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2011年7月11日 (月)

冒険家・石川直樹

石川直樹著『この地球を受け継ぐ者へ』 ~人力地球縦断プロジェクト「P2P」の全記録~

著者は石川淳の孫で、1977年生まれで、写真家で冒険家。文章がしっかり書けているのも祖父譲りか。
世界最年少で世界7大陸最高峰踏破を記録した人。エベレストは10年前はチベット側から、今年はネパール側から登頂に成功している。
登山家と思いきや、ユーコン川単独漕破、気球で太平洋横断(失敗)、海図もコンパスも使わずに海を渡る伝統航海術の実践・研究、最近も危険なパキスタン、アフガニスタン、イラクなどをくまなく回ったり、アフリカを回る。写真家、登山家だけでなく、カヌーイストでもあり、僻地旅行家でもあり、航海士でもあり、気球乗りでもあったのだ。

表題の本は2000年3月から北極圏を700㎞も橇を引いて歩き、カナダ、アメリカ合衆国、中米、南アメリカ、南極を自転車と徒歩で縦断し、南極では南極点まで300㎞をスキーで2001年元旦に到着し、全長32965㎞を10ヶ月間で踏破した旅の記録だ。自転車では1人1日20~70kmを8人で漕ぎ進む方式で、漕いでないときはサポート車に。車の中も劣悪条件のようだ。
原則は野宿、世にも貧しい自炊の食事(同じメニューばかり、時にはゴキブリが飛び出てくる、半分腐りかけなど)、極地の極寒とアリゾナ、南米砂漠などの炎暑、虫、不衛生な水、ある時は1週間も1ヶ月もシャワーを浴びることが出来ず、入国や気候に左右されて何週間も足止めをくったり、南米の高地適応問題、そして何より精神的に大変な8人のメンバーとの折り合いなどちょっと気がついただけでも、あまりに過酷なことが多すぎる。
都市に着くと学校などのプレゼンの数々やテレビ、ラジオに出演、またゴミ拾いや園芸、植樹、家無き人の世話など事もなげにするのである。
石川さんの素晴らしいのは個性の強い外国人と起居を共にし、殆どの若者は屈折していろいろな緊張が生ずるが、全然ストレスに感じないで優しく受け入れるのである。
又、体調管理も良くて、風邪を引いたり、お腹を壊したりはちょっとだけで、寝込まないで旅を続けるその鉄のような意志と体力には驚かされる。合間を縫ってPCを繋ぐ事情が悪くても携えて、頑張ってEメールチェック、ウエブサイトへの報告、日記、記事を書いて、読書してと休みなく活動を続けるのである。
パナマからエクアドルの航海では荒海にもめげず、航海術を船長の隣で学んで運転したりと遊んではいないのである。
最後になって驚いてしまったのが、南極で解散した後、1人残って南極最高峰ビンソン・マシフに登頂し、その後アルゼンチンにある南米最高峰アコンカグアに登頂、1月31日に11か月ぶりに帰国したのである。
河口慧海や孤高の登山家など外国の探検家顔負けの人もいたが、諸外国の若者に負けないこんな素晴らしい若者がいることに心を強くする。政治家にこんな人がいないかなあ。

8月の暑い日に、40度以上の北米南西部砂漠地帯のハイウェイを自転車で走っている姿が目に浮かび、家の中でさえ、暑さでバテ気味になっている情けない高齢者としての自分を彼らに叱咤激励してもらっているような気がしてくるのです。「暑い」という言葉をもう少し減らそうなんてね。

今彼のおじいさんの本を読み始めたのですが、昭和30年頃の筑摩書房の全集で字が小さくて、あの頃、昔の高齢者は読むのが大変だっただろうなあ、いや高齢者は、あまりこんな本は読まなかったのかしらなどと思いつつ読み進んでいます。

゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。゜。°。°。°。°。°。

2.5cmのカマキリの子どもが登場。秋には大きくなって、雌なら親のように卵をいつもの所に産むのでしょう。

Photo

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コメント

こんにちわ!
暑い日が続きます。お元気ですね。
さて、石川直樹さんについては行動力は凄いし、本当に頼もしい限りです。
その生き様が職業ということも流石です。

小さい頃からおじいさんの影響を強く受けて育ったのでしょう。

日本人が内向きになってきている中で続く人が増えればいいですね。

今韓国人も頑張っていますね。かっての日本の若者みたいに世界中で活動しています。

日本も石川さんみたいな世界が注目するような人が出てきて欲しいものですね。

そして日本の若者に良い影響を与えて欲しい
と思います。

投稿: macchanny | 2011年7月11日 (月) 18:38

★macchannyさま、こんばんは。

梅雨が明けてすさまじい暑さがこのまま2カ月も続くのですね。
お元気で精進されていらっしゃることでしょう。
お忙しい中をコメントありがとうございました。

石川淳氏が亡くなったのは1988年で直樹さんが生まれたのが1977年ですから10歳まで影響受けたことが感ぜられます。
韓国人も、このメンバーに選ばれたのです。世界7カ国から選ばれた8人の中にアジアが2名です。
いろいろあっても全員最後まで行動出来たことは、選ばれただけのことがあります。女性が3人いますが、考えられない強い女性ですね。
今は社会が複雑で精神的に強くないと生きて行かれません。どんどんアウトドアー面から鍛えていかないといけませんね。

投稿: tona | 2011年7月11日 (月) 20:11

河口慧海に匹敵する日本人が今もいるとは驚きです。
甘やかされた軟弱人間ばかりと思っていましたのに・・・
強靭な体力と精神力にも恵まれておられるのでしょうね。
育て方がよかったのでしょうか。
根性が違うのでしょうか。

