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2012年1月 8日 (日)

ゲーテの『イタリア紀行』

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寒い北国から暖かい憧れのイタリアへ2年もの長い間旅行したゲーテの紀行文です。
現在のイタリアとゲーテが旅行した1776~1778年当時と眺めた景色、美術・建物は全然変わっていないようである。
好奇心旺盛という言葉があるけれども、これはゲーテのためにもある言葉かと思うほどである。
さすが世界の文豪ゲーテだけあって、景色の文学的表現が素晴らしい。
そして、ヴェネツィアでもローマでも、夜毎に芝居、音楽会、朗読会、オペラ、あらゆる会と称するものに出かける。教会も、史跡もしかり。そして絵画に至っては、今日有名で世界中の人に愛されるものをゲーテはその目でちゃんとその素晴らしさを堪能して感極まっているのである。ゲーテが凄いと感動したから、今日名画になったかと錯覚してしまう。
裁判所にも傍聴に出かけ、あちこちで石を拾う。人々の栄養状態観察(やはり当時は日本の江戸市民同様栄養失調であった)。
こうして書いていくと、面白くて、あまりにいろいろあって紹介し切れない中、驚いたのは満月の鑑賞である。
私たちは満月の夜、月のまん丸を愛でて、すぐ家の中に引っ込む。ゲーテは違う。
満月の日の前後、3、4日間、寒い2月の夜を彷徨うのです。煮焚きの煙がコロッセオを包み霧のようになる風景や建物の前庭や広場や通りで照らしている様子を心ゆくまで味わうのです。

そこで伝記を見てみたら、詩人、劇作家、小説家、哲学者の他に、法律家(弁護士でもあった)、政治家(ヴァイマル公国の宰相であった)、自然科学者(人体解剖、植物、地質、光学)でもあったのですね。
鉱山見学から鉱山学、地質学を学びイタリアを含め1万9000点も石を集めている。
これでイタリア紀行における行動力が納得できました。
ゲーテには名言、格言集があります。
この紀行の中にも
”問わんとすれば、人はまず学ばなければならない”
”物事を立派に仕上げるためには、一生を通じての練習が必要である”などが書かれている。

私が定年まで働いていた時にはゲーテのこんな格言が頭をよぎったことがありました。
”まだ日が暮れない、働けよ、あくことなく。そのうち誰も働くことのできない死が来る”

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・

娘たちが房総、三浦半島旅行で買って来てくれたお土産。千葉県は枇杷と落花生の名産地でそれにちなんだお土産。
枇杷ジャム、びわゼリー、落花生バター、ぴーなつ最中(形がピーナツ)

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豆絞り(ピーナツの入った瓦煎餅)、のこぎり山バウムクーヘン、よこすか海軍カレー

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よこすか海軍カレーは明治41年の海軍割烹術参考書「カレイライス」レシピを素に、食べやすく復元したもの。
明治期、イギリス海軍を範として成長してきた日本海軍はイギリスの軍隊食であったカレーを軍隊食に取り入れたそうだ。
・・・横須賀は海軍とともに歩んできた街で、カレーは横須賀から全国に広がったと言って過言ではない。そこで大胆ではあるが、横須賀名物にする。ここに「よこすか海軍カレー」の誕生である・・・と書かれています。
今、「坂の上の雲」によって戦艦三笠は見学者で賑わっているといいます。
池上彰氏が中東取材で、ソマリア沖の警備に当たっている自衛隊の軍艦に乗船した時に御馳走になっていたのがカレーでした。
食べるのがとても楽しみです。

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コメント

お早うございます。
横須賀カレー、良いですね。インドをあちこち旅行した際にカレーだけはいくら食べても飽きが来なかったですね。香料が沢山入っているし一種の麻薬です。

ゲーテの話はその行動が人間の哲学の真髄でしょうか。常に学んでいてあらゆることへの探求心に満ちている。
目標にしたい部分がありますがもう遅い。。しかし永遠のテーマにすべきでしょうと感じています。
正月から背筋の伸びるお話を頂きました。
寿命が伸びそうです。

投稿: macchanny | 2012年1月 9日 (月) 08:43

★macchannyさま

おはようございます。寿命が伸びそうと言って頂いてありがとうございます。

macchyannyさまはインドがあっていらっしゃるのですね。ずっと食べていても飽きがこないなんて羨ましい限りです。私は嫌いではないのに、2回続けてがやっとです。
ですからとてもインドに出かけられません。このことはとても残念です。

ゲーテの小説『ファウスト』は難しくて内容がきちんと掴めませんでした。でも紀行文は現地を旅行したことがあるので、親近感があります。本当は旅行はこうあるべきなのですね。若くないのでマネは出来ませんが、その精神は自分に少しでも取り入れたいです。

投稿: tona | 2012年1月 9日 (月) 09:07

ご無沙汰しましたが今日から再開しました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします(^^)

お風邪の具合はいかがですか?

