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2016年1月21日 (木)

阿刀田高著『ものがたり風土記』

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阿刀田高著『ものがたり風土記』は、日本各地に古代から伝わる様々な物語の謎と魅力を解き明かしていくので、実に面白い。
その中でも、硫黄島の話は全く知らず、とても興味深かった。

黄島島(いおうとう)アメリカ軍にやられて玉砕したところ。
硫黄島(いおうじま)は昔は鬼界ヶ島(きかいがしま)と呼ばれていて、薩摩半島の鼻先にある。俊寛が流された島である。
奄美大島の東30㎞にある喜界島(きかいじま)は名前が似ているけれども違う。何だかややこしい。

平家一門の専横に反発した勢力が平家討伐の謀略をめぐらした。俊寛の山荘があった鹿ケ谷である。密告され俊寛ら3人は鬼界ヶ島に流され、後の二人は大赦があり赦免されるが、俊寛は一人この地で37才で亡くなる。
何とこの島には、壇ノ浦で没したはずの安徳天皇の墓があるそうなのである。その上、その后、その皇子の親王など十数個の墓石があるそうなのだ。帝の血筋は延々と今日まで続き、長浜天皇と称され、現在(2000年当時)は第35代だそうで、島では今でもこの一族を「天皇さん」と呼ぶ習慣が残っている。
このほかにも全国各地に安徳天皇陵墓と伝えられるものが存在するらしい。
平家落人伝説も日本全国にあるが、豊臣秀頼の薩摩潜伏説もあるそうだ。
そして私も読んで突拍子もないと思ったのが、高木彬光著『成吉思汗の秘密』で書かれた義経が成吉思汗になったというとんでもない伝説である。
悲劇の主人公を死なしたくない日本人の心が生んだのだが、安徳天皇の一族の墓が十数個もあって案内板にしっかり書かれているというのがほほえましくさえなる。

友人にいただいたもの。骨が殆ど感じられない食感でカルシウムがたくさん摂れそうに思える逸品。秋刀魚、金目鯛、鯵、ホッケなど。温めるだけで尾を残して全部美味しくいただきました。

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コメント

聖遺物の伝説みたいなものでしょうか。
高木彬光のミステリ、なつかしいな。
「わが一高時代の犯罪」とかいうのは、労働法学者の石川吉右衛門・当時一高生が出てくるのです。亡き叔父も彼らと同級?だったとかで酒を呑みながら聞いたことがあります。
舞台も駒場の時計台なのです。

投稿: 佐平次 | 2016年1月21日 (木) 10:31

若い頃は歴史などに全く興味が湧きませんでしたが
歳をとってくると、日本の歴史に興味が出て来るのが不思議です。

俊寛が島に流されたのは知ってましたが、その流された島が鬼界ヶ島とは知りませんでした。
歌舞伎で亡くなられた中村勘三郎さんが、この俊寛を演じていて
私も歌舞伎座で観ましたが、観てて泣けました。

安徳天皇の血筋が今も、この鬼界ヶ島で35代も続いてるのですか。
それも長浜天皇と呼ばれて・・・面白いですね。

アメリカ軍にやられて玉砕した島も硫黄島と書きますね。
ややこしいです。

友達から戴いた「骨まで食べられる焼き魚」
全部食べられるというのが嬉しいですね。

昨日、tonaさんが紹介してた『消えた声が、その名を呼ぶ』を観て来ました。
これからブログを書こうと思ってますが、tonaさんの記事をリンクさせて貰います。
勝手にリンクさせて貰う事、お許し下さい。

投稿: ラッシーママ | 2016年1月21日 (木) 11:52

★佐平次さま

聖遺物の伝説、そうですね。たくさんあるものですね。

「わが一高時代の犯罪」読んだか忘れました。
神津恭介探偵ものが好きで連続して読み過ぎ、何が何だかわからくなっています。
東大駒場の一二郎池を「蝶展」とともに見に行きましたが、その時初めて時計台を見ました。
石川吉右衛門氏は夫が習ったそうですが、背が高くて格好良い先生だったそうです。神津恭介のモデルでしょうか。
もう1度読みたいです。

投稿: tona | 2016年1月21日 (木) 16:06

★ラッシーママさま

その通り、歴史に興味が湧いてきましたね。
歌舞伎で「俊寛」をご覧になったとは素晴らしいですね!

