« 晩秋の渋沢丘陵(秦野~渋沢) | トップページ | 鎌倉4・材木座の寺社(2)と鶴岡八幡宮摂末社・境外末社 »

2015年11月26日 (木)

白崎修一著『中年ドクター宇宙飛行士受験奮戦記』(白崎修一著)

宇宙に行った日本人飛行士10人、未飛行3人。2人(秋山、菊池)はソビエト連邦の宇宙飛行士。それに比べてアメリカではもう200人以上が宇宙へ飛行している。語学だけはわざわざクリアしなくても良いわけだがそれにしてもその人数に驚く。
宇宙飛行士といえば、頭がよく英語堪能だけでなく、健康で体力あり、精神力強靭、ロボットアームを操作できるなど超・器用なことなど抜群の才能を持った人を想像する。
どのような試験を受けて合格するのか、興味があったが、ブログ友のzooeyさんがこの本を紹介して下さり、よくわかりました。zooeyさんありがとうございました。

著者白崎氏がこの試験にチャレンジしたのは39歳の時で平成10年(1998)の第4回の募集のときだ。ちなみにこの試験で合格したのが古川聡、星出彰彦、角野直子の3氏だ。
865人の応募者がいた。応募資格は理科系大学卒業以上の学歴、自然科学系の研究に3年以上の経験あり。英語試験を含む書類選抜で195人になる。

一次選抜試験 2日間。一次医学検査と一般教養、基礎的専門知識、心理適性の筆記試験。一般教養は例えば「もののけ姫の観客動員数は何位?」ですって。合格者は54人(うち3名辞退)

二次選抜試験 1週間。主に医学検査と面接。頭のてっぺんから爪先まで、皮膚の上からハラワタの中まで徹底的に調べられる。一度でも手術を受けたことがあったらダメ。内科・外科・眼科などいろいろな科の診察のみならず、臨床、機能、超音波や内視鏡、24時間畜尿、体力等の検査や精神科面接。
複数の国の生活習慣や信条などが違う宇宙飛行士同志が、狭い宇宙ステーションの中で共同生活を行うため、協調性、思いやり、柔軟さなどが求められるから精神心理学的に調べられるわけで、この時点で合格者は8人となる。先般、若田さんが船長になって「和の心、ハーモニー」を信念に努めたわけで、皆から絶大なる信頼と支持を受けた。

三次選抜試験 筑波とヒューストンで17日間
筑波での閉鎖設備に1週間缶詰状態になって受けた試験は、例えば144ピースの真っ白なジグゾーパズルを3時間かける。誰も完成せず。ワープロ練習では2時間かけて脈絡のないアルファベットを打ちこんでいく試験。みちのくの三泊四日の旅を時刻表と観光ガイドブックで7万円の予算で計画を立てるという問題も著者は時間内に出来ず。チームで性能を持ったロボット制作。宇宙酔い対策の回転いす。お絵かき試験など多岐にわたって大変なものだ。
ヒューストンではいろいろな施設に行って、無重力疑似体験したり、国際宇宙ステーションモジュール内体験やNASA宇宙飛行士の面接、各種パーティーに臨み、日本に帰ってさらに2つの面接試験でやっと終わり。3人の合格で、ここまで1年もかかっている。
いやはや凄い試験の連続で、合格した宇宙飛行士の面々って兎に角凄い人ばかりなのですね。

最近河野議員が、無駄な出費をやめるためそろそろ宇宙への挑戦をやめていいのでは、と言ったのが印象に残ります。もっともっとくだらない無駄遣いもあり、改善されないのがはがゆいのですが。

380x285
380x285_2
380x285_3
380x285_4
380x285_5
380x285_6

|

« 晩秋の渋沢丘陵(秦野~渋沢) | トップページ | 鎌倉4・材木座の寺社(2)と鶴岡八幡宮摂末社・境外末社 »

コメント

早速お読みになられたのですね。
こんなマイナーな本、実際に手に取る人は中々いないでしょうに
共感して下さって嬉しく思います。

宇宙飛行士になるにはこんなにも大変なのかと
私も驚きました。
特に3次試験なんて、殆どイジメみたいなものですよね。
それらに耐えぬいた人があの名誉を勝ち取るんですよねえ!

