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2015年9月 3日 (木)

反ユダヤ思想の形成(なぜ嫌われたか)

大澤武男著『ユダヤ人とローマ帝国』
ユダヤ人(ヘブライ人、イスラエル人)はなぜ昔から嫌われ、移住先のパレスチナを追われ、ディアラスポラユダヤとして(ユダヤの民としてのさまざまな場所へと移り住んだユダヤ人とその子孫の共同体をさす)亡国と放浪の民として生き続けてきたのか?ちなみにローマ時代の統計によると、ユダヤ人は多産だったそうだ。800万人で帝国の10%をしめていた。
著書から抜粋させていただくと、

簡単に言えば、他に同化せず、自らの伝統、習慣、信仰を守り通そうとする民だったから。
ユダヤ人はヤハヴェ神を唯一絶対の神とする独自宗教と、それに基づく立法の厳格な遵守、そして強固な選民意識ゆえ他民族と相容れず、それゆえ、誤解や理解不足も手伝って、古代ローマ社会において、しばしば反感や嫌悪感の対象とされ、非難、攻撃を受けてきた。
またユダヤ民族が割礼を受けていない者とともに生きることを極度に嫌い、それを避けるということ。割礼を施すことが、逆にギリシャ、ローマを始めとする民族に嫌悪感をもたらした。ギリシャ人はそれだけでなく、ユダヤ人の閉鎖性を手厳しく非難し、その反感と憎しみはローマ人とは全然異にしていた。

こうした内部要因に加え、ローマ帝政期になるとユダヤ人は反乱や蜂起を繰り返したために、向う見ずな民、頑固で妥協性のない民族という、政治的な外部要因としての反ユダヤ思想が重なり、新たな反ユダヤ人観が生まれる。そして、キリスト教の登場で、ユダヤ人には「キリスト殺し」という烙印が押される。これ以来、キリスト教的反ユダヤ思想が中世、近代、現代まで続くことになる。20世紀にナチよってなされた想像を絶するユダヤ人の悲劇は、まだまだ記憶に新しい。

バビロン捕囚を経て、ユダヤ人を根絶させようという思想がヘレニズム時代にも皆殺し計画となって実行されようとしたがこれには勝利した。その後パレスチナのユダ王国も滅び、亡国の民となったが、シオニズム運動を経て、1948年にパレスチナの地に建国、新たにパレスチナ人やアラブ諸国と間にパレスチナ問題を抱えることになった。

ユダヤ人は21世紀の今も戒律が厳しく、他に同化しようとしないのか。アメリカに住むユダヤ人はどうなのか。イスラエルのあの凄さは宗教に起因してるのか、などいろいろ疑問が湧いてくる。

婿さんが京都出張で買ってきてくれた土産物。
「おたべ」より小さくてかわいい「こたべ」
すぐき漬けとちりめん山椒は、夏のご飯のおとも。食欲増大です。しば漬けを買うと野菜が必ず中国産ですが、このすぐき漬けは国産でした。
その数日前は小田原の鈴廣の面白い蒲鉾を買ってきてくれたところでした。
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コメント

こんにちは
 
人間は、ともすると自分が所属している集団と異なる価値観や
文化慣習などを、受け入れたくない排除したいという思いが
働くものなのでしょうか。集団に限らず個人対個人でもありますね。
ユダヤ対反ユダヤ とか キリスト教対イスラム教とか、
民族の対立とか、そんなようなものが人類の歴史には山のように…
個人対個人なり、民族対民族、国対国、いずれでも、自己主張
するばかりでなく、他者を認め理解する努力を、双方・お互いが
することの大切さが見えてくる気がします。
そんなことは長い歴史の中でさんざん学んできているはずなのに、
いまだになかなか出来ないのですね。
これだけグローバルな世界になったら、それぞれが柔軟性を
持たなくてはやっていけないように思いますけれど。
あ、グローバル化を嫌悪する人々もいるのでしたね。あぁ難しい…

投稿: ポージィ | 2015年9月 3日 (木) 10:25

★ポージィさま

民族の争いも凄いですが、宗教の対立は大変な戦争をたくさん興してきました。
古代におけるユダヤ人のあまりにも選ばれた選民意識は強く、儀式のみならず、食べ物まで細かい規則があって、しかも絶対の安息日は、どんな国に属しようと絶対に崩さず、その日の大切な国家的行事にさえ出て協力しないという、片側から見れば、こんな身勝手な人々は国家の中に納まらないわけです。一番嫌われたのが割礼だったそうで、欧州人はすごっく嫌いました。今でも割礼なんてやっているのでしょうか。いろいろな利がユダヤ人にはあると書いてありましたが。
一面住んでいた土地を突然奪い、、国家を作ってしまったイスラエル人、ガザ地区などに追いやられたパレスチナ人こそやり場のない思いで争わらずを得ない面もありかと。
しかしイスラム教のなんとも理解しがたい教えの数々も耳にし、お互いの今の争いはとても恐怖感がつのります。パルミラの遺跡も遂に壊されてしまって涙ですね。アラブ諸国に囲まれているイスラエル人の孤軍奮闘は正当化できない部分もあるものの、その強さはどこから来るのか?この問題と考え合わせて見守っていきたい話題です。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2015年9月 3日 (木) 11:17

