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2010年9月26日 (日)

シャガール展とカポディモンテ美術館展

Photo 芸術の秋、今年は上野芸大美術館と国立西洋美術館へ。
年を重ねると、シャガール、ゴッホ、モネなど有名な画家の日本での展覧会も2度目のものが出てくる。年齢によって感じ方が違います。

シャガールはユダヤ人、亡命、愛妻の死などご多分にもれず劇的な一生を送っているが、モネと同じように長生き出来た画家です。
人間や馬が空を飛んでいたりする変わったモチーフや色が独特の、面白い画家の印象です。19世紀から20世紀にかけて実に多くの抽象画家が、中には私でも描けてしまいそうな(ていうわけはないですが)、あるいはワケの分からない絵を描いているが、ピカソにしてもシャガールにしても最初はまともな絵を描いていて、さすが上手なのですね。
歌劇「魔笛」の舞台美術シリーズ初公開、赤が印象的ないかにもシャガールらしく興味深く見られました。

Photo_2 かわって、かつてゲーテも訪れたという、ナポリの丘の上にある宮殿美術館が所蔵する「カポディモンテ美術館展」へ。
ティツィアーノ『マグダラのマリア』くらいしか有名なのがない地味なマイナーな美術展です。
ポスターにあるパルミジャニーノ『貴婦人の肖像(アンテア)』・・・なんて美しい貴婦人でしょう。モナリザよりずっとずっと。
黒貂の襟巻きを掛けている点においても、その美しさにおいても、ポーランドにあるレオナルド・ダヴィンチの『白貂を抱く貴婦人』と比較してしまいます。高級娼婦を描いたとも言われるらしいけれども、その気品のある顔はそんなことも否定してしまいます。
肖像画の他はギリシャ神話や聖書に基づいた宗教画が多い中、ユディットの首を切る2枚が凄い。ヴィーナス題材が群を抜いて多いし、聖アガタやマグダラのマリアなど聖人に関する絵も多かった。

Photo_3 丁度中丸明著『絵画で読む聖書』がとても参考になりました。ギリシャ神話も聖書もざっと2,3回読んだ程度ですぐ内容を忘れていました。
画題を見てすぐわかるのはとても楽しいことです。
ギリシャ神話の神々の行いもそうだが、聖書のキリストの祖先も道徳的、人格的にも尊敬できないシッチャカメッチャカな人が多く、なんだか呆れて読んでしまったこの本です。
むしろ後に現れる多くの聖人の中に神のような人がいます。宗教とはなんぞやと昔勉強したのも回答が得られぬままに、絵を見たり読んだりです。

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コメント

20代前後、鴬谷に住んでいましたので国立西洋美術館などは良く行きました
ただ、その頃は絵画が好き、と言うよりカメラに凝っていて構図の勉強でした
ですから、ピカソなどはサッパリでしたねhappy01
不忍池の蓮花はもうとっくに終わってましたでしょうね?

投稿: OB神戸家 | 2010年9月26日 (日) 15:38

★OB神戸家さま

上野の森に近い鶯谷に住まわれたなんて、贅沢な感じさえします。
カメラの構図の勉強、さすがですね。
絵もそんな観点からも眺めなくては。
何の考えもなしに撮っているので恥じ入ります。
なるほどピカソなど構図の勉強にはならないですね。

不忍池は覗きませんでしたが、先だって他で見たときはすっかり終わっていましたよ。
有難うございました。

投稿: tona | 2010年9月26日 (日) 15:59

シャガールもモネも印象深い絵を残した画家ですね。
たいていの画家が、最初はデッサンなど描いて描いて描いて…
その上で自分の画法を模索し到達していったのですよね。
そうして到達した後もさらにその時々の自分らしい描写を
探し続けていった人tも。
あくなき探求といいますか。私にはとても真似できない世界です。

