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2013年7月10日 (水)

夏目漱石の美術世界展

1 Photo 7日に終わってしまった展覧会ですが、東京藝術大学大学美術館で見てきました。
漱石の文学作品や美術批評に登場する画家や作品を可能な限り集めた芸大美術館渾身の展覧会でした。

漱石は日本美術に造詣が深かっただけでなく、1900年にロンドンに留学していてたくさんの西洋美術に接していた。
大変記憶が良い人だったので、ロンドンで見た絵画の細かい部分まで頭に入っていて、後の文学作品のここそこにその絵画を登場させるのだ。漱石の作品に出てくるミレイの「ロンドン塔悲劇の王子」やターナー、ウォーターハウスなど十数点の作品が来ていた。同じく「草枕」「三四郎」「それから」「門」に関する蕪村や若冲や浅井忠や青木繁など40数点の絵画が展示されていた。
漱石の小説・随筆などは殆ど読んでいて、古今東西の知識が散りばめられていて驚嘆したものの、絵画に関する場面があったなんて何一つ記憶にない。というのも当時は絵画に関しては美術の教科書の域を出ていなかったからよけいである。
最後に漱石の書と山水画が展示されていたのが好きこそ物の上手なれでしょうか、ご愛敬です。書はなかなかのものですが。

『吾輩は猫である』の本の猫の装幀画ですが、可愛い猫のイメージと違って可愛くない。でも哲学する猫としてみるとこのようなイメージなのかと納得です。樋口五葉の作品です。
『吾輩は猫である』や『坊ちゃん』などから再読してみたい。今『倫敦塔』やその他小品を読み始めたところです。絵画場面に目を凝らさねば。

ツマグロヒョウモンがこの頃しきりに庭で蜜を吸っています。裏側も見えました。
Photo_2 Photo_3

近所のお墓のヤブカンゾウ
ヤブカンゾウは忘れ草とも言う。この美しい花を見ていると物も忘れると言う故事からだそうだ。春に野草として食べたことがある。癖がなくてとても美味しかった。根は乾燥して利尿剤としたそうだ。
Photo_4

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コメント

夏目漱石を読んではいるのですが、美術に
そんなに詳しいとは全く気づかなかったです。

芸大の美術館は20年前、とても粗末でエヤコン
もなくて暑いところで上村松園さんの
「序の舞」を見たことを思い出します。
多分改築されているとは思うのですが・・・

17年前にロンドンで迷い、道を尋ねたとき、
「あの部屋が漱石が下宿していたところです」
と教えてくれた人がありますが、それを
思い出しました。日本人らしい紳士的な人が
歩いて来たので聞いたのです。
とても環境のよい住まいでした。周囲も公園
でしたし・・・

投稿: matsubara | 2013年7月11日 (木) 08:13

こんにちは
 

夏目漱石の小説はほんの2~3一応読んだことはあるものの、
美術関連の描写や名前がでてきたかどうかすら記憶にありません。
実はそんなに造詣が深かったのですね。色々なことに優れた才を
持った人だったのですね。
吾輩は猫である 現代の装丁画家(?)に依頼したら
どんな絵が描かれるかも見てみたい気がします。
 

お庭にツマグロヒョウモンがよくやってきていますか。綺麗ですね。
スミレ類が幼虫の食草ですが、それらがあったら、幼虫も見られる
かもしれませんね。ちょっとグロテスクさんですが。
 

ヤウカンゾウの花、そこここで咲いていますね。
薬草になる植物が身近にもちょこちょこありますが、利尿剤の
効能をもつものが多いような気がしています。
 

投稿: ポージィ | 2013年7月11日 (木) 10:01

★matsubaraさま

私も全然気が付きませんでした。
かなり造詣が深いです。
芸大美術館は階上と地下に渡って展示され、展示室も立派になりましたよ。
この頃この美術館はかなり美術展に力を入れています。
今回の展覧会がそうでした。