↑韓国では軍隊に入らねばならないので、日本人より強靭でしょうね。

投稿: matsubara | 2011年7月12日 (火) 08:21

★matsubaraさま

強靭な体力の持ち主も精神的にガタが来たときに崩れます。
石川さんは何事もストレスに変わらないようで、凄い人だと思いました。
高校生で短期留学だけでなく、インド・ネパールを1ヶ月も1人で旅したのが起点だったようです。
韓国の人は最年少19歳で、軍隊経験はないのでしょうか。1番最初は弱くてトラブッていました。人との折り合いも悪く困ったチャン的だったのですが、そんな彼をもプラス思考で石川さんは見るのですね。最後は韓国青年も強く逞しく成長し、敢闘しつつ達成したのでした。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2011年7月12日 (火) 08:48

tonaさんもちょっと通じるものがありませんか^^。
石川淳の小説はいくつか読んだけれど難しかったなあ。もう一度読み返してみようか。
毎朝ステーキを食べるという文壇ゴシップが強い印象で残っています。

投稿: 佐平次 | 2011年7月12日 (火) 09:51

石川淳さんという方を知らないのですが、石川直樹さんという方はそのお孫さんですか。
こちらの方は、記事を拝見したところ名前は覚えていないながら、TVで見たことのある
方のようです。これほどの過酷な旅を
しているとは、想像を超えていました。
いつの時代にも冒険家と呼ばれる方たちはいますが、彼らは何を求めてこのような
過酷な旅に挑むのでしょうか。そこから得るものは多大なものがあるとは思いますが。
石川直樹さんの、体力精神力も素晴らしいですが、ストレスをストレスにして
しまわないような柔軟な精神、受け入れる心の広さといったものも素晴らしいですね。
ストレスまみれになって押しつぶされそうになっている夫に読ませたくなりました。
『この地球を受け継ぐ者へ』私も読んでみたいです。
何かというとすぐに他人を責める狭量な人々、心身ともに軟弱傾向の強い現代人
すべてが読んでみるとよさそうです。

投稿: ポージィ | 2011年7月12日 (火) 10:58

★佐平次さま

3年前67歳からいきなりアルプスに登って、この3年間の高みへの憧れが募るばかりですが、さすがに叱咤激励し、常に身を軽くしてないと目的は果たせそうにありません。
70歳になって1ヶ月、ちょっと怠けると、身体が重くなってあちこち不調になりそうなので、チャンスは逃さないようにします。
石川淳の小説、確かにぼんやりとは読めません。
文壇ゴシップも初めてお聞きして、この作家について何も知らないことに気づきました。
有名な作品だけでも読んでみます。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2011年7月12日 (火) 13:53

★ポージィさま

石川直樹さんはこの間、東山魁夷の作品検証の番組にカメラマンとして出演していましたね。ヒマラヤ登山から帰ってきたばかりの頃のようです。
どうして命が危ないような目に遭いながら、過酷な旅、冒険をするのでしょう。
この本に答えのようなのが出ていると思います。
1枚の布団に2人、一泊に水一滴もなしの山小屋が私にとっての最大の過酷条件で、読んでいたら恥ずかしくなりました。
今ご主人さまは仕事面で1番大変な時なのですね。腰痛でも苦しまれていらっしゃるので支えるポージィさんも辛いものがありますね。
ポージィさんがおっしゃる通りです。人に責任転嫁する人、心身ともに弱くなってしまった人々が、この石川さんの強さをひとかけらでも持つことが出来たらと思うのです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2011年7月12日 (火) 14:13

 石川淳のお孫さんがそんな大冒険を!
 今後も、どんなことをやってのけてくれるのか、楽しみですね。

 前にも書いたかもしれませんが、石川淳は、難しいのものは難しいけれど、歴史伝奇ものや、古典の現代訳などは、とにかくおもしろくって、すらすら読めてしまいます。
 いずれにしても、こんなに簡潔で格調高い日本語を書く人は他におらず、若い頃はその文章にあこがれていました。
 全集をお持ちですか。しばらく楽しめますね。

投稿: Nora | 2011年7月12日 (火) 17:59

★Noraさま、こんばんは。

まだ33、4歳の若さですから、これからどんな活躍をするのでしょうか。本当に楽しみな青年です。

石川淳の全集は持っていないのです。
筑摩書房の全集に入っています。昭和29年までの代表作しか入っていないのですよ。
歴史伝奇ものでは外国のもありますね。Noraさんが文章に憧れたとのこと、暇を見て読み進みたいです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2011年7月12日 (火) 19:43

私の名前は石川淳と同じ漢字なのです。
サンズイにナベブタにクチと子を書いて…と説明しても中々分かってもらえないので
敬愛する石川淳や江藤淳の名を使ったりしましたが、殆ど通じません。
仕方なく、昔は桜田淳子、今は高畑淳子の名前を説明に使わせてもらっています。
その石川淳のお孫さんが、こんな立派な冒険家だったとは知りませんでした。

投稿: zooey | 2011年7月13日 (水) 07:54

★zooeyさま

お名前では苦労されているのですね。
作家ではだめで、女優や歌手の芸能人の名前でやっとなのですか。
石川淳を敬愛されていらっしゃるのでかなり読み込んでいらっしゃるのですね。
私は名前と一部の作品の題名のみで、初めて読み始めました。
明治以降のこの作家以前の作家で読んでない人がたくさんと今回全集を眺めて気が付いた所です。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2011年7月13日 (水) 08:51

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