投稿: zooey | 2015年11月26日 (木) 20:55

★zooeyさま

お断りもしないで名前を書いて失礼しました。
とても面白かったです。
3次試験が特にこんなのあり!と興味深く読みました。山崎直子さんが真剣に取り組んでいる姿も思い描きました。女性が彼女だったとは。
あの頭のよさそうな彼女がこんな試験を受けて良い成績を取ったのですね。
向井千秋さんはロケット発祥の地元・国分寺で講演を聞くことが出来て、これこそ素晴らしい女性と身近に見て思ったものです。
向井さんのご主人が書いていましたが、向井さんは1,2と数えているうちに寝てしまう特技の持ち主だそうです。つまりワン・睡眠です。その点も大した人物なのですね。
面白い本のご紹介ありがとうございました。

投稿: tona | 2015年11月26日 (木) 21:12

とにかく宇宙飛行士になるには大変な試験と時間、経費がかかることはある程度
知っていましたが、更によくわかりました。
 学問的知識は勿論、体力、精神力、忍耐力、協調性、とっさの判断力などあげれば
きりのないくらい諸々のことが要求され、それをパスしなければなれない。
大変な難関だと解りました。素人から考えればまさに超人です。
途中でリタイヤする人が多いこともわかります。
 たとえパスしてもすべての人が宇宙に行けるとは限らない。
宇宙はまだまだ未知数なことが多い。それだけ宇宙は何が起こるかわからない空間だと言うこと。
命もかかっている。失敗すれば永久に宇宙のゴミとなる。

 最初の頃は、アメリカとソ連が国の威信をかけて宇宙事業を競っていた。
ただそれだけで莫大な経費と、時間をかけることは無駄な気がした。
アメリカの人間月着陸で、アメリカが一歩先んじた感じはあったが、スペースシャトル
の2回の打ち上げ事故で、アメリカもしばらくは自粛した。

 ペンシルロケットの打ち上げから始まった日本の宇宙開発も、今や打ち上げロケットの
進歩で肩を並べられる段階にまでになった。気象衛星、通信衛星などはたくさんの恩恵を
被っている。
 今は地球以外の天体への着陸、調査を目的とした衛星の打ち上げが行われている。
それが今すぐ人類の役に立つわけでもなく、河野議員の言う無駄もわからないことはない。

 今、与党自公の間で軽減税率のことでもめてるけど、この前のTVで見たけど、低所得者
へのための軽減税率といううがその目的になってないとの批判もある。
消費税アップも、増え続ける社会保障のため必要とは思うが、それより前に省くべき無駄を
無くしてほしいと河野大臣に望む。

投稿: 夢閑人 | 2015年11月27日 (金) 16:03

★夢閑人さま

医者や弁護士、会計士、国家一級公務員など難しい試験はたくさんありますが、宇宙飛行士は精神面、心理面、健康、体力など要求され、ペーパーテストだけ優秀でもダメなのですね。
試験の種類が多いこと、また期間も長いことにも驚きます。
そして受かれば、この後の訓練が何年単位で続くのですね。
ロケットの打ち上げは気象衛星、通信衛星などで随分私たちは恩恵を受けているのですね。
最初の頃の宇宙事業のアメリカとソ連の競争などの歴史を忘れていまして、書いていただきよくわかりました。
月や火星など他の天体へという、SFの世界のような開発の話は、果たしてやる価値はあるのか?中国などが月等の資源を狙っているという話も聞きました。
河野議員の活躍に少し期待したいですね。
コメントありがとうございました。

投稿: tona | 2015年11月27日 (金) 16:54

こんばんは
 
宇宙飛行士の訓練については、TV等で少しばかり垣間見ていましたが、
宇宙飛行士の選考試験については何も知りませんでした。
こちらも相当大変なのですね!
知力気力体力性格まで実に多岐に渡る資質が求められる…すごいです。
不合格になった方たちは抜け殻になりそう。
訓練もこれまで思っていたよりもさらに過酷で厳しいと改めて知りました。

