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2013年12月20日 (金)

カイユボット展 ブリヂストン美術館

600x417あのとても印象的な「床削り」(オルセーにあって今回は来ていない)を描いたカイユボットの展覧会が今月末まで開かれています。
貧しい画家が多い中、カイユボット(1848~1894)はロートレックと同様にブルジョア階級で裕福でした。
5回にわたって印象派展に参加する画家であるとともに、仲間の作品を購入して経済的に支えたり、印象派展の開催にも経済支援を行った人物です。
生涯に描いたのは590点が知られているようですが、画家としての知名度はありませんでした。
それは裕福だったので売る必要がなかったとか短命であったとか行方が分からないもの・個人所有が多いとか、画家としてより印象派のパトロンとして評価されてしまったということです。
事実63点の今回の作品のうち、個人蔵が半分以上を占めています。

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さて、作品ですがまず自画像(2枚目のパンフレット)を見て、裕福な紳士というよりちょっといかめしいけれども普通のおじさんでした。40歳頃です。
初期の頃は、ブルジョアでありながら「床削り」やパンフレット3枚目の「建物のペンキ塗り」などのように労働する人々を描いています。
2枚目の「ピアノを弾く若い男」(これはブリヂストン美術館蔵です)は音楽家であり写真家でもあった弟が弾いています。このピアノは実際にこのような形でして、美術展に展示されていました。室内を描いた他の作品を見ても、その豊かな生活がわかり、室内に入った光をうまく捉えて描いています。
そして1枚目にあるような近代都市パリの風景が多く描かれるようになります。広角レンズで覗いたかのような拡がりがあるようだと評されます。
その後、彼はパリを離れ、近郊に居を移し、園芸やボートレースに熱中し、作品はボート遊びや付近の景色や花や静物画へと変わっていきます。
他の印象派の画家のようなタッチになっていきました。

私の週刊朝日百科:世界の美術には、カイユボットに関して「床削り」1点と10行くらいしか書いてありません。
こうして、世界各国から60点余も取り寄せられ、回顧展が開かれることは凄いことであり、またありがたいことでカイユボットが身近に感じられるようになりました。

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コメント

こんばんは (◎´∀`)ノ
カイユボット…(・_・ハテ?
初めて聞く(と思います?)名前の方です。
何しろ『芸術に疎い』私ですので、ご勘弁!
裕福だったからこそ、著作を売る必要がなく、作品が流出しなかったようですが、素晴らしい作品であればあるほど『もったいない』気がします。
しかし彼によって世に出た画家もいることでしょうね。

投稿: 慕辺未行 | 2013年12月21日 (土) 00:14

★慕辺未行さま

今朝はどこもかしこも霜と氷です。都心に降ったのに雪や雹は降りませんでした。
コメントありがとうございます。
今回個人蔵がたくさん来ましたが、初めてそして最後に見られる作品群だったのです。
作品を売らなかった結果なのですね。
サイトで見ましたらセザンヌ、ドガ、マネ。モネ、ピサロ、ルノワールといった印象派の人々のをたくさん買ってあげて応援しています。このことによって結局は彼らを世に出しているのですね。今はこれらの作品がオルセー美術館に飾られるようになったらしいです。彼なくして印象派は出なかった感さえあります。

投稿: tona | 2013年12月21日 (土) 08:40

歯医者の帰りに寄ろうと思ったけれど時間が遅かったのでパスしました。
今度行ってみます。

投稿: 佐平次 | 2013年12月21日 (土) 11:41

こんにちは
 
ギュスターヴ・カイユボットという画家とその作品、
全く知りませんでした。いま、ブリヂストン美術館の
HPも見てきましたが、tonaさんの記事と併せて
初めて知ったのに、一気に親しみを感じる画家になりました。
ブルジョア階級出身であった事で、ご自身の絵以外に、
仲間の印象派画家たちにとって、大きな力となった方
だったのですね。ご自身の作品も素適なものばかりと
思いながら拝見しました。

投稿: ポージィ | 2013年12月21日 (土) 14:51

★佐平次さま

そうでしたか。
是非いらしてください。
私はついでにグランルーフで食事をしました。あまり店の種類は多くなかったですが。

投稿: tona | 2013年12月21日 (土) 15:32

★ポージィさま

そうですか。HP、ご覧になってくださったのですね。
親しみが感じられたそうですが、私もです。
温かい人ですよね。
もしカイユボットがいなかったら、印象派もこんなに有名になって、世界中に作品が行かなかったかもしれないほどの人です。
短命だったのは残念ですが、思うままに絵を描き、また趣味に没頭できたという大変幸せな人でしたね。ありがとうございました。

投稿: tona | 2013年12月21日 (土) 15:41

カイユボットは、民放ですが、
美の巨人たちで見たと思います。
最初に取り上げてある絵が印象的でした。

この度上京ついでにターナーくらい
見ようかしらと思っていたのですが、
お葬式で気が滅入り二人ともそんな
気分になれなかったです。

投稿: matsubara | 2013年12月21日 (土) 17:57

★matsubaraさま

私も出かける前日に美術番組を見ました。こういう時はグッドタイミングで作品がよく理解できます。

ご不幸があって上京されたのですね。
あわただしい日帰りではよけいそうですよ。
別の機会に上京されたときはお声をおかけくださいね。

投稿: tona | 2013年12月21日 (土) 19:28

お早うございます。
このカイユボットという画家のことは全然知りませんでした。
ブルジョワ階級の出で、印象派の画家達を世に出した功績があるのですね。
そして裕福だったので自分の絵は売りに出さなかったため、華々しく有名にはならなかったとか・・・
でもとても素直な作品で惹かれます。

慌しい年の瀬に美術館で絵画を見る・・・
これってとても優雅で憧れます。

投稿: nao♪ | 2013年12月22日 (日) 10:22

★nao♪さま

こんにちは。久しぶりによく晴れましたね。
日本では初めて紹介されたこれらの絵画、私もなかなかに惹かれました。
出光同様にブリジストンもこじんまりした感がありますが、中は意外と広くて見ごたえがある美術館ですね。そしていろいろな貴重な作品も常設されていて好きです。

投稿: tona | 2013年12月22日 (日) 13:58

I really like your writing style, great information, appreciate it for putting up :D. "Silence is more musical than any song." by Christina G. Rossetti.
長財布 シーバイクロエ http://goo.gl/8Ys0V1

投稿: 長財布 シーバイクロエ | 2014年1月18日 (土) 04:06

★長財布シーバイクロエさま

Thank you so much,your comment.
The proverb by Christina G.Rossetti is good words to try to mind.

投稿: tona | 2014年1月18日 (土) 08:44

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