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2015年5月 9日 (土)

時計回りの文化と反時計回りの文化

高野義郎著『古代ギリシャの旅』によると、
時計回りの文化と反時計回りの文化があるという。ギリシャは時計回りでローマは反時計回りとか。

ギリシャの貨幣には刻字に時計回りのものが多かった。我が国の和同開珎もしかり。
十二支も方角も時計回り。住居表示も時計回りに住居番号を割り振っている。
和服の帯は時計回りに締めるが、洋服のベルトは反時計回りだ。
渦巻の蚊取り線香も時計回りに燃えていく。
仏教では須弥壇のまわりを時計回りに進む。四国八十八ヵ所遍路道も時計回りにめぐっていく。

騎馬行進や『ベン・ハ―』の戦車競技もそうだが、トラック競技は全部反時計回りの左回り。トラックのカーブを曲がるとき、左足で体を支えながら、右足で加速して走るので、左回りのほうが理にかなっているという説がある。スケート、自転車競走、野球もそうだ。
キリスト教教会では反時計回りにめぐる。しかしアングリカン教会(カトリックとプロテスタントの中道)では時計回りだそうだ。

時計回りと左側通行、反時計回りと右側通行も必然と言えようか。
人間の文化が時計回り、反時計回りに分かれているのは、農耕文化と遊牧文化との、仏教とキリスト教との、太陽の文化と星の文化との違いに起因するという。ですから、文明発祥の地、エジプトは時計回り、メソポタミアは反時計回りだったのではないかと著者は言う。

一般に人物であれ、鳥であれ、動いている物を描くとき、それを画面右側から左側に向けて描けば、「往く」、左から右側へ向けて描けば「来る」、このように私たちは感じるものなのだそうだ。
例えば、ボッティチェリの『春』ではメルクリオに導かれる女神たちの行列は、画面向かって右から左へ進んで’いく’のであり、『ヴィーナスの誕生』では、貝に乗ったヴィーナスは、遠方左手の沖合から右手前につづく岸辺へ、西風に吹き寄せられて’来た’のだ。
数々の受胎告知の絵を見ると、右側の処女マリアに、天使ガブリエルは左側から知らせに来たとなる配置であるわけだ。

縮緬の風呂敷がたくさんたまってしまったので、近所の縮緬で吊るし雛のようなお人形をたくさん作っている人に差し上げました。そうしたらすぐにいくつか作ってプレゼントしてくださいました。彼女の家の玄関には何百も飾ってあり壮観です。
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コメント

こんばんは happy01
ヘェーッ!目から鱗の着眼点ですね。
言われてみれば、国によって硬貨の刻印の文字が逆になっているところもあったような気がします。
スポーツのトラック競技に野球など、確かにみんな反時計回りですね。
競輪・競馬、スピードスケート・・・みんなそうですね。
右から左へは「行く」、左から右へは「来る」。
これも確かにそう感じますね。
日常的に当たり前に感じていたことですが、はるか昔からの文化に起因していることなのですね。

投稿: 慕辺未行 | 2015年5月 9日 (土) 20:21

★慕辺未行さま

おはようございますsun
いつも硬貨などは見ていないので、今回は眺めてみました。ちゃんと右回り、左回りがあるのですね。当たり前なのに見ていなかったです。お札の写真さえちゃんと見ていなくて人の名前が出てきませんでした。自分の目が節穴というか、頭が悪いというか、今更ながら呆れています。
左といえば、かなり前から日本でも右側通行が守られていないですよね。私も左側を歩いたほうが心地よいです。心臓が左にあるせいという説がありますね。車は左側が慣れているので、外国に行くと右側がちょっと変に感じます。
古代文明に起因するというのが面白いです。
有難うございました。

投稿: tona | 2015年5月10日 (日) 08:49

昔、横書きを右から左に書いたこととは関係ないですね。
「やらと」、せんじつ私のブログに「んさや床」という看板の写真を載せて(http://pinhukuro.exblog.jp/22990898/)、なんだろうと書いたら「床屋さん」の昔の書き方だと「虎屋」の例で教えられました。気がつかなかったのです。

