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2013年7月31日 (水)

菅原道真の歌

Photo_6 アンスリウム(オオベニウチワ)は通年咲いているのですね。冬だとばかり思い込んでいました。(薬用植物園の温室)

今年は今のところ、どこもかしこもミンミンゼミばかり鳴いています。いつもは今ごろアブラゼミばかりでミンミンゼミはあまり多くなかったような気がするのですが。
ミンミンゼミはアブラゼミやクマゼミより暑さに弱いというから、再びの猛暑がまだ来ないこの間辺りから元気に鳴いているとは思うのですが、まさか気候を感じて地面から這い出てくるわけでもないでしょうし、不思議です。と、午後になって突然初めてアブラゼミが鳴きはじめました。

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雑学大学で菅原道真について習いました。
官人や宮廷人が貧しい人のことを歌うということはないのに、奈良時代に一人山上憶良が、平安時代に菅原道真が歌っています。
山上憶良のはご存知「貧窮問答歌」です。筑前守になったことがあるので貧しい人々のことを知ったと思われます。
同様にエリート中のエリートの菅原道真にも庶民の貧窮を歌った五言律詩の漢詩があるのです。1番から10番までいろいろな貧しい人々のことを得意の漢詩にしたわけです。
先生の訳文で3番と4番のご紹介です。

どんな人々に寒気が早く迫るのか
寒気が早く迫るのは妻を失ったやもめ老人だ
眠ろうにも枕に落ちつかず両眼は開いたまま
軒の低い小屋の中で淋しく横たわる身だ
病気の兆候が出ていよいよ憂悶が重くなり
飢えが迫っても誰も心配してくれないのだ
母親を失った子をひしと抱きかかえて
一晩じゅう頻りに涙を流しているのだ

どんな人々に寒気が早く迫るのか
寒気が早く迫るのは幼くて親を失った孤児だ
亡父亡母のことは他人の話を耳にするばかり
物納の税や夫役も免除されないのだ
葛の衣を身につけるのみで冬も薄着のまま
粗末な食物で毎日の生活を支える貧しさだ
冷たい風や霜に襲われて苦しむたびに
恋しい親の夢をみる夜がしばしばなのだ

他に薬草園で働く人、駅停で働く人、船員、漁夫、塩売り、樵、送還者、流入者などの貧しさ、苦しみを描いている。それは古今東西変わらない。
中央官人の菅原道真が何故悲惨な庶民の生活を知っていたのか?
それは42歳から46歳まで讃岐守に任ぜられ、庶民の生活を垣間見たから。
それから11年後藤原摂関家以外の道真が右大臣にまで上り詰めたことを藤原時平らに疎まれ大宰府に左遷されて、心の状態は貧民の悲しみにも匹敵する状態で崩去したのでした。

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2013年7月28日 (日)

新江の島水族館(2)ペンギン、イルカなど

動物で好きなのはペンギン、犬、馬、イルカであります。馬に関しては馬車など重労働にじっと耐えている姿と顔に同情するという意味でです。映画『戦火の馬』にも泣けました。一度だけハワイで乗ったのですが、私が乗った馬だけお行儀が悪くて途中で草など食べ始めて、言うことを聞かなくて、一番後からやっと到着したという思い出があります。

ペンギンは南極の皇帝ペンギンの子育てと、旭山動物園のキングペンギンのお散歩ですっかり虜になりました。
この水族館にはフンボルトペンギンが22羽いました。南米チリからペルーにかけてのフンボルト海流が流れ込む太平洋岸の捕獲されやすい場所に生息し、暑い地域でも冷房なしで耐えられる(むしろ寒い方が苦手だそうだ)ので、世界各国のみならず日本でも動物園だけでも40園にのぼり、水族館と合わせると70園で飼われている。
「ペンギンストーリー」というショーによると、今、換羽期でこの時期は非常にエネルギーの消耗が激しく元気がないのだそうだ。そして羽がぼそぼそしてまだらできれいでない。飼育員が餌のワカサギを放ると獲ろうとするのは3、4羽で(既にきれいに生え換わっている)、しかも一番元気な狩りの上手いアカリちゃんが6回中4回半も食べてしまった。大半はじっと佇んでいるだけで餌を食べようとしない。一羽などは離れてずっと後ろ姿を見せたきりだった。