漱石はロンドンで2年の間に数回引っ越しをしているそうですね。チェルシーの方にもいたとか。
matsubaraさまはいらっしゃったそうで、親切な方に出会ったことが良かったですね。そんなに環境が良かったのですか。それにしても神経衰弱になって予定より早く帰れと命じられたとは。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2013年7月11日 (木) 13:25

★ポージィさま

こんにちは。今日も猛暑ですね。これから出かけますが、まだ元気にしております。

ポージィさんも美術に関するところを気がつかれませんでしたか。私もです。
今読み返していて気が付きましたが、英語の先生でしたから、英文学の表現だけでなく、ヨーロッパの歴史も実に詳しいです。又、当然ですが、英語の会話が出来て通じるのですね。
そして文章には漢文からの、あるいは難しい表現が次々と出てきてまるで辞書を見ているみたいなページもあります。
漱石の猫ちゃんの顔、現代だったらもっと可愛いかしら。想像するのも楽しいですね。

ツマグロヒョウモンの食草はスミレ類なのですね。確かにスミレ類は今は消えましたが、多いです。毛虫も良く観察してみましょう。

確かに利尿剤多いかもしれません。薬用植物園に行ってきましたので、効用などもっときちんと見てみます。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2013年7月11日 (木) 13:37

こんばんは (◎´∀`)ノ
夏目漱石が文学だけでなく美術にも造詣が深かったとは、初めて知りました。
そんなことより、私は漱石の作品そのものを何一つまともに読んだことがありません (^_^;;ハズイ!
夏目漱石に限らず芥川龍之介も森鴎外も、日本の著名な作家の作品を読んだことがないのかも・・・?!
近年の渡辺淳一や三浦綾子、新田次郎の小説、椎名誠や沢木耕太郎の体験をもとにした旅行記は読んだことがあります。

投稿: 慕辺未行 | 2013年7月12日 (金) 00:00

★慕辺未行さま

おはようございます。
私の若い頃はいろいろなジャンルの本があまりありませんで、世界文学・日本文学全集を読むしかなかったのです。読んでもすっかり忘れてしまったところが情けない話ではあるのですけれど。今はこれらは読みませんので、最近全部捨ててしまいました。
その後内外の推理小説などいろいろ分野が広がって、近頃はノンフィクションが多いです。
渡辺淳一や三浦綾子は数冊、新田次郎は全集をあらかた、面白かったです。
椎名誠はSF以外は殆ど読んでいます。旅行記も面白いですね。若い人で石川直樹とか角幡唯介がなかなかの冒険で自分が出来ないので感動しました。ありがとうございました。

投稿: tona | 2013年7月12日 (金) 06:34

梅雨明けから暑い日が続いてますね
これからしばらく続きます
博物館や美術館でゆっくり見てまわるのもいいですね
広いお庭なのか蝶がゆっくりしてますね


投稿: たなちゃん | 2013年7月12日 (金) 10:13

見損じました。
「猫」に出てくるみんなの会話が面白かったのは大学の春かな。
高踏派と太宰などの無頼派、どっちも魅力的でした。
ターナーという名前は「猫」で覚えました。
今でもターナーの絵を見ると「猫」の会話の雰囲気が立ち上ってきます^^。

投稿: 佐平次 | 2013年7月12日 (金) 10:19

★たなちゃんさま ありがとうございます。

本当に暑いです。
美術館は絵の保存のため冷房の設定温度が低く、外がいくらか涼しいからこんなに冷房が効いているのかと思うほどです。

庭は狭いのです。写真左ではスミレの葉に止まっていますが食草だそうで、スミレ類がたくさんあるので来るようです。

投稿: tona | 2013年7月12日 (金) 16:42

★佐平次さま ありがとうございます。

さすがよく覚えていらっしゃいますね。
猫は大変面白かったのに、ターナーの絵の所もすっぽり抜けています。
ターナーの絵は良く見ます。もう一度猫を読みます。遅まきながら佐平次さんのような感慨を持ちたいです。

投稿: tona | 2013年7月12日 (金) 16:49

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