安徳天皇のお墓が俊寛と同じ島にあるそうで、本でお墓の写真を見ました。
これらの島、ややこしいですがこの本のお陰ではっきりわかりました。

このお魚のお陰もあって早く骨が繋がったような気もします。

映画もうご覧になったのですね。リンクしていただけるそうで、ありがとうございます。
大した記事でないところが情けないですが。

『幻夜』面白かったです。一気読みでした。最後が以外で、さすが東野ミステリーですね。こちらもご紹介ありがとうございました。

投稿: tona | 2016年1月21日 (木) 16:15

こんにちは
 
阿刀田高氏の本は十数年前に一時はまって何冊か読んでいたことが
ありますが、こちらの本は知りませんでした。なにやら面白そうです。
日本各地に伝わる物語・言い伝えには興味深いものがたくさんありますね。
人々の「想い」が生んだものも少なくないのかもしれませんね。
硫黄島・鬼界ヶ島と呼ばれる島が鹿児島にあって、
安徳天皇の子孫が連綿と35代まで続いてきたとはなんともファンタジーな。
でもお墓も当代も現存するのですね。
東京の皇居にお住まいの天皇のことはどのように思っているのでしょう。
とても興味深いです。
 
骨まで食べられる焼き魚。こちらも興味深いです。
骨まで食べられる煮魚(いわし)は食べたことありますが、焼き魚には
お目にかかったことありません。カルシウムがとれて、骨に煩わされず
食べられるのは魅力的です~

投稿: ポージィ | 2016年1月21日 (木) 16:44

★ポージィさま

私は阿刀田高氏の本は数冊しか読んでいなくて実に久しぶりでした。
日本昔話も好きですが、この本の中にもたくさんのお話が出てきます。地方によって人や動物が変わったり内容も微妙に変わったりしていますが、おっしゃるように人々の「想い」が詰まっていますね。

ホント、硫黄島の長島天皇さんは天皇家をどのように思われているか、考えても見ませんでした。ポージィさんは凄い!です。

よく鮭缶を買いますが、中にやわらかいですが崩れていない骨がある鮭缶があります。骨が太いです。
これらの魚の骨は無数にありますが全部骨と感じないくらいですよ。何とも不思議な食感です。カルシウムが豊富ですね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2016年1月21日 (木) 18:47

 硫黄島は私の親戚の人が硫黄島防衛の部隊にいて、たまたま島を離れていた時に、あの玉砕が
あったそうです。姉の葬儀の時に本人からその実情を聞きました。
あまり思い出したくない話です。
 
 義経が奥州平泉に逃れてから消え、あのジンギスカンになったという話は確かに聞きました。
壇ノ浦で亡くなった安徳天皇の墓が硫黄島にあるとか、その子孫が現存するとか全く知りませんでした。

 豊臣秀頼の薩摩藩潜伏説など聴いたこともありませんでした。
はっきりした記録が残っているわけでもなくその真実はわかりません。

平家の落人伝説もいろいろありますが、わが故郷にも、落人が暮らしたという遺跡は歴然と残っています。
またそういうう記録もあります。
 
 我が家の系図を発見し見たことがあります。祖先を辿っていくと「平」姓が出てきました。
平家の子孫とは聞いていましたが、どうやら事実みたいです。

 歴史とは奥深く面白いですね。時代劇も脚本家がいろいろ脚色して、事実に基づきながらも
面白おかしく見せてくれます。
ですからどれが真実かは別として、楽しませてくれます。
あまり深く追究しないほうが、いいかも知れません。日本神話も同じ。夢があっていいです。