投稿: ポージィ | 2010年9月26日 (日) 17:05

★ポージィさま

ポージィさんがおっしゃるように、画家になる最初はデッサンを重ねるのですね。
この素晴らしいデッサンの作品からどうしてこのような絵になっていく?
そうか、探求なのですね。
あまり沢山の事に手を染めないでいくことも必要かもしれません。

いえいえ、ポージィさんはフラワーデザインを、誰にも負けない情熱で極めていらっしゃるではありませんか。私から見るととても真似できない凄いことです。
有難うございました。

投稿: tona | 2010年9月26日 (日) 20:59

シャガールってとても温かい眼差しを感じます。
芸術の秋なのにまだどこにも行けません。

投稿: 佐平次 | 2010年9月27日 (月) 10:43

tonaさん、こんにちは(^-^)
良い時間を過ごしておられますね~♪(^-^)V
絵画は、取りあえず画集で…(^^;

一昨日、漸く少しだけ山裾に行きましたが…ただ茂っているだけで(>_<)
めぼしいお花には出会えませんでした…(^^;
お花たちは贈れていて…これからですね…(*^m^*)

投稿: orangepeko | 2010年9月27日 (月) 15:57

★モコモコさま

アンテア・・本当に左右の肩幅が以上に違っていてショールがなかったら如実に分かって不恰好でもありますね。
見ていたとき気がつきませんでした。
でも体が少しひねっていると書いてありました。そんな関係からも余計このように見えたのでしょうか。
チェチリアは以前横浜の美術館に来ました。せっかく行ったのですが、あまりの長蛇の列で、ランドマークタワー共々諦めて帰ってきました。残念な思いです。そしてこの間のポーランドでも、せっかくワルシャワに来ていたのですが、時間がなくてだめでした。縁のないものってそういうものですね。
アンテアについては全く初めてで勉強不足でした。

モナリザの、かくも深き解釈、なるほどです。
若桑みどり氏の講義をももっと聴きたいところでした。あまりに早く逝かれてしまいました。

神話にしても宗教画にしても、中世頃以前からそれ以外のモチーフを描くことは禁じられたとかで、ステンドグラス(字が読めない人のためだったそうで)などもそうですが、その内容を知ってないとわからないところが、いかに宗教即芸術だった社会であったかを物語っています。
私たちはせっかく鑑賞するのですからやはり勉強しなくては。
まあ、そういった意味でもこの本は全然別の聖書の世界を表してくれました。
有難うございました。

投稿: tona | 2010年9月27日 (月) 21:45

★佐平次さま

TBもありがとうございました。
そうそう、こんな温かい作品もあったのだと目を開かれました。
今回の作品もいかにもシャガールらしいです。
暑かった秋口、芸術どころではなかったですが、汗を拭き拭き行ってきました。

投稿: tona | 2010年9月27日 (月) 21:49

★orangepekoさま、こんばんは。

ひっきりなしに美術展があって、どれにしようかと迷ったりもします。何時も美術展のはしごしています。そのためにも体力を温存しなくてはです。

秋のお花を期待しても全然ありませんね。
そちらでもそうでしたか。
ちょっと時期が早いのでしょうね。
少なくとも昨年お目にかかったのにはもう1度会いたいです。
有難うございました。

投稿: tona | 2010年9月27日 (月) 21:54

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» 見つけたぞ!「私のおばあちゃん」(シャガール)(ひろしま美術館) [梟通信~ホンの戯言]
ずっと一緒にいたくなるようなおばあちゃん。 眉間や目の下、口の周りから頬へかけての皺、なんとも優しい目と口もと。 いかり気味の肩とごつごつした大きな指、シャガールはどれだけこの肩と手に世話になったのだろう。 どっしりしたお尻も頼もしいなあ。 上着の菊模様かな、赤が可愛いくておしゃれ~。 ネッカチーフと犬(上手に座っておばあちゃんを見守ってる)の胸、おばあちゃんのほっぺにも同じ赤が。 後ろに見える小さな椅子、戸棚、窓、暗がりも暖かでおばあちゃんとシャガールのいろんな物語が大事にしまって... [続きを読む]

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