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                換羽期で白い毛が浮き出ているPhoto_4
             左の子は生え換わってなめらかできれいだPhoto_5

イルカショー 人間とコミュニケーションできる頭の良いイルカは本当に可愛いPhoto_6
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      お姉さんのスカート部分ははずすと浮輪になる。シンクロナイズだ。
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               浮輪の中からイルカが飛び上がるPhoto_10
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その他、相模の海、暖かい海、冷たい海、深海などの水槽がありました。Photo_15
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                      コブダイPhoto_17
                        エイPhoto_18 
                       イシモチPhoto_19
                       ウツボPhoto_20
          黄色いアコーディオンみたいのが海ほおずき(海鬼灯) Photo_21
             小田急片瀬江の島駅は竜宮城のようでしたPhoto_22
水族館で教えてもらったのですが、江の島のように波が運ぶ砂がたまって陸続きになった、その地形をトンボロというそうです。
他にトンボロが見られるの場所は京都府の天橋立、福岡県の海の中道、和歌山県の串本町、北海道の函館、鹿児島の薩摩川内がある。薩摩川内だけは行ったことがありません。

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2013年7月25日 (木)

新江の島水族館(1)クラゲ

新江の島水族館では、このほどクラゲを展示する特殊な水槽が出来上がって50種類のクラゲがお目見えしたそうで、見に行ってきました。
半透明の優美な姿で泳ぎ回り、次々と姿態を変えて、見ているととても癒されます。クラゲと言えば昔海で泳ぐいだとき8月になると刺されるから注意しなさいとうことで、見たこともなく避けていました。
そのクラゲを飼っている水族館は少ないそうだ。というのも、特殊な水槽と施設が必要なのだそうだ。普通の水槽では吸水口に吸い込まれてしまうという。
また、一生が短いために、常に予備のクラゲを飼育していなければならないとのこと。ここ新江の島水族館では、これ相当の技術と資金を持ってこのほどクラゲファンタジーホールが完成したわけです。

                       アカクラゲPhoto
                   ブラックシーネットルPhoto_2
                  パシフィックシーネットルPhoto_3
                       タコクラゲPhoto_4
         キタミズクラゲ 口のあたりが四つ葉のクローバーのようPhoto_5
           ミズクラゲ 四つ葉だけでなく五つ六つのも見られるPhoto_6
                   ブラウンドットジェリーPhoto_7
                パープルストライプドジェリーPhoto_8
                     ヤナギクラゲPhoto_10 
                       サムクラゲPhoto_11
                     キタカミクラゲPhoto_12
                  フィロリーナプンクタータPhoto_13

クラゲの赤ちゃん「ポリプ」 
卵から孵った幼生をプラヌラといい、これがポリプというイソギンチャクのようなものになる。さらにこれがお椀を重ねたようなストラピラになって出芽、エフィラ幼生(まだ傘だけで周囲の柄がない状態)となって泳ぎ出す、といった具合でとても大人になるまで複雑な過程を経る。Photo_14

現役を引退した「しんかい2000」が陳列されています。水深2000mまで潜航できる有人潜水調査船。
1982年から20年間、深海生物や石油分解菌を発見したり、深海底鉱物資源調査、深海生物資源調査、海洋物理学・地球物理学の調査研究をしてきた。今は「しんかい6500」が活躍している。Photo_15
               写真の中の白いのがメタンハイドレードPhoto_16

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2013年7月22日 (月)

江戸東京博物館で

この博物館では新収蔵品を「市民からのおくりもの」というタイトルで公開していますが、今年・2013年展が8月3日から9月1日まで開催されるとのこと。
紹介される中で面白いのが

Photo [寄席文字の家元コレクション]