それでも、宇宙絵の関心と夢を持ち続けている人々・子供たちがいますね。
ただ、宇宙関連には莫大な費用がかかっているのも事実。
河野さんが言ったように、どういうことに貢献して繋がっている(いく)のかを
国民に向けてもっと発信していくことは大事だろうなと思います。
先日は、初めて民間の商業衛星打ち上げに成功し、今後が期待
されていますね。

投稿: ポージィ | 2015年11月27日 (金) 20:32

前から宇宙飛行士になる為の試験って、どんなのかしら・・・
と思っていましたが、この記事を読んだだけで溜息が出ます。
最終結果が出るまでに1年間、そんなに永い試験があった事に驚きです。

試験に対しての疑問は消えましたが、こんな試験を受けようとする人は
普段から行動も違うのでしょうね。


投稿: ラッシーママ | 2015年11月27日 (金) 20:58

★ポージィさま

こんばんは。
お忙しいのにコメントいただきありがとうございます。

宇宙飛行士の試験の期間が長いのも驚きますが、合格してからの訓練がまた大変なのですね。
この白崎さんは最後の8人の中の一人、落ちた5人は本当にがっくりだったでしょうね。厳しい試験だったのですから。
苦しい訓練の後のミッションは、現在はあんな無重力に狭い空間に半年も為さねばならず、寝るのも、食べるのも、トイレもなかなか大変のようで、飛行機の中の12時間も耐えがたい私は半年は気が狂いそうです。
若田さんは5回くらい行っていて、最近は船長までされて、飛行士のエキスパートですね。
油井さんと同期合格者、大西、金井さんも宇宙へ行く予定が入っているので、実行されれば、日本人飛行士は全員ですね。ソ連の菊池さんは手術をされたとかで行ってないようです。
日系の方が一人チャレンジャー号事故で亡くなっているのが痛ましいです。
ロケット打ち上げも日本はやっと商業衛星打ち上げにこぎつけて成功して良かったです。
おっしゃるようにこの辺で、宇宙ステーションの仕事がどのようにこれから、出費する莫大な費用に見合う貢献があるのか、発信してほしいです。
スポーツもそうですが、日本って何でも首を突っ込んでいくのですね。頼もしいやら、無駄もあるような、複雑な気持ちになることがあります。

投稿: tona | 2015年11月27日 (金) 21:05

★ラッシーママさま

宇宙飛行士さんたち、毛利さんから始まって8人の方が宇宙に飛び立っていく姿を見たわけですがその前のインタビューを拝見すると、みなさん素晴らしい方たちです。お顔からも情熱のかたまりのオーラがにじみ出ています。
さすが過酷な試験に通った方たちですね。
宇宙ステーションに長期滞在しても、病気もせず、和やかに仕事をこなし、楽しんでなさっているように見えます。
野口さんは私が住んでいた茅ヶ崎で同郷の方、小学校の時からもう目標に向かって頑張っていたようですね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2015年11月27日 (金) 21:14

zooeyさんの記事を思い出します。
この基準は世界共通なのでしょうか~
それとも日本独自のものなのでしょうか~

そこのところが気にかかります。

投稿: matsubara | 2015年11月29日 (日) 09:36

★matsubaraさま

ソビエト連邦で秋山、菊池両飛行士が受験したときは、体に手術のあとがあるのはダメということはなかったということはどこかで読みました。菊池さんは副鼻腔炎の手術をしないと宇宙へ行かれませんということで、結局行かなかったようです。
アメリカの人数が圧倒的に多いですが、基準は違うはずですね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2015年11月29日 (日) 16:02

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/146506/62754362

この記事へのトラックバック一覧です: 白崎修一著『中年ドクター宇宙飛行士受験奮戦記』(白崎修一著):

« 晩秋の渋沢丘陵(秦野~渋沢) | トップページ | 鎌倉4・材木座の寺社(2)と鶴岡八幡宮摂末社・境外末社 »