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2014年8月17日 (日)

『本能寺の変431年目の真実』明智憲三郎著

著者明智憲三郎氏は、明智秀光の子で明智残党狩りの手を逃れた於寉丸(おづるまる)の子孫だそうだ。
これまでの光秀の謀反説、怨恨説や野望説、謀略説などが嘘であって、本当の真実がここに語られる。
当時の武家や公家の日記、『信長公記』や秀吉が書かせた『惟任退治記』、イエズス会の資料など多くの歴史資料を照らし合わせ、調べつくしている。

歴史と言うのは、『日本書紀』のように藤原氏によって都合のいいように改竄・捏造されたように、この本能寺の変でも敗者の明智氏が勝者の秀吉側に都合のいいように書かれていたのも検証される。秀吉が信長の後継者としての正統性を訴えたかったのでしょう。
驚いたのは、信長が何故家臣を厳重に従わせないで本能寺に入ったのかが書かれていて、それには思ってもみなかった陰謀があったのだ。ふ~ん、全然知らなかった。
戦国時代も子孫を案じ、家系、血筋を重んじ、一族を束ねていく頭領の大きな責任感のなせる業でもあったと感じた。

千利休の切腹の原因とか、歴史上では家康の敵方とされる斎藤利三の娘である福がどうして家光の乳母に採用されたかなど興味深い史実も、資料から明かされる。

まるでミステリーの謎解きのような筆運びが面白く、そして構成がいい。前半でもう結論述べ、後半で6月2日までの流れを検証していく。
その他面白い史実がたくさん書かれていて、今までの戦国の歴史が違って見えてきて大変面白い本でした。

『屋根屋』村田喜代子著
雨漏りの修理にやってきた屋根屋さん。その家の普通の主婦はその屋根屋と自分の夢の中で落ち合って、法隆寺やシャルトルの屋根を鑑賞するために空を飛んでいく。
屋根屋は心の病のために医者から自分の見た夢を全部書くようにと薦められ、夢日記をつけるという夢のエキスパートだ。その夜見る夢が生み出したものは大きい。
池澤夏樹は「夢の仕掛けのつくり方は巧妙ですごくおもしろかった。うらやましいというか、ねたましいというか」と。
何かとても不思議な小説であった。この主婦は凄く寝つきが良く、よく寝られ、夢を見ないほどとのこと、イヤー、これがとても羨ましいというのもまた感想の一つだ。高校生の母親なので40代と思しく、まあそれなら私もそうであったような。

   1ヶ月前ですが、春咲くはずのアケビの蕾らしきものにお目にかかりました。400x267
        同じ木に出来たばかりのような青い実が付いていました400x267_2


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コメント

「屋根屋」は図書館に予約していたのが届いたようです。
明智の本も面白そうですね。

投稿: 佐平次 | 2014年8月17日 (日) 21:20

★佐平次さま

実は佐平次さんに教えられて初めて村田喜代子の作品を読みました。これもかなり引きずり込まれました。ありがとうございました。
明智の本もいろいろ感想もあるでしょうが、私は面白かったです。

投稿: tona | 2014年8月18日 (月) 06:47

こんにちは。ご無沙汰いたしました。
「本能寺の変431年目の真実」面白そうです。
未だに謎に包まれている…という言葉は時折り耳にしましたが、
光秀の子孫に当たる方(なんと!)が、資料を調べつくして
書かれたという内容に興味津々です。今年放送の大河ドラマ
「軍師官兵衛」では、これまでの「信長への怨み」説とは少し違う
観点から描いていると感じました。
真実とされてきた歴史も、その時代時代の為政者によって、
あるいは市井の人々によって脚色されたりして、真実では
なくなっているものがたくさんありそうですね。

