住む世界一の人口密度。街の中は人、人で埋まっている。
一歩裏通りに入れば、狭い路地の両側に狭い住まいがひしめき、生きるために何らかの仕事を通りといわず、家の中までもやっている。
狭い部屋に沢山お人が同居する。
露天床屋に、物売り、ゴチャゴチャした中に
人がひしめき合っている。
貧困の差がひどく、貧困層の街はスラム化している。

1968年、行った時と全く変わっていない。
街を歩けば、物乞いと、物売りの子供や若者がぞろぞろついて来ていた。
なぜか街で目に付くのは殆ど男性だった。
発展途上国とは言え、IT産業など、めまぐるしく発展してる半面、裏側は全く変わっていないのだ
悲しい現実を見せ付けられたひと時でした。

投稿: 夢閑人 | 2009年4月25日 (土) 18:15

★夢閑人さま

BShiの放送観損ないました。映画を観る予定だったので観たかったのですが、残念です。またやるでしょうから、興味津々で観ます。
約40年前にコルカタに夢閑人さんはいらっしゃったのですね。
この都市はマザー・テレサを思い出します。
凄い人口密度ですね。信じられません。(東京もこの頃凄い人の多さを感じますが)
人だらけですね。みな生活するためにありとあらゆることを、どこでもここでも使ってやっているのですね。
スラム街は目を覆うばかりですね。
物乞いと物売りで街を歩けないですね。
そんないろいろな現状が夢閑人さんが渡印されたときと少しも変わっていないとは!
しかしアメリカや北欧におけるIT産業の主役を担っている、あるいは計算が凄いインド人は世界の注目を浴びています。
世界の人口の40%近くを占めるインドと中国の人々は世界各国に出て行って、そこにたくましく根を張っています。
シンガポールで見たのですが、何やらインド人がたくさん集まっていました。聞いたら、故郷の話などいろいろと集まって立ち姿で話しているんだそうです。
先日同じ光景を池袋で見たのです。こうして彼らは連携を強め、異国でも挫けずに生きているのですね。
私はインドに行きたいのですが、お腹が壊れると聞いて、自信がなくあきらめました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2009年4月25日 (土) 19:20

一問ごとに短編小説を読むようでしたね。
この手があるのか、と思いました。

投稿: saheizi-inokori | 2009年4月26日 (日) 08:45

『スラムドッグ$ミリオネア』が
オスカーをとった瞬間の舞台上を見たのですが、
大勢が壇上に乗って素晴らしい光景でした。

低予算でつくったらしいのですが、
ハリウッドの主流とは違っていて、
それにも感心いたしました。

投稿: YUKI-arch | 2009年4月26日 (日) 19:30

★saheizi-inokoriさま

そうでした。一問に過去の出来事が必ずあって、そこに答えが出ていたなんて。
saheiziさんの感想文でさらにわかったこともあったりして、ありがとうございました。

投稿: tona | 2009年4月26日 (日) 19:36

★YUKI-archさま

私もビデオに撮ってオスカー受賞の瞬間を観ていました。とても印象に残りました。
低予算だったのですか。
ハリウッドとは大違いですね。
ムンバイの混沌とした街中には驚きました。
岡田真澄に似た司会者にはむっとしました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2009年4月26日 (日) 19:40

★saheizi-inokriさま

TBありがとうございました。
これでさらにこの映画がばっちり記憶に残ります。
スーザン・ボイルのこと新聞にも載っていましたね。この動画何度も拝見しました。
世界中でもう1億も観られたらしいですね。
新聞記事では通り過ぎてしまいますが・・凄いことです!

投稿: tona | 2009年4月27日 (月) 08:20

今年に入ってからも「映画」見たことが
ありません。TV放映の映画もみたこと
がありません。
こんな老春では話になりませんね。
分かったふりして見させていただきまし
た。失礼しました。

投稿: 老春 | 2009年4月28日 (火) 06:44

★老春さま、おはようございます。

私も映画館にはあまり行かないのですが、今年は珍しくアカデミー賞受賞につられて、観に行きました。
テレビで観るのとは同じ映画なのに、迫力が違っていますね。
こちらこそ拙い感想で失礼しました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2009年4月28日 (火) 08:20

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先日書いたスーザン・ボイルは今や世界に名を知られたようだ。 そうしたらもっと前にポール・ポッツというオペラ歌手も同じような番組で勝ち抜いて売れっ子になったのだと教えてもらった。 薬の広告にも出ているんだって、”テレビ見ない人間”はこういうところで遅れを取る。 こういう動画を観て「映画をみているようだ」とおっしゃる人がいる。 まさにそういう「映画を見ているような気持になるほど不思議な現実社会をリアルに描いた」映画をみた。 「スラムドッグ・ミリオネア」はムンバイのスラム街に孤児として... [続きを読む]

受信: 2009年4月27日 (月) 08:02

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「スラムドッグ$ミリオネア」★★★★★満点! デーブ・パテル、マドゥール・ミタル 、フリーダ・ピント 主演 ダニー・ボイル監督 「インドのスラムで育った青年が TVのクイズショウで難問を次々と 正解していく、 今年のアカデミー賞8冠の栄誉に負けない 主人公の半生に涙」 ムンバイの路地で遊ぶ子供たちが、 バラックの家が立ち並ぶ細い迷路のような通路を 走り抜けるとき、 カメラは足下や少年達の目線で 人々の暮らしの一瞬を切り取る。 そしてカメラが小さな... [続きを読む]

受信: 2009年5月 5日 (火) 22:58

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