投稿: 夢閑人 | 2016年1月22日 (金) 17:24

阿刀田高は読みましたね~でもこれは知らないです。
↑ママさんが書かれてますが。
歌舞伎座で俊寛を一緒に観劇しました。
鬼界ヶ島とは知らずでしたが、ひたひたと胸に迫るストーリーでしたね。
安徳天皇の墓に、ついには義経のジンギスハーン説やら!
判官びいきの民の想いが、そんな伝説を生んだのでしょうか。
小笠原・父島と南島へ行って知りましたが。
父島を拠点にして本土を攻撃する筈だった米軍。
硫黄島がより効果的で移動した為、父島は救われました。

投稿: だんだん | 2016年1月22日 (金) 17:54

硫黄島は、10年ほど前にクリント・イーストウッドによって映画化されています。
実に残酷な映画ですが…
食べるものがなくなって、ナメクジを集めて食べていたシーンがあったような。
何の補給もないのに、ひと月ほども頑張って玉砕したんですものねえ。
阿刀田高、昔、神話シリーズなど好きでした。

投稿: zooey | 2016年1月22日 (金) 18:54

★夢閑人さま

硫黄島は映画『硫黄島からの手紙』で島の兵隊の様子を知りました。
とても悲しい話。他の島々での玉砕もみなそうなのですね。
安徳天皇も豊臣秀頼の話も私もまったく初めてで驚きました。両方とも薩摩が関係してくるのですね。
薩摩にも平家の落人伝説があるのですか。
まあ、家系図で夢閑人さんは平家の子孫でしたか!
やはり全国の落人伝説は本当だったのですね。
いろいろな時代劇も、いろいろな資料によって書かれたのを脚色しているから、面白く見られるのですね。
奥が深いです。
こんな本もとても楽しく読めました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2016年1月22日 (金) 21:21

★だんだんさま

歌舞伎の「俊寛」をご覧になったのですね。私は写真だけで見たことがあります。
実際に鬼界ヶ島に行ってみたくなりました。
そうですね。判官びいきは義経を成吉思汗にしてしまいました。
判官びいきは頼朝の不人気にも通じていますね。
長い船での航海でしか行かれない小笠原諸島に行かれたのですか!
米軍のそんな事情があったなんて驚きました。教えてくださってありがとうございます。

投稿: tona | 2016年1月22日 (金) 21:28

★zooeyさま

私は『父親たちの星条旗』でしたか?は見ていなくて、『硫黄島からの手紙』を観ました。
本当に残酷なお話です。ナメクジだけで命をつないで玉砕とは。
阿刀田高は民話に精通されていますが、その前は神話だったのですか。
それは読んでいませんでした。
zoooeyさまは随分いろいろ読んでいらっしゃいますね!

投稿: tona | 2016年1月22日 (金) 21:33

鬼界ケ島のこと全然知りませんでした。
いろいろな伝説があるのですね。

もう一つ気になる伝説は、明智光秀の
子孫が坂本龍馬ではないかということです、
理由は桔梗の家紋が同じであることです。

骨まで食べられる干物ははじめて見ました。
からだによさそうですね。

投稿: matsubara | 2016年1月23日 (土) 09:44

★matsubaraさま

明智光秀の子孫が坂本龍馬ですか!
凄い伝説ですね。
義経の成吉思汗ほどではないですが。
光秀は生きていたという話は聞いたことがあります。
干物は販売者は静岡県の有限会社ですが、友人は秋葉原で買ったということでした。
いろいろな所で出回るといいですね。

投稿: tona | 2016年1月23日 (土) 16:10

「ものがたり風土記」面白そうですね。
「天皇さん」と呼ばれる一族がいるとは・・・
義経が成吉思汗ですか?いろんな伝説がある
のですね?
この本早速読んでみたいと思っています。

投稿: 茂彦 | 2016年1月23日 (土) 19:06

★茂彦さま

久しぶりに風土記なる本を読みました。
子供の頃読んでいましたが、大人向けのこの本、結構面白いです。
阿刀田高さんもいろいろな本を書かれていて興味を惹かれます。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2016年1月23日 (土) 20:48

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