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2015年9月 7日 (月)

三溪園

Photo1昨日は晴れて、横浜本牧の三溪園に遊んできました。2時間かけてボランティアガイドさんに説明を受けながらの散策は、大変有意義な楽しいときでした。

製糸・生糸産業で財を成した原家、原三溪の義祖父(奥さんの祖父)が手に入れた約5万坪の土地に、三溪は日本庭園を造った。三溪は岐阜出身の入り婿さんだった。
本牧の海岸から山を成す地形には海岸から三の谷、二の谷、一の谷があって土地は三の渓谷にあったので、本名は富太郎だが「三溪」と名乗った由。園内で一番高い展望台に上ってびっくり。眼下には本牧埠頭などのある海が見え、湾岸道路があり、車の騒音が凄い。ところが展望台を少し降りると、その騒音は全く聞こえなくなり、谷(渓谷)というのは山に遮断されて、実に静かな所であると、初めて知ったのです。

その庭園に、維持が困難になった旧東明寺三重塔をはじめとする歴史的建造物を17棟(うち10棟は重要文化財)を京都や鎌倉から集め、庭の自然と調和させた。素晴らしい景観である。
三溪は実業家としてだけでなく、美術、文学、茶の湯を愛し、芸術家を援助してパリなどに留学させたり、自身も絵を描いたり、茶室を移築したり、建てたりして、近代日本文化の一端を育んだ人だった。自身は無駄や贅沢をしないで人に惜しみなく援助の手を差し伸べた人であったという。三溪の孫たちは維持できなくなり、切り売りして儲けるという話にも耳を貸さないで、横浜市に寄付したそうで、お蔭で今日私たちがこの名勝を鑑賞できることになった。
2007年には国の名勝に指定され、庭全体も文化財として位置付けられた。

正門を抜けると、左手すぐ池越しに三重塔が見え、右手にはハス、睡蓮の池が続く。池が終わった所の右手が内苑、左手が外苑。450x300
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<内苑>
京都東山の西方寺の築医門を潜ると内苑の建造物が次々と現れる。この門は東大の赤門と同じ造り。450x300_3
紀州藩の数寄屋風書院造の別荘・臨春閣は雁行型(桂の離宮にもありました)をしていて素敵な佇まいだ。450x300_4
           中を覗いてみた障子の桟が同じものがないのに驚く450x300_5
           瓢箪文手水鉢 秀吉が愛用し後年藤堂高虎に賜った450x300_6
旧天瑞寺寿塔覆堂 大徳寺に秀吉が母の長寿祈願のために建てさせた寿塔(生前墓)を納めるための建築300x450_2
迦陵頻伽の彫刻が見られる。上半身が人で、下半身が鳥というのを恥ずかしながら初めて知りました。鳥の脚が見える。450x300_7
               巨木に巨大なきのこが張り付いていた。
タバコウロコタケ科ツリバリサルノコシカケ shikamasonjinさま、ありがとうございました。300x450_3
  聴秋閣 二条城内の徳川家光・春日局ゆかりの楼閣建築。2階は2畳しかない。450x300_8
               春草廬 織田有楽の作といわれる茶室450x300_9

<外苑>
                   松風閣(展望台)から450x300_10
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旧燈明寺三重塔 木津川の廃寺(燈明寺)の塔で、関東地方にある木造の塔では室町時代のもので最古。300x450_4
合掌造り・旧矢箆原家住宅(やのはらけ) 白川郷にあったもので現存する合掌造りでは最大級の民家。黒光りした柱が立派で、寺院に用いられる火灯窓、式台玄関がある。矢箆原家は飛騨の三長者の一人とも言われた。450x300_12
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           旧東慶寺仏殿 鎌倉・東慶寺にあった禅宗様の仏殿450x300_14
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梅や紅葉が多いのでその季節はさぞや美しいことでしょう。

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コメント

私も「三溪園」には10年位前に行った事があるのですが
個人で行ったのでパンフレットから得た知識だけで、ざっと見た程度ですので
今回のtunaさんの説明に、今更ながらそうだったのか・・・と勉強になりました。

いつも思う事ですが、観光地にボランティアの方がいて説明を受けながら見るのと
説明を受けないのとでは雲泥の差があります。

私も一周りしてみたのですが、tunaさんの写真にこんな所があった?・・・
それだけいい加減に見てたのですね。
機会を作って改めて行ってみたくなりました。

投稿: ラッシーママ | 2015年9月 7日 (月) 16:52

★ラッシーママさま

ボランティアガイドさんには2時間も無料で実にたくさんのことを教えていただきました。
今までにないくらい博学な人に出会いました。
説明を受けなかったらやはりパンフレットを見て辿るだけで、全然いつも頭に入っていません。そして建築の細かいところを教えてもらって面白かったです。
17棟全部見ました。また三溪の絵をたくさん見る事も出来ました。
紅葉の頃は今開放していない部分も開けて散策させてくれるそうですよ。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2015年9月 7日 (月) 18:51

