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2013年7月31日 (水)

菅原道真の歌

Photo_6 アンスリウム(オオベニウチワ)は通年咲いているのですね。冬だとばかり思い込んでいました。(薬用植物園の温室)

今年は今のところ、どこもかしこもミンミンゼミばかり鳴いています。いつもは今ごろアブラゼミばかりでミンミンゼミはあまり多くなかったような気がするのですが。
ミンミンゼミはアブラゼミやクマゼミより暑さに弱いというから、再びの猛暑がまだ来ないこの間辺りから元気に鳴いているとは思うのですが、まさか気候を感じて地面から這い出てくるわけでもないでしょうし、不思議です。と、午後になって突然初めてアブラゼミが鳴きはじめました。

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雑学大学で菅原道真について習いました。
官人や宮廷人が貧しい人のことを歌うということはないのに、奈良時代に一人山上憶良が、平安時代に菅原道真が歌っています。
山上憶良のはご存知「貧窮問答歌」です。筑前守になったことがあるので貧しい人々のことを知ったと思われます。
同様にエリート中のエリートの菅原道真にも庶民の貧窮を歌った五言律詩の漢詩があるのです。1番から10番までいろいろな貧しい人々のことを得意の漢詩にしたわけです。
先生の訳文で3番と4番のご紹介です。

どんな人々に寒気が早く迫るのか
寒気が早く迫るのは妻を失ったやもめ老人だ
眠ろうにも枕に落ちつかず両眼は開いたまま
軒の低い小屋の中で淋しく横たわる身だ
病気の兆候が出ていよいよ憂悶が重くなり
飢えが迫っても誰も心配してくれないのだ
母親を失った子をひしと抱きかかえて
一晩じゅう頻りに涙を流しているのだ

どんな人々に寒気が早く迫るのか
寒気が早く迫るのは幼くて親を失った孤児だ
亡父亡母のことは他人の話を耳にするばかり
物納の税や夫役も免除されないのだ
葛の衣を身につけるのみで冬も薄着のまま
粗末な食物で毎日の生活を支える貧しさだ
冷たい風や霜に襲われて苦しむたびに
恋しい親の夢をみる夜がしばしばなのだ

他に薬草園で働く人、駅停で働く人、船員、漁夫、塩売り、樵、送還者、流入者などの貧しさ、苦しみを描いている。それは古今東西変わらない。
中央官人の菅原道真が何故悲惨な庶民の生活を知っていたのか?
それは42歳から46歳まで讃岐守に任ぜられ、庶民の生活を垣間見たから。
それから11年後藤原摂関家以外の道真が右大臣にまで上り詰めたことを藤原時平らに疎まれ大宰府に左遷されて、心の状態は貧民の悲しみにも匹敵する状態で崩去したのでした。

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コメント

今年は蝉が少ないかと思いましたが
最近、急に蝉の鳴き声が聞かれるようになりました。
時季的なもになのですね~
そういう気候の変化というものに
土の中にいて、何かしら感じる物があるのではないかと思われるのです。
先日 羽化したばかりの蝉を見ました。

雑学大学ではいろんなお勉強が出来るのですね^^

投稿: pochiko | 2013年8月 1日 (木) 00:04

★pochikoさま おはようございます

生き物、植物も動物も本当に不思議ですね。
蝉は地下にいながら、地上の複雑な気候を察知しているのですね。
羽化するところを見たことがないのですよ。
神秘的ですね。

雑学大学ですからいろいろな話が聞けます。
復習しないと行った甲斐がないのですが、なかなかそうもいかないところが困ったものです。試験がないのでだめなのですね。

投稿: tona | 2013年8月 1日 (木) 06:12

道真が急に身近になりました。
今の安倍とか麻生とか、絶対に作れない詩ですね。
雑学先生素晴らしい!

投稿: 佐平次 | 2013年8月 1日 (木) 06:47

★佐平次さま

おはようございます。
道真は当時の中国語がペラペラだったそうです。漢詩はお手のものですね。
庶民の暮らしを知っても、一地方の国守ではどうすることも出来なかったのですね。やがて律令制度を後に崩していかなければならない元にはなったようです。

そう、ことに麻生さんにいたっては外国の公式の場に出ていくと冷や冷やで恥ずかしいくらいです。

投稿: tona | 2013年8月 1日 (木) 07:29

こんにちは
 

アンスリウムは故郷の熱帯アフリカでは通年咲いているのかも
しれませんね。温室は故郷の環境に近いかしら…?
 

菅原道真の漢詩訳、興味深く拝見しました。
貧しい庶民の生活とその苦しさの実情のみならず、
人の悲しみ寂しさ辛さといったものもよく理解していた人なのですね。
学問に秀でたエリートだっただけではないことに魅力を感じます。
地方の国守になったとて、知ろうとしない人なら、
何も見ない聞こえないで知らないままだったかもしれません。
それに、想像力のある人でないと、ここまで人の心情を理解することも
できないだろうなとも思います。
 

現代の、お金持ちの家に生まれエリートとして育った政治家たちは
どうなんでしょう。どこまで知り、想像し、理解しているか…

投稿: ポージィ | 2013年8月 1日 (木) 11:04

35年前の関西にいた頃のことですが、
ある講座で菅原道真の漢詩がとてもいいから
読むように勧められ、本を買いました。
でも余りにも難解で挫折したまま今日に至って
います。お恥ずかしいです。もう一度書庫を
捜しに行こうかしらと思いながらあの暑い書庫
には今は入れないわと言い訳しています。
代わりにここで学ばせて頂きました。
つん読(どく)ばかりの本だらけでは
どうしようもありませんね。

投稿: matsubara | 2013年8月 1日 (木) 13:13

★ポージィさま

アンスリウム、故郷と同じ環境の中、それで温室の中なのですね。
ありがとうございました。

どの時代もそうですが、お上からは重い税や夫役で絞られ、刑罰を受け、ないない尽くしの生活を強いられ、病気になれば人生も一巻の終わりです。
平安時代にもたくさんの人が地方の国守になって赴任していますが、誰も道真のように書いてないのですから、道真が特別なのですね。
仰るように想像力があり心情を理解する人であったのですね。

今の政治制度ではお金がないと政治家になれないのですが、お金持ちの人が普通か貧しい人の生活を理解できるわけもありません。政治家になるとますますお金がたまって、その子が同じ道を歩み、まさに悪循環です。

投稿: tona | 2013年8月 1日 (木) 16:13

★matsubaraさま

菅原道真の漢詩の本をお持ちなのですか。
天皇に献上した『菅家文草』『菅家後集』ですね。
殆ど見かけません。
この貧者の漢詩の他にどんな詩を書いたのでしょう。

つん読本、一杯ですか。心豊かですが、確かに気にもなりますね。
寒くなったら書庫へですね。

投稿: tona | 2013年8月 1日 (木) 16:21

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