まだ1回しか行ったことのない寄席ですが、寄席文字に家元があったなんて。
寄席文字とは寄席の看板やポスターなどに使われる独特の文字で、家元は橘家。このビラは橘右近(1903~1995)が収集した中の1つ、三遊亭圓朝が明治5年、芝の春日で出演した時ので、初代ビラ清の作だそうです。
寄席文字や歌舞伎の芝居文字や相撲の相撲字などを江戸文字と呼ぶのだとか。各々家元の流派があります。


Photo_2
[擬宝珠]

1659年制作の江戸城本丸大手門の橋などに据えられたもの。浅草の鋳物師の渡辺父子が制作した。擬宝珠を作る人が鋳物師だったこと、改めて知りました。味のある擬宝珠を橋で見かけたらよく眺めるつもりです。

[ウズラの鳴き声品評会図] ー鶉会之図屏風ー
今まで鶉の鳴き声を聞いたことがなかったですが、もう室町時代から鑑賞用に飼育されていたそうで、江戸時代には武家から町人まで愛好者が広まって屏風絵のように鶉会が催された。
サイトで聞いてみたらなるほど鳴き声が美しく「ゴキッチョウ・ご吉兆」と聞こえるような気がしました。風流だったのですね。現代ではないのでしょうね?

Photo_4 Photo_5「ファインバーグ・コレクション展」
7月15日に終わってしまったのですが、12日に滑りこみみたいに行ってきました。江戸絵画の分類の復習ができ、私の頭の中で少し整理できたというところです。
先日行った「クラーク・コレクション」もそうですが、富裕なアメリカ人のコレクション展。化学者で実業家のファインバーグ氏はメリーランド州在住で、一代で蒐集した江戸絵画を中心とする日本美術のコレクションです。アメリカ人の江戸の絵画に対しての眼識の高さに脱帽です。
狩野派や土佐派はなく、民間画派の肉筆画です。よくもこんなに集めたものです。
(1)琳派・・・俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、鈴木基一。TVで紹介されていた鈴木基一のチラシ裏にある鶴の絵が秀逸。素晴らしい!
(2)文人画・・・池大雅、与謝蕪村、谷文晁。中国文化へのあこがれから登場した画。池大雅の奥さんの池玉蘭の絵「風竹図扇面」がなかなかです。
(3)丸山四条派・・・丸山応挙、森狙仙など。写実的かつ装飾的な画風。チラシ表の丸山応挙の「孔雀牡丹図」がきらびやか。森狙仙の猿が好き。
(4)奇想派・・・伊藤若冲、曽我蕭白、長沢蘆雪。この人たちの絵は何度見ても楽しい。
(5)浮世絵・・・菱川師宣、葛飾北斎。


Photo_7 Photo_8 「谷文晁」展:サントリー美術館 8月25日まで

谷文晁は名前は知っていてもどんな絵を描いた人?1枚も思い浮かばない、何とも捉えどころない画家。↑の展覧会では2枚出品されていたのですが。
狩野派、土佐派、丸山四条派、洋風画まで学び、各画法の折衷に努めて一家をなした巨匠だそうだ。
親しく交わった人が松平定信、木村兼葭堂で、渡辺崋山など門人多数、知識人・教養人として群を抜いていた。
豪華絢爛な絵もあれば、墨絵あり、仏画あり、荒い筆跡があると思えば、凄く細かいタッチの絵と変化に富んでいます。これが谷文晁と言えるのがないけれど、「富士山図屏風」がよろしい。江戸人も富士山が好きだったのです。そのお蔭でこの度富士山が世界遺産になったのですから。

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2013年7月19日 (金)

ハートと涙

昨日朝、NHKでハートのパワースポットを紹介していました。それは牧場の茶色の子牛の額に白いハートマークがあったり、京都の叡山電鉄のたくさんある車両のうちたった一両の車内にだけピンクのハートの吊皮があるとか、ハート形のヒマワリ畑などです。
ハートと言えば、赤で表されたトランプのスートの一つだったり、テレビのテロップで女性の喜びの表現に使用したり、チョコレートだったりする。
奇しくも昨日の大学講座で「ハートと涙滴をめぐるヨーロッパ中世の紋章」と題してハートのことが出てきました。