投稿: ポージィ | 2014年8月18日 (月) 09:55

★ポージィさま

こんにちは。
膝が痛くなられたそうで、昨年の自分を思い出しました。もっと痛くなられたらヒアルロンサンを打っていただくと治ります。どうぞお大事に。

この本は資料を丹念に調べているので、真実が裏付けられて、それがあまりに思ってもみなかった動機に驚きました。
丁度軍師官兵衛のあの場面を見たあとで読んだので、とても面白かったです。
本当に歴史の教科書で学んだことは実は真実でなく、為政者によって随分捻じ曲げられたのがありそうですね。
いろいろな資料によって、古の人から現代にいたるまで研究されて、本がたくさん出ていますのでいつか教科書の内容も変わる日が来るのでしょうか。
敗者の物語にいろいろな事が隠されていることもありと知った1冊でした。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2014年8月18日 (月) 15:51

明智光秀の祖先は岐阜で、今も明智町という
場所もあり、興味が湧きます。
一説では、子孫は四国に渡り、坂本龍馬に
つながると聞いたこともあります。同じ桔梗の
紋ですし、琵琶湖近くの坂本に光秀の墓標があり
それもお参りしました。
坂本という名に繋がるのでそうかしらと思って
いたのですが、明智氏が現存されるのですね~

光秀は側室を持たなかったということもあり
好きな武将です。輿入れの少し前、妻になる人は
顔に大やけどしたので、親は申し訳ないと
妹を代わりに寄越したのですが、光秀は
知っている位置にほくろがないと言い、
妹を返しました。
そういう律儀な性格だったようです。

投稿: matsubara | 2014年8月18日 (月) 20:21

★matsubaraさま

この本に、明智の出自も書いてありました。そうなのですね。丹波でも坂本でもなく岐阜ですね。
かなりその方のことも書いてあるのですが、妻になる人のことは知りませんでした。そんな方だったのですね。側室を持たなかったというのも驚きです。今の私たちは共感しますね。
子孫が四国というのも変を起こした動機に関係あります。
坂本に光秀の墓標があるのですか。延暦寺に行くのに通ったことはあるのですが。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2014年8月18日 (月) 21:01

こんばんは happy01
明智光秀の子孫の方がこのような本を著すのは、とても意義あることだと思います。
私はその時代の日本史は苦手で、明智光秀と言えば信長を暗殺した謀反者、三日天下・・・という印象しかありません (^_^;;ハズイ
エッ、今は『大正村』として知られる明智町は、光秀と関係があったのですね。
学がないうえ、最近は本を読むこともなく、少しは勉強しなければ!と思うこのごろです。

投稿: 慕辺未行 | 2014年8月18日 (月) 21:47

★慕辺未行さま

おはようございますsun
大正時代の建物が集められた大正村が明智町にあるのですか。
明智氏は何でも斉藤道三にやられたあの土岐氏の流れだそうですね。
慕辺未行さまは私の知らないことをたくさんご存知で、私も勉強の必要を感じます。
ただもう全然覚えられなくなってしまって、読んだ本も内容をすぐ忘れていて自分でもビックリです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2014年8月19日 (火) 06:18

 
歴史のことについては中学時代からあまり興味はないのですが、NHKの番組(BSかな)で
歴史のことをいろいろと検索する番組があります。聞いてるとなかなか面白いと感じました。
 神話にしろ、歴史にし真実はよくわかりません。明智の残党がいたんですね。あの信長がなぜと言いたいです。
 大河ドラマにしろ、忠臣蔵にしろ、原作では大筋は同じでも、脚本家によっていろいろ変わる。そういうものなんですね。
要は面白く、興味深く見られればいいわけですから。現代人は真実を知らないから。

投稿: 夢漢人 | 2014年8月19日 (火) 12:01

★夢漢人さま

私も最近BSで歴史に関する番組を見ています。
映像や解説で知らなかったことがたくさん出てきて興味深いです。
歴史ドラマのこの場面を何度も見ていますが、なるほど脚本などによってかなり違うものですが、大筋同じような説です。しかしこの本では全然違ったもので、とても面白かったです。
ドラマの方は視聴率を上げるために奮闘することもあり、真実からはちょっと遠いのもあるのですね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2014年8月19日 (火) 16:29

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