こんばんは
 
三渓園には、だいぶ前になりますが1回だけ行ったことがあります。
ところが、風がとても強く寒い日だったからか、カメラも予備知識も
持たずにだったせいか、見事なまで記憶に残っていないのです。
ボランティアガイドさんのお話を聞きながら、ゆっくりと時間をかけ
味わって歩く園内は、植物良し、お庭良し、建物良しで、こんなに楽しみが
あるのですね。
tonaさんの今日の記事を拝見して、もう一度行ってみたいという
思いを強くしました。
 

投稿: ポージィ | 2015年9月 7日 (月) 21:30

★ポージィさま

おはようございます。
まだまだ雨が続くそうですが、遂に家の中にカビがはえました。

私は40数年前に行きましたが、何も覚えていませんでした。
沢山の種類の木がありますが、梅、紅葉が多いですね。小さな滝まであって、それこそいろいろな庭が鑑賞できました。
今の時期、秋の七草とセンニンソウ、それにハスとスイレンしかない時期でしたが、建物が多いのでそちらにも気を取られました。
お花の時期にいらっしゃるともっと楽しめます。ありがとうございました。

投稿: tona | 2015年9月 8日 (火) 08:12

原三渓が岐阜県の出身であることから何度も
行きました。30年前に三渓の出自を知り、
両親も連れて行きました。

梅の季節や花菖蒲の季節も味わいがあります。
三渓は長男であることから養子は親が許さなかった
のですが、奥さんが好男子の彼でなければ
いやだとだだをこねたと聞いています。
彼の教え子だったのです。

伝記も持っています。
関西から東京に引っ越した時、最初にここを
訪ねた懐かしいところです。

迦陵頻伽のことは、40年くらい前奈良の
仏像を調べていたとき教わりました。
架空の鳥ですね。

投稿: matsubara | 2015年9月 8日 (火) 09:49

★matsubaraさま

今年は杉原千畝と原三溪と岐阜出身の偉大な方を奥深く知ることが出来ました。まだまだたくさんいらっしゃる岐阜県ですね。

三溪の奥さんが教え子であるとか、両親が許さなかったなどの逸話を初めて知りました。
写真がありましたが確かに三溪さんは好男子ですね。
その書画が素晴らしかったです。本職かと思ったほどです。

日本の迦陵頻伽は有翼で描かれているのですね。こんな事も知らなかったなんて、自分を笑ってしまいました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2015年9月 8日 (火) 15:41

我街の「三渓園」までお出でいただき、ようこそという思いです。
シニアの横浜市民なら「浜っ子カード」を提示すればタダで入れる「三渓園」で・・・
カメラ教室の撮影会で何度か行きましたが、桜の頃と紅葉時がお勧めです。

若い頃にも何度か行っていますが、昔は展望台のすぐ下は海でした。
今ではコンビナートの工場が立ち並び高速道路が走っていて、眺望的には昔の風情はなくなりましたが、公園内の歴史ある建物は相変わらず素晴らしいと思います。
まだボランティアさんの説明は受けたことがないので、歴史や建物のことなどはtonaさんの方がきっと詳しいですね。

去年主人と最後に行った軽井沢旅行で、最初の日は世界遺産の「富岡製糸場」に寄りました。
その時のボランティアさんの説明で「原三渓」の名前が出ましたね。
あの時代にはこのような太っ腹の実業家がいたのですね。
切り売りしないで市に寄付してくれて、今ではその恩恵を受けていますよ。
お蔭で横浜市民は三渓園の一角で、お茶会や写真展を催したりできます。

お琴の先生をしている私の山仲間は、三渓園・内苑の「臨春閣」を借り切って、中秋の名月に
お琴と尺八&お三味線の「観月会」を催し、私たちも聴きに行きました。
こちらですhttp://blog.goo.ne.jp/nao5512/e/249f6ce766602a92e396c2a7f0c5abcf

投稿: nao♪ | 2015年9月 8日 (火) 16:14

★nao♪さま

40年前に行ったきりで今回がまるで初めてのようにすべて忘れていました。
すぐお近くなのですね。
そういえば観月会の項を拝見させていただきましたね。
自分が行って初めて、臨春閣のあのお部屋かとわかりました。実際にご覧になって感動されたことでしょう。
ガイドさんが言っていました。昔は展望台の下は海でしたと。モノクロの写真もありましたね。nao♪さんもその景色をご存じだったのですね。
富岡製糸場にまだ行っていませんが、今回原家の実業活動を知って、きっと富岡と関係しているのだろうと思いました。やはりそうだったのですね。
お孫さんたちも立派です。今でもここに入園するときはちゃんとお金を払って入られるそうな。驚きました。
ボランティアガイドさんはものすごく勉強されていて、これまた驚きました。耳に入ったことがすぐ反対側に抜けていってしまうことが申し訳なかったです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2015年9月 8日 (火) 16:44