ハートマーク(❤)は心臓を表すシンボルだが、心を表すものとして、ロマンティック・ラヴ(恋愛観)として称揚されたヨーロッパ中世末期に流布したのです。
それはボッカチオ『デカメロン』をはじめ、心を擬人化した数々の写本挿絵に描かれている。
さらにかなわぬ恋や辛い恋から、あるいは様々なことで中世の人はよく泣いたそうで、眼と涙がモティーフとなって、洋服や帽子、盾、天井といったところに涙や眼の模様となって流布したのです。
30001_4 実際にいろいろな絵画などに、涙だけ、眼だけという模様が見られて異様な感じです。14世紀から15世紀、特にフランス王家に関する絵画(例えばデヴォンシャー家の狩猟のタピスリーの熊狩り)などに出会ったら見て下さい。気味悪いくらいですよ。

先日行った「貴婦人と一角獣」展ではたくさんの植物が描かれるが、(愛の悲しみ)を示す草も描かれる。それは三色スミレ、オダマキ、キンセンカ、ワスレナグサ(このタピスリーではクワガタソウになっている)だそうだ。

  Wikipediaによれば、ハートマークは既に古代エジプトの女性用ミイラマスクにあしらわれ、古代ギリシャではハートマークに似た種・果実をモチーフにした銀貨が発行されている。又、伊藤若冲の「老松白鳳図」にも描かれ、器物や建築の装飾の猪目にも見られる。
上図は如雨露から水(涙)が出ている標章で、オルレアン家の二人の妃が自分の標章(しるしとする幑章)としてデザインしたもの。

Photo 昨日あの人気の「くまもん握手会」への長い行列で駅コンコースが溢れかえっていました。電車に乗らなくてはならず見物できず残念でした。

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2013年7月16日 (火)

まだまだ読めない・書けない漢字

同じ漢字を繰り返すときに使う「々」はこれ自体何と読むのか?
ずっと「おなじ」と思っていましたが、
「どう」仝(=同)という字が変化したから、又は
「ノマ」カタカナのノとマを組み合わせたように見える
と読むそうだ。
これは漢字ではなく「おどり字」と呼ばれる記号とのこと、知りませんでした。
Photo_2 2001年に買って一通り見てしまいこんであったこの漢字の本。また見てみるとチェックしてある字が又読めないのがあります。そして読めるけど書けない字だらけ。意味がわからないのもあり。
今月1日の『天声人語』に「何もする気が起きないとき、辞書を興味の赴くままに読みすすめば、言葉の海は広く、深い。その都度なにかしら新しいことを知る」「一つの文字から関心が広がってきりがなくなる」」と書いてありました。漢字の語源や意味を読んでいくと確かに面白い。これを極めた人が『舟を編む』に登場する人ってわけです。

         。°。°。°。゜。°。°。°。゜。°。°。°。°。°。°。°。

この時期の庭はオレンジの花が元気です。ギラギラの太陽光線にマッチしています。

        オニユリPhoto_3
        ノウゼンカズラPhoto_4
        ヒオウギズイセンPhoto_5
        ブルビネフルテスケンスPhoto_6
        コエビソウ(ベルペロネ)Photo_7
ゼラニウム                 モミジバゼラニウム
Photo_8 Photo_9 

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2013年7月13日 (土)

タバコの花

都立薬用植物園で丁度タバコの花が咲き始めたということで、タバコの花なんて普通は見られないので、どんな花かと9日に出かけてみました。
家から乗り換えがあるが乗車時間は10分、30分もあれば到着する距離にあります。
咲いていました。ピンクの漏斗状の花が先端部に群生しています。

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Photo_3 ナス科タバコ属の1年草で、薬用植物園なのでプレートには薬用としての用途や成分が記されています。
亜熱帯性植物だけれども、日本では熊本周辺の九州山地と福島など東北が主要な産地。世界では中国が世界の三分の一を生産している。
「タバコにはタバコモザイクウイルスが付着していることがあるので、タバコを吸った手で、栽培しているトマト、キュウリ、ピーマン(トウガラシ)を触ってはならない」とWikipediaに書いてありました。

