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2013年7月19日 (金)

ハートと涙

昨日朝、NHKでハートのパワースポットを紹介していました。それは牧場の茶色の子牛の額に白いハートマークがあったり、京都の叡山電鉄のたくさんある車両のうちたった一両の車内にだけピンクのハートの吊皮があるとか、ハート形のヒマワリ畑などです。
ハートと言えば、赤で表されたトランプのスートの一つだったり、テレビのテロップで女性の喜びの表現に使用したり、チョコレートだったりする。
奇しくも昨日の大学講座で「ハートと涙滴をめぐるヨーロッパ中世の紋章」と題してハートのことが出てきました。

ハートマーク(❤)は心臓を表すシンボルだが、心を表すものとして、ロマンティック・ラヴ(恋愛観)として称揚されたヨーロッパ中世末期に流布したのです。
それはボッカチオ『デカメロン』をはじめ、心を擬人化した数々の写本挿絵に描かれている。
さらにかなわぬ恋や辛い恋から、あるいは様々なことで中世の人はよく泣いたそうで、眼と涙がモティーフとなって、洋服や帽子、盾、天井といったところに涙や眼の模様となって流布したのです。
30001_4 実際にいろいろな絵画などに、涙だけ、眼だけという模様が見られて異様な感じです。14世紀から15世紀、特にフランス王家に関する絵画(例えばデヴォンシャー家の狩猟のタピスリーの熊狩り)などに出会ったら見て下さい。気味悪いくらいですよ。

先日行った「貴婦人と一角獣」展ではたくさんの植物が描かれるが、(愛の悲しみ)を示す草も描かれる。それは三色スミレ、オダマキ、キンセンカ、ワスレナグサ(このタピスリーではクワガタソウになっている)だそうだ。

  Wikipediaによれば、ハートマークは既に古代エジプトの女性用ミイラマスクにあしらわれ、古代ギリシャではハートマークに似た種・果実をモチーフにした銀貨が発行されている。又、伊藤若冲の「老松白鳳図」にも描かれ、器物や建築の装飾の猪目にも見られる。
上図は如雨露から水(涙)が出ている標章で、オルレアン家の二人の妃が自分の標章(しるしとする幑章)としてデザインしたもの。

Photo 昨日あの人気の「くまもん握手会」への長い行列で駅コンコースが溢れかえっていました。電車に乗らなくてはならず見物できず残念でした。

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コメント

こんばんは
 

私もちょうどそのNHKの番組見てました。自然とその形になった
ハートを見付けると何故だか嬉しいものですよね。
子牛は、額のハートも大きな目も可愛かったです♪
 

ハート型が心臓の形を現すとは聞いたことがありましたが、
エジプトのミイラにも、とはずいぶん古くから完成していた
形なのですね。広まったのは中世ヨーロッパ~でしたか。
ハート型は、マークとして思う以上に素晴らしい完成形
なのかもしれないとも感じます。
ハート型がロマンス・恋などと結びついたように、眼や涙も
ロマンスや恋と深い結びつきから広まったのですね。
眼ばかりずらりと並んだ模様、何かで見た事があるような…
想像の産物? ハートや涙のモチーフがずらりはいいですが、
眼がずらりはあまり気持ちがよくありませんね。
ハートも心臓がずらりと考えたら不気味なのかもしれませんが。
絵画のモチーフ一つとっても、その時代の世相や歴史が
反映されているというのが、当然のことなのかもしれませんが
面白いと思いました。

投稿: ポージィ | 2013年7月19日 (金) 21:01

★ポージィさま

ポージィさんもテレビをご覧になられましたね。あの可愛い子牛の額さわりたかったです。精神年齢がちょっと低いので、ワンちゃんもすぐ撫でたくなってしまうのです。
赤いハート形が心臓を表すのに、洋服などの模様として並んでいても、心臓と葉思わないので気持ちは悪くないですが、眼はかなりのものでした。
王侯貴族がこぞってこんなのを着ていたのも驚きです。今と当時のヨーロッパとは感覚が全然違うわけです。
仰るように歴史や世相を反映しているわけですね。知らない事情もたくさん出てくるようです。
恋も素晴らしいものとは限らず、悲しいものが多かったようで、そこから涙、涙が溢れる眼という方へ図式化していったようですね。
如雨露の標章なんてとても考えられないです。
中世の絵はあまりお目にかかれませんが、どこかで探せたら面白いです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2013年7月19日 (金) 21:34

