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2009年10月 4日 (日)

「黄金の都 シカン」展

Photoシカン神の黄金のマスク(tona画)

国立科学博物館で開催されている展覧会です。
「月の神殿」を意味する「シカン」は750年から1375年までで、日本では平安・鎌倉時代にかぶさる。ペルー・インカはもっともっと古い時代だと今まで錯覚していました。
シカンというもう1つのインカ帝国がインカ帝国滅亡から遡ること500年前に存在していた。
ロロ神殿の発掘で支配者等の遺体とともに、1.2トンもの黄金製品が発見されたのである。シカンの支配者階級は黄金で埋め尽くされていたようである。
ツタンカーメン王のように、あるいはトロイアのアガメムノンの黄金のマスク、そしてブルガリアのトラキア王の黄金のマスクのように、ここのミイラもシカン神の黄金のマスクを被って、しかも遺体はすべて座位で葬られていた。

Photo_2 熟練した金工職人がいて、このマスクのような高度な金細工がたくさん出土したほか、交易によって真珠、琥珀、エメラルド、トルコ石、そして大型貝のウミギクガイやイモガイなどもふんだんに使ったものも多い。
織物の文様も独特だ。土器も、この地に生える脂肪を多く含んだ木が高熱を出すのを利用して黒い焼き物に仕上げている。
文字を持たなかったようである。まだ発掘の途中のようで全部解明されてわけではないので、これからにまだ期待したいシカンである。

振り返って平安時代、日本は朝鮮や中国のお陰でか文字を持ち、女性も小説を書いていた王朝文化。衣食住の面から見ても、今に残る往時の生活様式がかなり高度であった事を確認できる。しかし、ポンペイなどからわかるギリシャ・ローマ時代はさらに1000年以上も溯るのだし、四大文明もおぼろげながら、あんな時代にと日本と比較して驚くのである。
この展覧会で、何故我々は歴史を学ぶのか?と問題提示していた。それは1つには、自分がいかにして現在ここにあるのかを、しっかり確認するために歴史を振り返る、こと。

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コメント

シカンの遺跡発掘を紹介したテレビ番組を最近目にしました。
とても興味があります。

インカ文明に加えて新たに日の目を見たシカン文明。
今後どんな展開になるのでしょう。

文字を持たない文化ってなんともまだるっこそうですね。
中国や韓国の文化を上手に取り入れて日本文化を育んでくれた先人に感謝です。

関西でもこの展覧会やってほしいです。

投稿: もみじ | 2009年10月 5日 (月) 09:39

★もみじさま、ありがとうございます。

おはようございます。
テレビでご覧になりましたか。
はるばるペルーからたくさんの宝物が運ばれて展示されたことはありがたいですね。
パンフレットにはこのあとどこへ行くかは記されていませんでした。

エジプトも文字が解析されたので、今から五千年前のことがわかったのですね。このシカンやインカには文字が記されていないようです。日本の縄文弥生時代をみるようですね。
日本は古来、仏教の導入と同時に器や機織りに至るまでお隣韓国から職人を招いて技術を教えてもらったのですね。そんなことも感謝できた展覧会でした。

投稿: tona | 2009年10月 5日 (月) 09:53

私もみました。やはり日本と比較してしまいました。
縄文とか弥生の感じがしたのです。
日本の文字、とくに仮名と漢字の成立が世界的に見てもユニークだということが納得です。

投稿: 佐平次 | 2009年10月 5日 (月) 10:26


しばらく前、世界ふしぎ発見でシカンが取りあげられているのを
興味深く見ました。そのとき、日本に運ぶためにと展示をそっと
はずしていました。それをtonaさんがご覧になってきたのだと思うと、
とても感慨深く感じられます。
tonaさんの記事で、番組中で知りえなかったことも色々教えていただき、
さらに興味がかき立てられました。私ももっともっと古い時代のことのように
思っていましたが、平安・鎌倉時代の頃の文明だったのですね。
びっくりと同時に面白いです。
シカン文明については、まだまだこれからどんな発見がされていくか
楽しみですね。

投稿: ポージィ | 2009年10月 5日 (月) 13:35

★佐平次さま ありがとうございます。

本当に時代を考えますと意外でしたね。
てっきり日本の古墳以前の時代と勘違いしていました。
技術は凄くても、文字を持たない文化です。
漢字を導入し、仮名を作った日本はすごいですね。中国はさらに進んでいました。
私たちにはなんでもなくても、これを学んでいる外国人って凄いと思ってしまいます。

投稿: tona | 2009年10月 5日 (月) 16:09

★ポージィさま ありがとうございます。

TBSはもう20年も映像を独占して、放送しているそうです。
「世界不思議発見」と「ザ世界遺産」の番組で私も観ました。
ペルーのあちこちの博物館から運ばれたのですね。
実際に見ますと、解説によっていろいろなことがわかりました。
今回は自分の中で日本と比較すると面白かったです。日本とさらに外国のもっと古い時代の比較もして凄い時代があって、中世で一時、中断したような感じを持ちました。
発掘を担当している島田教授はまだお元気そうな中年でいらっしゃるので、これからの活躍も期待したいところです。

投稿: tona | 2009年10月 5日 (月) 16:24

>漢字を導入し、仮名を作った日本はすごいですね。中国はさらに進んでいました。
でも、白川静は漢字の成り立ちについて後漢の紀元100年に許慎が書いた「説文解字」に2000年ぶりに異論を唱えたのです。
ひらがなの発明と並ぶ日本の誇りです。

投稿: 佐平次 | 2009年10月 6日 (火) 09:29

 こんにちは。
 以前教えていただいたナスカ展がすばらしかったので、今回も行きたいと思いましたが、パンフを拡大すると、今週の連休までとのこと。
 予定があって行けそうになく、残念ですが、tonaさんがお描きになった絵や、説明のおかげで、とてもよく雰囲気が伝わってきました。
 特に、イラストは、細部まできちんと描き込まれていて、すばらしいと思いました。
 実物を見てもキンピカでわかりにくい、素朴な造型がよくわかります。

 tonaさんもお書きになっていらっしゃるように、日本やヨーロッパは、すぐ近くに高度な古代文明が存在し、盛んに交易も行われていたわけですが、それらとナスカやシカンなど南米の文明とを比較すると、ほんとうにおもしろいですね。

 ところで、パンフにある3Dシアターというはご覧になりましたか?

投稿: Nora | 2009年10月 6日 (火) 12:13

★佐平次さま

そうなのですか。以前佐平次さんが紹介されていた白川静の項が頭に入っていませんでした。
ありがとうございます。
縁があったら読みたいと思います。
本当に日本も大したものです。誇りですね。

投稿: tona | 2009年10月 6日 (火) 15:11

★Noraさま ありがとうございます。

12日までです。私はいつも最後の方であわてて行っていますね。
下手なイラストはちょっと創作してしまいましたが、胸部は実際に鎧のような四角いモチーフの金でできたベストが2着ほど飾ってあったのをイメージしました。
コップみたいのも金ですし、金だらけです。
南米の文化、あるいは中米の文化も面白そうです。遠いと言うイメージでこんな機会でもないと見ることができませんね。

3Dシアター観ましたよ。立体的で迫力満点です。ナスカのグライダーに乗ったあの映像も忘れられませんね。
島田泉教授の情熱は吉村教授らと同じく凄いものがありますね。世界各地の発掘現場には必ず日本の考古学者が携わっています。驚きです。


投稿: tona | 2009年10月 6日 (火) 15:32

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