カンカン照りの中で元気に咲いている薬用植物がいっぱいありました。人間は1時間が限度でした。
背の低いタチアオイ これから伸びるのか?、よくよくプレートを見たら「矮性アルセア」とありました。花弁のふちがぎざぎざで八重のきれいな花です。 Photo_25
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          アサザ(リンドウ科又はミツガシワ科)絶滅危惧Ⅱ類Photo_6
               トウガシ(ウリ科)鎮咳・排膿 トウガンPhoto_7
               ヨロイグサ(セリ科)発汗、鎮痛、排膿Photo_10
                  ウイキョウ(セリ科)健胃Photo_11
イヌゴマ(シソ科)毒でもなく、薬にも食用にもならず役に立たないというのでイヌが付いている。犬は随分と役に立っているというのに。この辺りでは希少種。 Photo_12

          オオケタデ(タデ科)江戸時代におできなどに用いたPhoto_13
                  ヨモギギク(キク科)駆虫剤Photo_14
             ミソハギ(ミソハギ科)急性腸炎、下痢止めPhoto_15

                  ゴマ(ゴマ科)老化防止Photo_16
                 ヒマワリ(キク科)食用・観賞用Photo_17
                   ヤマユリ(ユリ科)食用Photo_18
        カルドン(キク科)葉柄部が食用  アーティチョークの野生種Photo_19
                 マルバタバコ(ナス科)殺虫剤Photo_20 
温室でもいろいろ咲いていました
トウワタ(キョウチクトウ科)花弁は垂れ下がっている赤い部分だそうだPhoto_21
              クワッシア(ニガキ科)苦味健胃 解熱Photo_22
              ヒメアリアケカズラ(キョウチクトウ科)Photo_24
園内を巡っていると普通に見る植物の多くは薬用であることがわかります。
モニュメントバレーで104歳の女性が、あんなに乾燥して植物が殆どない地で、その中から薬草を見つけ、生涯病院に行くこともなくその薬草だけで今も元気に過ごしていることに驚異を覚えました。日本でも江戸時代はことに盛んで、今は見かけなくなった富山の売薬も漢方が主でした。
医者に頼りっきりで抗生物質を摂りつづけ、何回も皮膚を切って手術なんて彼らから見れば情けない体です。私に関しては漢方に比して95%は西洋医学頼みです。漢方はアロエだけ。

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2013年7月10日 (水)

夏目漱石の美術世界展

1 Photo 7日に終わってしまった展覧会ですが、東京藝術大学大学美術館で見てきました。
漱石の文学作品や美術批評に登場する画家や作品を可能な限り集めた芸大美術館渾身の展覧会でした。

漱石は日本美術に造詣が深かっただけでなく、1900年にロンドンに留学していてたくさんの西洋美術に接していた。
大変記憶が良い人だったので、ロンドンで見た絵画の細かい部分まで頭に入っていて、後の文学作品のここそこにその絵画を登場させるのだ。漱石の作品に出てくるミレイの「ロンドン塔悲劇の王子」やターナー、ウォーターハウスなど十数点の作品が来ていた。同じく「草枕」「三四郎」「それから」「門」に関する蕪村や若冲や浅井忠や青木繁など40数点の絵画が展示されていた。
漱石の小説・随筆などは殆ど読んでいて、古今東西の知識が散りばめられていて驚嘆したものの、絵画に関する場面があったなんて何一つ記憶にない。というのも当時は絵画に関しては美術の教科書の域を出ていなかったからよけいである。
最後に漱石の書と山水画が展示されていたのが好きこそ物の上手なれでしょうか、ご愛敬です。書はなかなかのものですが。