前記事も読みましたが、コメントしないまま今日になりまして・・・
書き方が下手で、自慢と受け取られないか不安ですが…
実は主はただの商社マンでしたが、60数カ国を回りました。
アラビア語及びインド・パキスターン語専門で、インドと中東は何度か行きました。
古典歴史には詳しく、tonaさんの感想を読んで貰いました。
そこで改めて、何故嫌われたのかを遡って解説して貰いました。
勝手にごめんなさいね、でも興味が尽きませんでした。

横浜に数年住んでいたので、三渓園には2度ほど。
すっかり忘れていて、もうビックリして読みました。
ガイドのおかげで勉強されましたね。いつか案内してとおねだりするかもcoldsweats01
東大赤門と同じ門、障子のアートも是非観たいです!

投稿: だんだん | 2015年9月 9日 (水) 15:33

★だんだんさま

丁寧に読んいただきありがとうございました。
私もご主人様に教えていただければ良かったです。ずっと疑問に思っていることを書いてある本にやっと巡り合えました。
ただこの本は・・・と書いたところでブログを見ましたら、何と題名が書いてないではありませんか!今から遅いですが慌てて書き加えました。すみません、おっちょこちょいで。
大澤武男著『ユダヤ人とローマ帝国』
・・・ローマ帝国時代が中心ですのでその時から現代まで空白ですので、まだまだその間どうだったか知りたいわけです。

三溪園は重要文化財の建築が多いので学べることも多そうですが、すぐ忘れてしまったのが何とも情けないです。
門は柱の位置が屋根とずれているので、そのように見るとアンバランスです。気がつきませんでした。
障子は臨春閣の裏側に回って案内されたときに見ました。襖も狩野派のようです。
紀州藩のお屋敷だけあってずいぶん贅をこらしているのですね。

投稿: tona | 2015年9月 9日 (水) 16:43

tonaさま
三溪園の巨樹(スダジイ)に出ている硬質菌はタバコウロコタケ科のツリバリサルノコシカケかもしれません。私は横浜に10年近く住んでいて三溪園も何度か見学しましたが、20年以上前のことなので、すっかり記憶から剥落しておりました。tonaさんの詳しい見学記、特に建物に関して非常に勉強になりました。

投稿: shikamasonjin | 2015年9月 9日 (水) 22:03

★shikamasonjinさま

この巨木はスダジイだったのですか。三浦アルプスにもありましたので三浦半島はスダジイの生育に良いのでしょうかね。
きのこの名前を教えていただきありがとうございました。今まで見た中で一番大きかったです。さらに上の方にもっと大きいのがありました。
横浜に住まわれていらしたそうで、三溪園は近かったことでしょうね。
私は40年前に行ったという記憶しかありませんでした。
建物が重要文化財が多くて中の見学ができるのが殆どありませんけれども、説明を受けてそれなりに素晴らしいのだとわかりました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2015年9月10日 (木) 08:28

アメリカ映画やアメリカ文学にユダヤ人は
色々な形で登場するので
興味は尽きない所です。
昔イザヤ・ベンダサンの「日本人とユダヤ人」という本も
評判になりましたね。
子どもの頃読んだ、シェークスピアの「ベニスの商人」に出て来た金貸しシャーロックが
初めてのユダヤ人との出会いでした。
三渓園もごく若い頃に行ったきりで
美しい日本庭園という印象しか残っていません。
今行けばきっと、もっと味わうことができるでしょうね。

投稿: zooey | 2015年9月10日 (木) 09:09

★zooeyさま

イザヤ・ペンダサンの『日本人とユダヤ人』は読みましたが、もう何も覚えていません。少しは参考になるでしょうかね。
ベニスの商人もそうでしたね。
かと思うと、科学者をはじめとする学問分野に多くの学者を輩出し、ロスチャイルド家のようは裕福な銀行家などお金持ちが多いという印象の民族です。
ヨーロッパでは、いたる所にゲットーを見に行きました。また耳の下に毛髪をくるくる巻きにしたラビの姿を見たりして、ユダヤ人の特殊性についての秘密がずっと知りたかったです。全部は知り得ませんがまだまだ興味深く見て行こうと思います。

三溪園は建物も味わい深いです。機会が出来ましたらいろいろ見てきてくださいませ。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2015年9月10日 (木) 13:10

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