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2015年9月10日 (木)

ボルドー展

国立西洋美術館でやっている「ボルドー展ー美と陶酔の都へー」に行ってきました。

2009年にボルドーに泊まって半日観光した所ですが、それほど印象に残った観光名所はありませんでした。
フランス南西部のビスケー湾から地図で見ると、驚くほどに奥深く入った港町で、ガロンヌ河の流れに沿って三日月の形に発展したので「月の港ボルドー」として歴史地区とともに世界遺産に登録されていた所だったのです。

                                        ガロンヌ河(2009年)450x338
本展覧会はボルドーが誇る6つの文化施設からのコレクション204点を、先史時代から現代にいたるまでの数万年におよぶスケールで展示とのことです。

プロローグの25000年前ごろの「角を持つヴィーナス」はマルタ島のと同じように女性の特にお腹が大きくて、多産をイメージしたヴィーナスとなっています。ボルドーの近くにはラスコーを始めとする旧石器時代の洞窟群があるのです。

                     角を持つヴィーナス3_600x332_235x278

<Ⅰ古代のボルドー>では博物館からの、矛槍に始まって、小像、化粧道具、ワイン用アンフォラなど展示されている。もう古くからワイン製造とそれを輸出していたことが伺われる。
        ボルドーワインの産地、近くのサンテミリオンワイン蔵(2009年)450x338_2
<Ⅱ中世から近世>にはモンテーニュの肖像画やイタリアのベルニーニ作の胸像などが出てくる。これは素晴らしい。
ボルドーは文学思想界の偉大な「3M」を輩出している。彼らのノートなどが見られる。
「モンテーニュ」16世紀 哲学者、『随想録』
「モンテスキュー」18世紀 『法の精神』
「モーリャック」20世紀ノーベル文学賞授賞

<Ⅲ18世紀>では工芸品や磁器の他、ちらしに掲げられた、ボルドー港を描いた、ピエール・ラクール等の絵画が並ぶ。600x565
<Ⅳフランス革命からロマン主義>
19世紀、ボルドーは海運業が衰退したが、ナポレオンの時代の1801年にボルドー美術館が設立され、町の美術活動に新たな展開を促します
ゴヤがスペインから逃れてこの地で永眠したので「闘牛」など数枚の絵が残る。この頃私は知らないがたくさんの画家が輩出したようでそれぞれに見応えありです。

またドラクロワの「ライオン狩り」が町の宝としてボルドー美術館に所蔵される。・・ドラクロワは父親がジロンド県知事を務めた関係でボルドーで幼年期を過ごし、街には今も父と兄の墓が残る。この作品は1855年のパリ万博のために政府の注文で制作され、展覧会終了後、ボルドー美術館へ送られたのだそうです。
        
ライオン狩り(火災で画面上部を失ったが、ルドンが模写しているのでそれによって完全な構図がわかる)600x356
<Ⅴボルドーの肖像ー都市、芸術、ワイン>
ルドンの作品が並ぶ。幻想の世界を描き続けたルドンはボルドー生まれです。
その他ワインに関連する作品や資料が展示されます。

フランスの一つの町の歴史と芸術を紹介したちょっと変わった珍しい美術展でした。

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コメント

ボルドーってお酒しか知らなかったのですが、
この記事でいろいろ教わりました。

岐阜県美術館には、多くの作品が蒐集
されているルドンがここの出身であることを
知りました。多分日本では最も多く所蔵
されていると思います。

フランスもあちこち回られたのですね。

投稿: matsubara | 2015年9月10日 (木) 18:33

★matsubaraさま

本当にボルドーと言えば、美味しいワインというイメージでしか思い浮かびませんでした。
3Mにはビックリです。世界史に出てくる方々ですね。
ルドン展も見に行っていますが、ボルドー出身だなんて何も注意していませんでした。
美術館には行きませんでしたがたくさん絵画があるようですね。
フランスは時計回りに西側と東側、そしてパリの近郊一周をし、パリだけ別に行ったので4回にわたりました。

投稿: tona | 2015年9月10日 (木) 19:18

こんばんは
 
私の中でボルドーというとワインのイメージですが、古くから
さまざまなものや人物が生まれた土地柄だったのですね。
古くはラスコーの洞窟画もその近くだったとは。
そしてこの展覧会は、先史時代から現代までの数万年の歴史を
たどるという(芸術中心に?)のが面白いですね。
美と陶酔の都へ という副題がなんとなく分かる気がしました。

投稿: ポージィ | 2015年9月10日 (木) 20:46

tonaさま
ご無沙汰しました。
たしかボルドーは英国領だったことがあるように記憶していますが如何でしょうか。

投稿: evergrn | 2015年9月11日 (金) 06:20

★ポージィさま

晴れ間が見えましたが、いわし雲のような秋の雲が浮かんでいます。鬼怒川決壊で被災された方々がお気の毒です。

美と陶酔、陶酔の方ばかりの認識でしたが、人間揺籃の地でもあったと。そして芸術家も輩出し、素敵な年が築かれたと認識新たにしました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2015年9月11日 (金) 08:32

★evergrnさま

おはようございます。青空を仰いで久しぶりの爽やかな朝を迎えました。

そのことが展示の中に書いてありました。
アキテーヌの公女エリアノールが後のイングランド王となるヘンリー2世と結婚したので、12世紀から15世紀までイングランドの支配下に入ったそうですね。1453年敗退だそうです。

投稿: tona | 2015年9月11日 (金) 08:37

今朝は横揺れの大きな地震でした、怖かったですね。

フランスはまだ見ぬ国。tonaさんは何度か行かれたのですね。
ボルドーはワインで知るだけですが、その背景は面白いですね。
ちなみにボルドーに限らず、ワイン好きです。
詳しくご覧になって、造詣が深くなりましたね。

投稿: だんだん | 2015年9月12日 (土) 12:42

★だんだんさま

震度5弱は怖かったです。人形などが倒れました。
そう、だんだんさんは昭和記念公園のフェスティバルで美味しそうにビールを飲んだ後、国たちに戻ってもしかしてワインをお飲みになったのでしたっけ。
ボルドーのワインは渋いですが、フランス東側のアルザス地方から南へのワイン街道のワインは美味しかったです。殆ど毎日昼・夜と試飲していました。
ボルドーはワインだけでなく芸術家の町でもあったことに気付かされ、いかに旅行中ぼーと見学していたかを思い知らされました。

投稿: tona | 2015年9月12日 (土) 16:26

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