『吾輩は猫である』の本の猫の装幀画ですが、可愛い猫のイメージと違って可愛くない。でも哲学する猫としてみるとこのようなイメージなのかと納得です。樋口五葉の作品です。
『吾輩は猫である』や『坊ちゃん』などから再読してみたい。今『倫敦塔』やその他小品を読み始めたところです。絵画場面に目を凝らさねば。

ツマグロヒョウモンがこの頃しきりに庭で蜜を吸っています。裏側も見えました。
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近所のお墓のヤブカンゾウ
ヤブカンゾウは忘れ草とも言う。この美しい花を見ていると物も忘れると言う故事からだそうだ。春に野草として食べたことがある。癖がなくてとても美味しかった。根は乾燥して利尿剤としたそうだ。
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2013年7月 7日 (日)

阿川佐和子著『残るは食欲』

題名が面白い。初老の人に当てはまるのか。まあ、世の中には名誉欲や金欲が一生ついて回る人も多いようだけれど。

いきなり「お腹が空いているときと満腹のときと、はたしてどちらがシアワセだろうか」を考察している。
阿川さんは断然前者、お腹がすいているときだそうだ。比較の問題、個人の問題だろうけれど私もそう。時間がきてもお腹がすかないこともあり、往時の3分の2から半分くらいに量も減ってしまった現在、お腹がすいたということがとても幸せというのが実感だ。
毎週食べ物に関する原稿を書くのに苦労されたようですが、ちゃんと料理をしてきちんと食べておられる。気難しいというか食にも煩い父上に仕えている母上から伝授された珍しい食べ方も紹介されている。面白い料理や食べ方を母上は随分探求していらっしゃる。

食べものに対して好奇心がなくなったなあ、私。そんなことはないけれども、まるで美味しいものを食べつくしてしまったよう。年より早く老けて胃腸も元気でなくなってきたのも原因の一つだ。そうは言いながらお寿司だけはいつでもどこでも大歓迎であります。
アナウンサーやレポーターが、地方の野菜畑をまわって収穫したてのをその場で食べる番組をちょくちょく見る。野菜が果物のように甘いというレポートが多い。野菜の改良というより風土を生かして美味しく作るということのようだ。このような野菜と漁で釣ったばかりの魚をその場で刺身にして食べているのには食指が動く。
Photo Photo_2 今日みたいに暑いと、日本しかない各種漬物や、青梅で娘たちが買ってきてくれたわさび漬けや佃煮が食欲増進剤だ。

友人のところで見たズッキーニをカボチャと間違えました。(携帯で撮るのが苦手で白内障のように見える写真になって見にくいですね)
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ズッキーニはウリ科カボチャ属の果菜だからカボチャの形をしているのがあるのも頷けます。
緑果種と黄果種があるそうですが、今年初めて家の前の畑で黄果種がなっているのを見ました。畑から直売所へそして我が家へ。
緑果種は加熱するが、黄色は皮が軟らかくサラダに向いている。ちょっと胡瓜のような味がするが水分が少ないのでこりこりした感じです。
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2013年7月 4日 (木)

アメリカ西部、大自然絶景紀行(6)ブライスキャニオン国立公園、ザイオン国立公園、ラスベガス

Photoアリゾナ州から再びユタ州へ

<ブライスキャニオン国立公園> ユタ州 ザイオン国立公園の北東80㎞。
赤茶色やピンク色や白色の無数の岩の塔(フードゥーHoodooという)が広大な谷底からそそり立っている奇景です。一番下の地層がグランドキャニオンの一番上ということで、地層が新しい。
厳密には川が削ったわけでないのでキャニオンではない。石灰岩や砂岩で出来た大地が隆起し、雨や霜や風などによって浸食されて出来たという。高さは60m~240mくらいで30kmも続く。
標高2400mのサンセットポイントからの、夕日に当たって刻々とその表情を変化させていく様子は、思わず絶景と叫んでしまいました。ある人は廃墟の町と、ある人は未来都市のようと見たそうだ。