やはりブログ巡りをして皆さんの記事を拝見すると刺激をいただけますね。
心身ともに淀んだ感じになっていたのがだんだん目覚めてくるような気持ちです。
ゲーテという方、すごい人だったのですね。あくなき探究心、行動力、
思考力などなど。常に探究心を忘れず行動もされているtonaさんと
通じるものを感じます。

よこすか海軍カレーはもうお食べになりましたか?今回の帰省の折、
羽田空港で買ってわが家用にも1箱持って帰ったので楽しみです。
宇部空港には岩国海軍カレー(だったかな?)なんてのも登場していて
ちょっと笑ってしまいました。

投稿: ポージィ | 2012年1月 9日 (月) 09:15

そうだったんですね。ゲーテの凄さは。
改めて読んでみたくなりました。

投稿: 佐平次 | 2012年1月 9日 (月) 09:47

ゲーテはファウストも読み切れず人様の
批評ばかり読んできたのですが、
こういう近づき方もあるのですね。
明治の日本人が心酔した理由も
分かりますね。

いつも娘さんからのプレゼントが届いて
よろしいですね。
はじめて拝見するものばかりです。
昨日上京していました。
明日upしたいと思います。でも
オフ会は出来ませんでした。
zooeyさんが帰省中だからです。

投稿: matsubara | 2012年1月 9日 (月) 13:05

★ポージィさま

お帰りなさい。
風邪はすぐに治ったのですが、ちょっとぶり返してまたおとなしくしています。熱がないのでとても軽い、なんていうことのない風邪です。ご心配いただいてすみません。
ありがとうございました。

今年は、何かと障害(物忘れなど)が多いですが、今まで以上にゲーテのように好奇心を燃やして生活したいものです。

本日お昼によこすか海軍カレーを食べました。一口目で感じたのが普通食べるよりも甘いということでしたが、それがまた美味しくなって、あっという間にいただいてしまいました。じゃが芋の口触りが絶妙です。
岩国海軍カレーもあるのですか!味は違うかしらね。
今年もよろしくお願いたします。

投稿: tona | 2012年1月 9日 (月) 13:36

★佐平次さま

昔、『ファウスト』なんかさっぱりわかりませんでした。
その他の本も今読むと少しはわかって面白いでしょうか。
『若きヴェルテルの悩み』は80歳になっても60歳以上も年下の娘に恋するゲーテだからこそ書けたのですね。
追記:コトリと死ぬ、座布団10枚。

投稿: tona | 2012年1月 9日 (月) 13:41

★matsubaraさま

『ファウスト』は明治期、森鷗外が最初に翻訳したのですね。
外国では音楽にした人お10人近くいて、古今東西随分影響を与えたゲーテです。
私も昔読んでみてさっぱり理解できませんでした。
本当にゲーテは学んだ人だったのですね。

まあ、昨日こちらにお見えになったのですか。それは残念でした。
また次の機会は是非お声をおかけくださいね。

投稿: tona | 2012年1月 9日 (月) 13:51

ゲーテのドイツ語の名前は確か発音が難しくて
昔は日本語でも色々な表記がなされ、
「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い」
と言われたことなど思い出しました。

それにしても
>詩人、劇作家、小説家、哲学者の他に、法律家、政治家、自然科学者(人体解剖、植物、地質、光学)
とは
レオナルド・ダ・ヴィンチといい、
昔の偉い人というのは本当に偉かったのですねえ。

投稿: zooey | 2012年1月10日 (火) 11:30

★zooeyさま

この川柳は有名ですね。
ゲーテは4つも5つも読み方があるとか。
とくに明治期においては庶民が外国語を習うのもままならない時代なら、より発音は混乱していたでしょうし、こんな川柳もできたでしょう。
本当にダ・ヴィンチと同様、天才と言われる人の頂点に立つ人ですね。
いくら頭が良くても、これだけたくさん専門があると1日がさぞかし忙しかったと思われます。
夜も出かけて忙しいのに、旅立ちは早朝3時なんていう日が時々あるのですから驚きました。

投稿: tona | 2012年1月10日 (火) 19:14

海軍カレー一度だけ、夫の姪に送ってもらって食べた事がありました。
なかなかスパイシーで、美味しかった事を覚えています。
海軍カレーの謂れも良く分りました。
他にも地域ならではのお土産。
落花生のバター美味しそうですね~
こういうの家で作れないものかと思ってしまいますよ。
落花生の最中は、やっぱり落花生味の餡なのでしょうね~
食べてみたいです^^

投稿: pochiko | 2012年1月10日 (火) 23:20

★pochikoさま

もう、海軍カレー召し上がっていらしたのですね。先輩です。
いつも家や外で食べているのと違った味で、美味しいですね。
会津地方もいろいろあるでしょうが、千葉県もそれなりにいろいろお土産を頑張っているのだなあと感心します。
ピーナツバターって作るのは難しそうですね。
落花生最中ですが、形が殻つきの形をしている上、中に落花生が入っていると書いてあったのですが、味がしませんでした。しかし餡子が美味しかったです。
そうそう、柚子種の化粧水、今晩には出来そうです。ありがとうございました。

投稿: tona | 2012年1月11日 (水) 08:18

ゲーテ、最近近づいたことがありません。
tonaさんの柔らかな頭には驚かされるばかりです。

私はぼけるとの確信が昨年から強迫観念となって襲ってきます。
何とか頭が働いているうちに身体も限界に来てというのが願望です。

紀行文なら読めるでしょうか??
イタリアには3度しか行ったことありませんが。

見習うには凄すぎる目標ではありますが私なりに小さな真似をしていきましょう。

投稿: もみじ | 2012年1月11日 (水) 12:55

★もみじさま

本当に死に方まで考えるこの頃ですね。
ボケるのだけはどうしてもいやです。
昨日も寝ているうちに死んでいたらなあと思ったことです。そんなことはめったにないわけで、現実は厳しい最期ですね。

紀行文は小説と違ってわかりやすいです。行ったことがあるところだと余計親しみが湧いて読みますものね。
旅での見方が私とは前年違っているので面白かったです。岩波文庫で3冊です。字が小さい!
抜け抜けな私で本当に恥ずかしいですがよろしくお願いします。

投稿: tona | 2012年1月11日 (水) 16:53

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