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2012年1月17日 (火)

プロメテウス、荻須高徳展

寒いこの冬は、いつもになく電気をたくさん使ってしまいました。
節電の夏は遥か遠くになってしまって、その後真冬に至るも、電力不足のお知らせもなく(1度だけ95%の日あり)、停電の心配もないのが不思議。以前の発電所がいくつも稼働したのでしょうか。でも油断して皆が節電を怠るとえらい目に遭いそうです。

朝日新聞が東電の福島原発事故を多面的に実名で連載しているのが「プロメテウスの罠」です。
プロメテウスは人間に火を与えたギリシャ神話の神様。全能の神ゼウスが反対したのに、こっそり人間に与え、ゼウスの怒りを買って岩に鎖でつながれ、禿鷹に腹を裂かれ、肝臓を啄ばまれ続けたが、英雄ヘラクレスが禿鷹を殺し助けられた。
火は人間に便利な生活や文明や技術をもたらしたが、それで人間は幸福になったのか。火のお陰から回りまわって、技術や情報に追われ、戦争は絶えまなしで、こんなことから人間を解き放ってくれるものは存在するのか。
新聞のタイトルは火が原子力を意味するのか、またよかれと思ってやったプロメテウスの行為は実は罠だったのかと解釈した連載です。

そんなプロメテウスの像を、美術展の帰りに、東京駅八重洲近くに見つけました。

Photo

像と言えばこちらは可愛い女の子の像。吉祥寺の井の頭公園への道にありました。

Photo_2

Photo_3 2_2 ↑のその美術展が生誕110年を記念して、日本橋三越で開かれた『荻須高徳展』です。16日までで終わってしまいました。
25歳から84歳で亡くなるまで第2次世界大戦の一時期を除いてパリに住んだ画家で、どうやら日本の風土、気質が合わなくて終生パリを愛し描き続けた。
くすんだパリの建物をこんなにまで描き続けた画家がフランスに他にいたでしょうか。ユトリロがモンパルナスをたくさん描いたのが思い浮かんでくるだけです。
でも画家はパリと対照的な水のキラキラするヴェネチアも生涯のテーマとして描いていたのです。
美しい、青い着物姿の奥様を描いていますが、よく一生海外で寄り添って生活を続けました。その乾燥と食べ物で1ヶ月も滞在できないパリにね。
これでもかと迫ってくる薄汚れて見えるパリの建物など90点を堪能できた展覧会でした。

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コメント

この希望という像は、先日見たのですが
近寄る暇もなく通過してしまいました。
プロメテウスだったのですね。

荻須高徳は隣の愛知県出身で記念館も
ありますので、なじみがあります。
愛知よりパリに似合う人でしたが・・・
フランス語もたくみであちらにずっと
おられましたね。
フランスではオギスより
オジジューと発音されていたとか・・・

投稿: matsubara | 2012年1月18日 (水) 08:00

★matsubaraさま

プロテウスの像ご覧になられましたか。何時出来たのでしょう。久しぶりに通ったらあったのです。松明を掲げていますね。

荻須高徳は稲沢出身なのですね。名古屋から、岐阜からも近い所、この間あの辺りを通っていました。
チラシにありますが、綴りもOGISUではなくOGUISSです。これはフランス風ですか。
フランスではオジジューと呼ばれていたのですね。
教えていただいてありがとうございました。

投稿: tona | 2012年1月18日 (水) 08:34

おはようございます。
連載されていますね…
この場所にプロメテウスの像があるのはなぜ?と思ったら、
旧・日本石油と関係深いもので、統合移転とともにこの象も
お引越ししたもののようですね。
希望と銘打ち火を掲げるプロメテウス像。
節度を持って賢く使えばいいものを、人間はそれができないのですね。
希望の真逆を生み出すことにもなる諸刃の剣であるのに。
原子力についても兵器としての威力や利便性にばかり目を向けての、
見切り発車もいいところだったのではないかと思います。

荻須高徳さん、愛知出身の方ということを知りませんでした。
愛知の西端の稲沢市へは行ったこともありませんが記念美術館も
あるのですね。パリとベネツィアを愛した画家。パリの建物を描きながら、
そこで生きる人々の生活に心を寄せていたのかもしれませんね。

投稿: ポージィ | 2012年1月18日 (水) 09:39

★ポージィさま、ありがとうございます。

ああ、そうなのですか。
昔なかったのに何故ここに置かれたかとわからなかったのです。
人間ってどうしょうもない生物ですね。
特に原子力は戦争に使って、日本は原爆を投下された唯一の国です。そんな歴史もあるので近隣の某国や中東の某国が怖いです。

愛知県はポージィさんの故郷でしたね。
名古屋の駅から北へ岐阜の方へ向かうと行くと稲沢の辺りを通りますね。今回初めて私も記念美術館があるのを知りました。どんな絵があるのでしょうね。
古くは小泉八雲など、日本が気に入って怪談話まで創作しています。同じように藤田嗣治や荻須高徳画伯がパリを愛して素晴らしい絵を私たちに見せてくださったことはありがたいですね。

投稿: tona | 2012年1月18日 (水) 20:51

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