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2015年2月 6日 (金)

「バンクス花譜集」展 於Bunkamuraザ・ミュージアム

ブラシノキ(フトモモ科ブラシノキ属)に似ているバンクシア(ヤマモガシ科バンクシア属)が「バンクス花譜集」を手がけたバンクスにちなんで付けられたということを知りました。

             ちらしに載っているバンクシア・セラータ212x300
ジョゼフ・バンクスはあのキャプテン・クック(ジェームズ・クック)の大航海(1768~71年)に同行した人で植物の採集を行い、標本と写生を持ち帰った。その成果を出版しようと銅版を準備していた。今回の多色刷りは1980年代に実現した。
航海で植物を写生したのは画家のシドニー・パーキンソンだった。
しかしパーキンソンは最後の寄港地インドネシアで多くの船員とともに風土病で亡くなってしまったのでした。まだ20代半ばというのに。
帰り着いたバンクスはロンドン社交界ではクックより数倍もの人気者になったそうだ。

テスペシア・ポプルネア(材木、繊維、染料、薬)、舌をかみそうな植物の名前ばかりでした。228x300
                 クリアントゥス・プニケウス180x300
               クレロデンドルム・パニクラートゥム181x300
               カスアリーナ・エクィセティフォリア207x300
                  デブランケア・テトラピュラ213x300
それにしても実に正確で美しい細密画だ。クック関連資料や民俗資料とともに、オーストラリアや太平洋の島々の植物など120点の銅版画が並び、植物好きやポタニカルアートを学ぶ人にはたまらない魅力あふれる展覧会でしょう。

胡椒・さつまいも・じゃがいもなどの原種、トイレットペーパーになる葉、ゴーギャンの絵の中の花、ロープになる樹皮、カヌーの材料、ヘチマやモウセンゴケなどいろいろなものを持ち帰ったわけで、バンクスのプラント・ハンティングへの情熱をうかがい知ることができました。

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コメント

tonaさま
昔の版画を色刷りに直すのはどうするのでしょうか。
植物学の実習で牧野富太郎先生の植物図鑑を持って山野を歩いたのを思い出しました。遠い昔の思い出です。

投稿: evergrn | 2015年2月 7日 (土) 11:08

こんにちは
 
あっこれ、新聞に紹介されていたのを見ました。
実に細かな様子から葉の質感までもが見事に映し出された銅版画に
驚きましたが、展示会に行っていらしたのですね。
新聞記事には書かれていなかったこともtonaさんの記事を拝見して
知ることができました。ほかの植物たちも。
どれもが見事ですね。写生した画家の腕も素晴らしいですし
(若くして亡くなってしまって惜しいことです)、それを銅版にした技術も、
美しい多色刷りにした技術も素晴らしいですね。
多色刷りは、航海から帰って約10年の歳月を経て、ついに実現したのですね。
さぞかし根気もいったことと思います。
キャプテン・クック、ジョゼフ・バンクス、シドニー・パーキンソン、
その他大勢の人々に感謝です。

投稿: ポージィ | 2015年2月 7日 (土) 11:46

★evergrnさま

江戸時代の浮世絵のように摺るのとは違うみたいですよね。どのように色刷りしたか興味が湧いてきますね。
植物学の実習をされたのですか。楽しかったでしょうね。私ももっと若い頃にやりたかったです。有難うございました。

投稿: tona | 2015年2月 7日 (土) 16:49

★ポージィさま

2月4日の新聞の美術欄に載っていましたね。
そこにも書いてありますが、銅版画が出来てから、約200年後の1980年代に多色刷りになったそうです。
浮世絵も凄いですが、まるで水彩画のように銅版画になっているので信じられない技と思いました。
新聞に載っていたのはバンクシア・セルラータ(新聞ではルが入っています)ですね。花と実が両方付いています。これもユーカリやアメリカのセコイアと同じく火事ではじけて種が着生するそうですね。オーストラリア西海岸にもたくさんありました。
クックたちの航海も実に大変だったようですが、こんなにたくさん(740点)花譜集に収められたことは素晴らしいですね。
有難うございました。

投稿: tona | 2015年2月 7日 (土) 17:01

Bunkamuraには長らくご無沙汰しています。
月曜定休で他が休みの時行ったように思います。

こういう植物画は、おしゃれですね。
喫茶店の中には額に入れて飾ってある所も
ありますね。

牧野図鑑はモノクロですから作品には
ならないですね。


投稿: matsubara | 2015年2月 7日 (土) 18:13

投稿: tona | 2015年2月 7日 (土) 19:34

★matsubaraさま

頂いたコメントをこちらにコピーさせていただきました。
Bunkamuraは毎年、年中通して良い展覧会を続けています。行かない年がないくらいです。
そういえば喫茶店とかなどに飾ってあるのを見たことがあるような気がします。
植物は色もないと実感が出来ませんので、私は牧野図鑑は昔あったのですが、処分してしまいました。
有難うございました。

投稿: tona | 2015年2月 7日 (土) 19:41

 舌をかみそうな植物の名前。
それにしても鮮やかなボタニカルアート。
すばらしい。
 うちの近くにもボタニカルアート。写真と紛うような繊細な絵を描く人がいます。
 定期的に個展を開いています。よくも描くものだと感心して見てます。

投稿: 夢閑人 | 2015年2月 8日 (日) 16:22

★夢閑人さま

銅版画というから驚きました。
葉脈、蕊、そして影まで描かれています。素晴らしいですね。
ポタニカルアートもいいですね。
定期的にご覧になれて楽しみですね。
有難うございました。

投稿: tona | 2015年2月 8日 (日) 18:50

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