投稿: 佐平次 | 2015年5月10日 (日) 11:39

★佐平次さま

時計回りとは関係ないのかもしれませんが、左から右に書くようになったのは西欧のアルファベットに倣ったのでしょうか。
アラビア文字は右からなのでしょう。
そう、あの「床やさん」にはびっくりでしたね。今頃ちゃんと残している(もしかしてわざと?)のが。wakagaerikenというのも乙ですし。よく気がつかれましたね。

投稿: tona | 2015年5月10日 (日) 16:06

こういう分野の学問があることを知りませんでした。
これをここで分からせようとされることが
素晴らしいです。
私なりにネットで見てみますと、高野義郎氏
という素粒子論の学者さんのページに
ゆきあたりました。
なるほどと思いながらもabcとα、β、γが
時計回りと反時計回りの関係になるとは
想像もしていなかったです。
珍しい分野の紹介ありがとうございます。

投稿: matsubara | 2015年5月10日 (日) 19:27

★matsubaraさま

そうなのですね。高橋義郎氏は物理学者ですが、ギリシャなど古代美術も研究した方です。

時計回りと反時計回りはいろいろ気づいてはいたのですが、宗教や太陽・星などとも関係があったなんて知りませんでした。
絵における「来る」「往く」にも驚きましたが言われてみればそうなります。

投稿: tona | 2015年5月11日 (月) 08:17

おはようございます
 
「時計回りの文化と反時計回りの文化」
まったく思ってもみなかった着眼点で、へぇ~、なるほど~と、
とても興味深く拝見しました。
ギリシャは時計回りでローマは反時計回り、エジプト文明が時計回り
メソポタミア文明は反時計回り、といった変化はどうして起きて
きたのでしょうね。
人間が作り上げてきた文明と思っていても、もっと何か大きな
宇宙的な力が作用しているのかもしれないと、不思議な思いになります。

投稿: ポージィ | 2015年5月11日 (月) 09:30

★ポージィさま

こんにちは。
今は慣れているので走る時は左回りとか、ベルトも左回りに考えもしないで体が動き、手が動きますが、そもそもはどうしてそうなったのか、ポージィさんがおっしゃるように、宇宙的な力が作用したのかもしれなく、不思議です。
日々の生活の中で分かれているのも面白いですね。
こうしたことを踏まえて西洋の宗教画などを見るのも楽しみになってきました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2015年5月11日 (月) 15:53

 そういわれてみれば頷けるものが沢山ありますね。
あまり深く考えた事もなかった。

 台風が近づいてます。
今夜から明朝にかけて風雨が荒れるみたいです。
台風はなぜ左回りなんでしょうね。
いつもつまらぬことを考えています。
 高い所に置いたある鉢など、すべて下に下ろしました。
 
 人間のほとんどが右利き。従って左利きの人を違った
感覚で見ていませんか。
 普通の人と違った考えを持っている人、ちょっとおかしな人、
‌過激な思想の持ち主を左寄り、左派、左回りというのもそれから来てるのかな?
 
 扇風機など時計回り(右回り)の物の回転部を閉め付けるネジは
左ネジになってる。惰性による緩みを防ぐためだ。

 記事とは関係ないか。すみません。

投稿: 夢閑人 | 2015年5月12日 (火) 17:59

★夢閑人さま

いろいろな観点から、ご意見寄せていただいてありがとうございました。気がつかなかったこともありました。
台風が熱帯低気圧に変わりましたが、今晩降るようですね。そろそろ音がしてきました。台風はなぜか左回り。
南半球と北半球ではトイレの水の流れ方の渦が反対と聞いたことがあります。
左利きは昔は直されましたが、今は西欧人と同じく直さないようになったそうですね。
でもやはり左で書いていたり、箸を持っていたりすると変に感じます。

左派、右派、なるほどですね。これは全然気がつきませんでした。
扇風機のこと、さすが理科系の夢閑人さんです。
本当に考えると面白いものですね。

投稿: tona | 2015年5月12日 (火) 19:55

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