ユダヤ人のことは、私個人のイメージとしては
やはり、イエスキリストを処刑した民族で
よい印象とは言えません。
知り合いはないし、無責任ですが、知り合い
たくもないです。
全世界を放浪しなければならなくなったのも
そんなことをした戒めのような気がします。

でも6000年もアラブとイスラエルが歪みあって
いるのも悲しいことですね。

これだけの年月が経っているのですから
簡単には和解できないと思います。

ノーベル賞受賞者も多いし、著名な音楽家も
そうですからユダヤは優秀な民族なのでしょうね。

いつもご親族からのおみやげがあって
よろしいですね。

投稿: matsubara | 2015年9月 4日 (金) 20:04

★matsubaraさま

ありがとうございます。
『アンネ・フランクの日記』やフランクルの『夜と霧』を読んだ頃はユダヤ人について詳しく知らないで、ただただ気の毒な民族と思っていました。でもそれなりの理由を知ってなるほどです。
アウシュヴィッツ見学や今回のリトアニアの杉原千畝の仕事部屋を見まして、知りたかった何故かを深く知ることが出来ました。

全く紛争は周りまで巻き込んで凄いですね。

ユダヤ人の優秀なのも不思議だし、その蓄財能力も優れ、アメリカはそれがゆえにイスラエルをずっと支持してきました。某国が台頭してアメリカも弱くなってきたという印象ですが、トランプ氏が言いたい放題で、それを支持する人はうっぷん晴らしのようだと感じたりしています。話がそれてすみません。

投稿: tona | 2015年9月 4日 (金) 20:25

 民族と宗教。その違いによる対立は根深い。
おそらく、よっぽどのことがなけれれば、妥協することはないでしょう。

 ネルソン・マンデラ大統領によって、アパルトヘイトの撤廃が実施され,
表面上は差別はないように見えても、アメリカでは、なんとなく人種差別を匂わせるせるような事件も起きています。
 イスラエル・パレスチナ問題にしても同じ。いくら和平交渉が行われても
所詮は水と油の関係、治まることはないでしょう。

ユダヤ民族は、自らの伝統、習慣、信仰を守り通そうとし、 他に同化しようとしなければ、どこに行っても孤立するでしょう。そして争いは絶えないでしょう。
人間社会はある程度の妥協で成立する。

 今年2月の曽野綾子氏の産経新聞のコラムで、
「人間は、事業も、研究も、運動も何もかも一緒にやれる。しかし居住だけは別にしたほうがいい」
と書き、アパルトヘイトを肯定してるようにも読めるということで、論議を呼んでいる。

 多民族国家であれば、必ず民族と宗教の違いから紛争が起こる可能性は秘めている。

投稿: 夢閑人 | 2015年9月 5日 (土) 13:59

★夢閑人さま

日本ではほとんど考えられない民族と主教の争いは、こんなに戦争が終わらないほど分かり合えないものなのですね。

人種差別の問題も根深いものがありますね。アメリカだけでなく、ヨーロッパも入ってきた難民に対して差別の問題でテロまがいのことが起きて悲惨ですね。
日本は難民に対して冷たいと言われるけれども、もし緩めていたらヨーロッパと同じ悲劇を招くから審査は厳しくていいと思います。
それにしてもわが町もアジア人だらけ、電車でもJR主要駅でも随分外国人を見かけます。言葉を聞いて初めて外国人とわかりますが、かなりの数の人がどのようなきっかけか、いることに驚くこの頃です。

曽野氏もはきはきものを言い、なかなか良い発言をして、甘い考えに釘を刺されますが、ときには論議を読んでいますね。
多民族国家はもう大変な問題を抱えてとても大変だと思います。

ユダヤ人の態度は根本的には変わらないのですね。考えられないような寛容とは反対の宗教2つ、まことに困ったものです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2015年9月 5日 (土) 19:24

黒死病、マラリア、何だったかなあ、病気を伝染させると言われた時代・国もあったような気がします。
嫌われる原因というよりも嫌われていたからそういうことが言われたのかもしれないです。

投稿: 佐平次 | 2015年9月 6日 (日) 10:15

★佐平次さま

嫌われているとあらぬことまで言われるのですね。
いじめに遭う子も同じでしょうか。魔女も。
延々と何千年も続くとは。途中でちょっと宗旨替えをしようと言い出した人もいないユダヤ人なのですね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2015年9月 6日 (日) 11:00

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