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<ザイオン国立公園> ユタ州 
地図にはありませんがユタ州の南西部の端にある国立公園。ここは水と緑溢れる、見上げる峡谷。巨石群の連続で最初のヨセミテを思い出します。
長さ24km、深さ800mのザイオン渓谷は川によって赤いナバホ・サンドストーンが浸食されたもの。Photo_14
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水が滴り落ちて涙を流しているような、という崖「ウィーピングロック」。岩に浸み込んだ水は1000年かけて雫となって落ちてきている。 Photo_21
           ここも動植物の宝庫で、可愛い鳥が遊んでいた。Photo_22

<ラスベガス> ネバダ州

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         砂漠の中を走ってラスベガスへ。3時間かからないで到着。Photo_24
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ネバダ砂漠の中にあってこの付近は窪んだ地形となっており、オアシスとなっていて、上記の2つ国立公園同様、モルモン教徒によって発見されたそうだ。
到着したラスベガスは40℃で、乾燥しているとはいえ、暑さは並みでなく、凱旋門やモールなどなどの見学では、ちょっと歩いては建物の中へ避難しなくては熱中症になりそうです。
避難した建物の多くがカジノでたくさんの人々が賭博に興じていました。さすがというべきか、ラスベガス空港の離着陸ターミナルにも機械がたくさん並んで、待ち時間にやる人、到着してすぐ座る人がいるのです。
有名なホテル・ベラッシオの庭園や噴水などを見学した。いわば人造美を堪能したわけです。Photo_27
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長い年月で造り上げられた多種類の自然を目のあたりにして、ただただ凄い絶景と感じ入るばかりでした。土地が広いだけに何十何百㎞と続く広大さも日本では味わえないものでした。
アメリカと聞くと食べ物がまずいと評判で、梅干しはじめ、インスタントのうどんやお粥やラーメンでしのごうとしたのですが、何と今までで一番(二番目はタスマニア)美味しかったのです。朝食はお粗末でしたが、牛ステーキはとても軟らかて美味しく、連泊の時に2日とも同じのを注文したくらいです。間に食した中華、和食、イタリアンなども相応に美味しく変化に富んでいたし、弁当のサンドイッチも面白い味でした。

ガイドさんはヨセミテでは日本人女性で植物をいろいろ教えてくださった。イエローストーンからソルトレイクシティまでは奥さんが日本人で日本にいたこともある方、この方が日本語で発するジョークが面白くてとても印象に残る3日間でした。グランドキャニオンの登山ガイドとして彼の息子が現れた時には驚いたものです。前夜半突然呼び出されて、ソルトレイクシティから運転し2時間の仮眠でガイドを務めた根性ある息子さんです。
最後の6日間は長身でイケメンのアメリカ青年で、日本に留学したことがあって、日本的な真面目さを持ち、熱心にガイドを勤める方でもっと日本の事を知りたい意欲に燃えていました。驚いたのが名前を覚えるのが早くて、5組と6人計16人の名前を1日で覚えて鍵を渡すことが出来たことです。社会生活においては人の名前を覚えることはとても重要です。
イエローストーンからラスベガスまで4,207kmを運転して下さったアフリカ系のドライバーさんは運転が上手く、ゆったりとしていて包容力があり、親切な方で別れるのが辛いくらいでした。

ただややこしかったのが度量衡の表示です。エアコンなど気温表示が華氏だし、マイル、フィート、インチ、パイント、ガロン、ポンド、オンスなどさっぱり見当がつかなく、コインも数字が書いてないのがあって不便でした。

長々とご覧いただき感謝しております。ありがとうございました。

                       ー 完 - 

 

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2013年7月 1日 (月)

アメリカ西部、大自然絶景紀行(5)モニュメントバレー、グランドキャニオン国立公園

Photo<モニュメントバレー> 映画「駅馬車」「黄色いリボン」「荒野の決闘」「アパッチ砦」「捜索者」など西部劇の舞台になった場所であり、そして「2001年宇宙の旅」「バックトゥザフューチャー」「フォレスト・ガンプ」最近の「ウインド・トーカーズ」があります。公園内の道路は殆ど映画撮影のために作られたそうだ。
ここはナバホ族の居留地で彼らが管理、運営していて、運転も案内も売店での販売も全部彼らの手で行われています。

