植物はすごい(2)
『春の数えかた』日高敏隆著 佐平次さんがご紹介された本です。著者は有名なコンラード・ローレンツの『ソロモンの指輪』の訳者です。
春って数えるものか?と疑問に思ってその項を読んでみる。
春の到来を知る・・ということのようだ。
くるくる変わる寒暖の波の中で、小鳥は一日のうちの昼の長さで季節を知り、虫のような変温動物は温度の積算で知る。
温度の積算とは発育限界温度以上の温度を毎日足し合わせていった有効積算温量の総額が一定値を越えた時、卵から孵ったり、サナギから蝶になったりする。そんな時春になったと虫は思うのだが、発育限界温度も有効積算温度も生き物の種によって違うので、春の来る日も虫によって違う。
この本に「ボディーガードを呼ぶ植物」の項があります。
植物につくダニにハダニがいる。これがつくと葉は縮れて枯れてしまう。そのような状況に立ち至った植物はボディーガードを呼び寄せ、それにハダニを退治してもらって危機を逃れるという。
そのダニこそチリカブリダニとよばれる肉食性のダニだ。この呼び寄せる植物がSOS信号を発するのだという。つまり弱った葉がある物質を作り出すのだが、その物質の匂いがチリカブリダニをひきつけるのだそうだ。と言っても実験によれば、単純にそうとは言い切れないもっと複雑なカラクリがあるらしい。
植物も医者の手を借りずに頑張っているのね。
ローレンツと言えばハイイロガンで「刷り込み」を発見した。昨日の「ダーウィンが来た!」ではイタリアでハイイロガンに渡りを特訓している様子を紹介していました。8羽の刷り込みしたハイイロガンを育て、飛ぶことから特訓、やがてモーターパラグライダーを運転して後ろにガンたちを一緒に飛ばせて数日かけて500km先の渡りの地に無事着陸させることに成功。
母親と思った人間の後を必死に追う雛たちの可愛いこと!、成鳥になってモーターパラグライダーの後について頑張って飛ぶ姿は感動的だ。渡りを忘れて絶滅していく鳥の保護に、ローレンツたちの研究をさらに拡大して成功させたわけだ。
昨年はだめだったモッコウバラが今年は元気がいい。半月前にこんな状態だったのが更に満開状態のまま今もまだ落ちないで咲いている。横に9m以上も広がって、一体幾つの花をつけているのか?
真上から
裏側
庭のすみのシラユキゲシやホウチャクソウなどはそろそろ終わり
セリバヒエンソウがどこからかやってきて気が付いたら2株もあった
ミヤコワスレ
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コメント
おはようございます
モッコウバラが元気よくきれいに咲いてお家を華やかにしてますね
裏側も素晴らしいです
シラユキゲシですか綺麗な名前ですね
投稿: たなちゃん | 2013年4月30日 (火) 09:26
ことしはなぜかモッコウバラが咲き誇っているように感じました。
気のせいかと思っていたのですが、tonaさんもそう思われますか。
なにがあったのか?^^。
投稿: 佐平次 | 2013年4月30日 (火) 10:34
そう、私も街のあちこちで
モッコウバラが咲き誇る様を見ています。
今年は特別なのでしょうか?
特訓を施されたハイイロガンたちは
母親に見捨てられてしまったのでしょうか?
何故渡りをすることができなくなってしまったのでしょう?
投稿: zooey | 2013年4月30日 (火) 13:15
★たなちゃんさま
こんにちは
モッコウバラの裏側は庭への通路なので垂れ下がったのを切ってばかりです。
花が終わっても上下左右に枝が伸び放題ですが、棘がないのが幸いです。
シラユキゲシは花が雪のように白いので付いたそうです。
投稿: tona | 2013年4月30日 (火) 16:15
★佐平次さま
どうしたことなのでしょうか。
昨年と対照的です。昨年は花が開ききらないで茶色に枯れ、しかも地面に落ちないでとても汚かったです。
投稿: tona | 2013年4月30日 (火) 16:16
★zooeyさま
本当にモッコウバラは半月以上も満開状態で花がびっしりです。かすかに匂っています。
イタリアでも戦後開発や干拓のために多くの水鳥は姿を消してしまったので、保護するため卵を集め人間が育てました。
ハイイロガンのように寿命が長い鳥は親に教えられないと渡りをしないそうです。そこで人間が渡りを教えなくてはならなかったというわけです。
渡りを何故しなくてはならないかは日本の多くの渡り鳥と同じ理由があります。
このルートを覚えて増えていったハイイロガンが今度は親が教えるということになるのを願っているのでしょう。
ベネチアの上空を鳥目線で写しているのが素晴らしかったです。
投稿: tona | 2013年4月30日 (火) 16:27
こんにちわ。
人間も各動物も植物もみな同じなんですね。それぞれが精一杯に美しく生き花開く、実をつけるということでしょうか。
すべてに無駄なくうまく作られていて、それが少しでも変調をきたすと生態系が壊れてしまい絶滅したりするわけですよね。
それぞれが上手に生きているということでしょうか。そう考えると野菜一つを植えるにも元気な育て方というのがあるのでしょうね。
すべてが学びですね。学んだほど世界を知り世間を知る、宇宙を知るということになるわけですね。いや~、難しすぎますね。
投稿: macchanny | 2013年5月 1日 (水) 18:14
★macchannyさま
こんばんは。
突然風雨がひどくなってきました。札幌は雪が降りそうな気配で、気象も穏やかな日があまり続かなくなりましたね。
野生の動物も植物は過酷な気象条件にもじっと耐えて生きているだけでなく、何にも適応して生きています。
あまりに人間が踏みこんで、あるいは気象条件が厳しくなって、生きる条件がなくなって来た時に絶滅に至るわけです。
その多くが人間がもたらしているのが悲しいです。
しかし世界各国で保護に費やしていることは、どんなにか地球もほっとしていることでしょう。
日々学ぶというのは楽しいけれども選択が必要になるほど幅広く奥深いです。
野菜作りからもいろいろ学んでおられて尊敬します。
投稿: tona | 2013年5月 1日 (水) 18:53