日本の男も昔昔はよく泣いたそうです。
でもハートのマークは日本ではあまり見ないような気がします。ハートの紋所なんてシャレてるのにね。

投稿: 佐平次 | 2013年7月20日 (土) 10:18

★佐平次さま

そうなのですか!何時から男性は泣かなくなったのでしょう。
西洋の紋章はすっきりでなく、複雑な文様が多いですね。
その点日本の家紋は大体すっきりです。
ハートに似た家紋を見つけました。
酢漿草(カタバミ)、剣酢漿草、三つ割り酢漿草です。

投稿: tona | 2013年7月20日 (土) 15:47

こんばんは (◎´∀`)ノ
「ハートのパワースポット」なんてところがあるのですか?!はじめて聞きました (゚o゚)ヘェーッ!
恋愛や縁結びにご利益がある神社も、ある意味『ハートのパワースポット』なのかなぁ?
近年はパワースポットブームですが、実際どれほどの効果があるのでしょうネ?信じる者は救われる…、ぐらいかな (^_^;;

投稿: 慕辺未行 | 2013年7月20日 (土) 23:42

★慕辺未行さま

おはようございます。
朝晩涼しくて高原にいるようです。

パワースポットブーム、次々と見つけ、あるいは作るものですね。
本当に力を貰える人は信じることからでしょうね。
我が家のパワースポットは玄関です。
幸運をもたらすフクロウをいくつか飾っているからです。たわいないです。
幸福になりたいとの願望も神社仏閣だけでなく、あちこち撫でてピカピカの銅像など多いですね。
これから投票へです。

投稿: tona | 2013年7月21日 (日) 06:14

ハートマークと言いますと、
与謝野晶子の初版本の歌集みだれ髪の表紙の
デザインを思い出します。
おしゃれにアレンジしたハートでした。
オーバーなハートですね。

投稿: matsubara | 2013年7月21日 (日) 08:36

★matsubaraさま

これも知りませんでした。
調べてみましたら、おぉ!ハートにデザインされた女性の顔と乱れた髪に矢じりらしきものが刺さっていますね?
藤島武二の装丁デザインだそうですね。
とても印象的で忘れられないです。
漱石の猫もちょっとびっくりですが、これも当時は斬新だったでしょう。

投稿: tona | 2013年7月21日 (日) 09:01

いつから泣かなくなったか?
たしか丸谷才一が「忠臣蔵とはなにか」に書いていたような気がしますが忘れました。
あんがい戦前とか、さいきんかもしれない。
武士は泣いた?

投稿: 佐平次 | 2013年7月21日 (日) 10:36

★佐平次さま

武士は泣いて、戦後泣かなくなった、、そのなのですね、きっと。
父が泣いたのは見たことないし、夫は父親を失った時1度だけです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2013年7月21日 (日) 19:17

 ハートが心臓?良くわからない。
心臓専門の病院が「ハートクリニック」
なる名前で近くにあります。
 
 TVでありましたね。
牛の毛の模様が、ハートの形になっているのを見ました。

 恋する二人の間にハートマ^ク。
破れれば、二つに裂けたハートマーク・
心の表現にうまく使われてるのですね。
 

投稿: 夢閑人 | 2013年7月22日 (月) 11:40

★夢閑人さま

こちらにもコメントありがとうございました。
ハートクリニックがあるのですか。すぐ心臓専門とわかりますね。心臓よりやわらかく響いていいネーミングです。
あの牛さん可愛かったですね。偶然のは言え珍しいことです。ずっとみんなに愛されるでしょう。長生きしてほしいです。

二つに裂けたハートマークを初めて見ました。実は知らなかったです。

投稿: tona | 2013年7月22日 (月) 15:08

こんにちわ、ハートには色んな意味があるのですね。大手建設会社のロゴマークも❤で何となく和む感じがします。
クマモンが人気のようですがどこが良いのかなという感じをもっています。彦根城のヒコニャンは直に見て写真を撮ってその振る舞いに可愛いなと思いましたが・・。

投稿: macchanny | 2013年7月24日 (水) 15:56

★macchannyさま

大手建設会社のロゴマークにもあるのですか。仰るように和みますね。
何でも起源を辿ると面白い発見があります。
それにしてもロゴマークを決めるのも最近は大変でしょうか。

くまもんの勢いが止まらないようですが、そのようにお感じになりましたか。
ヒコニャンは確かに印象深く、私でさえも知っています。
友人は彦根城で出会ったそうです。
夏は暑そうで気の毒になります。中に保冷剤のようなのを入れていると聞きましたが。

投稿: tona | 2013年7月24日 (水) 16:26

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