モニュメントバレーの岩山には2種類あって、テーブル状の台地をメサと呼び、メサが浸食が進み細くなったものをビュートと呼ぶ。それぞれに名前が付いてます。

                 モニュメントバレーに近付いたPhoto_2
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ホテルの前から  左からブリガム墓・皇帝・駅馬車・熊と兎・城・ビッグインディアンと言うように名前が付けられているPhoto_4
              同じ方向を朝日が昇るところ(6時11分)Photo_5
                       振り返るとPhoto_6
レフトミトン、ライトミトン、メリック・ビュート・・早速借りた「黄色いリボン」の駐屯地の後ろにはレフトミトンとライトミトンが見える。逆光であった。Photo_7
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      ジョン・フォード・ポイントから(巨匠がしばしカメラをセットした地点)Photo_10
                  馬上の人はナバホ族Photo_11
                    スリー・シスターズPhoto_12
                   ジョン・ウェインの靴底Photo_13  
                  アーティスト・ポイントからPhoto_14
                       昔の家Photo_15
昼食のナバホタコ 揚げパンの上に野菜やタレが乗っていてなかなか美味しいナバホ名物Photo_16

<グランドキャニオン国立公園> 世界自然遺産 アリゾナ州
コロラド高原がコロラド川によって削りだされた大渓谷。
グランドキャニオンの断崖は平均の深さ約1200m、長さ446km、幅6km~29kmに及ぶ。最深地点は1800mもある。地層が良く見えているが、先カンブリア紀から始まって11に分けられている。
北側(ノースリム)と南側(サウスリム)があって、我々が覗いたのはすべてサウスリムからで、標高は2000mもある。こんな不毛に見える地に、1500種以上の植物、鳥類、哺乳類など517種の動物が住んでいるというから驚く。
いよいよグランドキャニオンの東のデザート・ビュー・ポイントに到着。ホピ族の建物を再現した塔があった。Photo_17
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              ヤバパイポイントでの夕日(19時49分)Photo_20
       ブライトエンジェルトレイルを下りていくと地層がはっきり見えるPhoto_21
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         見上げると こんな岩の上に立って見下ろしていたのだPhoto_23
ピンクガラガラヘビに出会う。5年やっているガイドさんも初めてだそうだ。尻尾がガラガラと鳴る。Photo_24
                  いろいろなポイントからPhoto_25
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                       コロラド川Photo_29
                         リスPhoto_30
<アンテロープキャニオン> 地図と順序が逆になった見学場所。ここはナバホ族居留地で彼らが運営する。ぼこぼこの砂漠のど真ん中を、スカーフ、マスク、眼鏡といういで立ちでジープに揺られながら30分で到着。カメラも細かい砂が入って壊れるのでビニールで覆うほどだ。それでも一人作動しなくなってしまった。
極端なまでの幅の狭さと幻想的な造形で知られる。映画「127時間」はここで撮影されたかと勘違いするほど。実はこの映画は前述のキャニオンランズで撮られたそうだ。
岩壁の細い入口から入るとすべすべした岩肌に囲まれた細い空間がくねくねと150m続いている。見上げると高さ20mの岩肌が渦巻くように削られている。僅かな隙間から光が届くのも春から秋の正午前後だそうで、この日11時50分ごろから12時半ごろまでの見学で、ガイドさんの巻きあげた砂粒が柱のように見えた。
砂漠にときおり降るスコールは鉄砲水となって、この柔らかく赤いナバホ・サンドストーンを削り取って造られたキャニオンだ。Photo_31
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<レイク・パウエルとグレンキャニオンダム>
アンテロープキャニオンのすぐそばにある。グランドキャニンの上流にコロラド川をせき止めてグレンキャニオンダムが造られ、アメリカで2番目に大きい人造湖レイクパウエルが誕生した。湖の長さ約300km、湖岸線が3200km(稚内・鹿児島間)というからびっくり。ここで映画「猿の惑星」が撮影された。Photo_37

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