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2016年7月11日 (月)

「江戸絵画への視線展」と「北斎漫画展」

山種美術館「江戸絵画への視点」 ー岩佐又兵衛から江戸琳派へー 開館50周年記念特別展

400x600近現代日本画専門の美術館ですが、今回は41点と規模が小さいけれども江戸絵画が展示された。今回4作品、撮影が許された。

今回展示の一番古い人が大和絵の土佐派・土佐光吉(1539~1613)。
大和絵」というのは平安時代の国風文化の時期に発達した日本的な絵画のことで、中国風の絵画「唐絵」(からえ)に対する呼称であり、土佐派などの流派に受け継がれる。
土佐派は14世紀南北朝期に始まり、室町時代の約200年にわたって朝廷の絵所として権勢を誇ったが、直系が絶え、織豊期からは狩野派が躍進した。しかし江戸時代に流派は再興され、江戸末期まで地位を維持したとのこと。

↓は伝・土佐光吉「松秋草図」です。右端には沢庵和尚の歌「暮れそむる 野辺のけしきは 春秋と わが家もふかき あかねなるらん」が記される

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岩佐又兵衛とは浮世絵の祖といわれ、名前は聞いたことがあるけれど、何と黒田官兵衛があんな目に遭わされ、織田信長に反逆を企て一族の殆どが惨殺された荒木村重の子だったのです。又兵衛2歳の時(1579年)で、乳母に救い出され、石山本願寺に保護される。成人した又兵衛は母方の岩佐を名乗り、信長の子・織田信雄に仕え、信雄改易後浪人となり京都で絵師として活動を始めたそうだ。
今回は「官女観菊図」(重要文化財)が展示されていたが、浮世絵の祖という感じではなく、大和絵風で源氏物語絵巻のような作風である。 202x460

琳派 俵屋宗達3作品、酒井抱一(1761~1858)6作品、酒井抱一の弟子・鈴木其一(1796~1858)の3作品が見どころ。

                  伝・俵屋宗達「槇楓図」460x307_2

              酒井抱一「秋草鶉図」(重要美術品)460x307_3

鈴木其一「四季花鳥図」 秋にサントリー美術館で鈴木其一展があるとのことで、琳派の流れを楽しみたい。460x307_2_2

ちらしの右側の絵が伊藤若冲の「伏見人形図」で見ていて楽しい絵だ。
その他、文人画の池大雅、谷文晁、田能村竹田などの絵もいい。
そして猿を描いた森狙仙の養子・森徹山のうさぎが可愛く上手い。
その他幕末の名前を知らない10人くらいの人の絵が並んでいました。

教科書でしか知らなかった絵の世界だったがこの10数年、暇に任せて、そして美術館の多い地域に住んでいるお蔭で、日本も江戸時代辺りから現代まで、世界でも次々とやってくる名画の数々、多くの画家の絵を見ることが出来、又ヨーロッパの都市では美術館に多く足を運んできたので、ほんの少しだけですが視野を広げることが出来た、とても幸せな環境に感謝しています。

お昼は「マトリョーシカ」でロシア料理。

                 はと麦と緑のサラダ、ボルシチ、460x307_4
つぼ焼き(海老とほうれん草の豆乳クリームソース)、それにロシア紅茶でした。460x307_5


午後行ったのが 太田美術館「北斎漫画展」~森羅万象のスケッチ~

460x307_7北斎の多彩な才能を7つのキーワードで紹介・・躍動、滑稽、生活、自然、動物、妖怪、建築
他に北斎の絵本を紹介している。(どのような絵を選んで解説しているかを楽しみに見に行ってみた)
北斎漫画は私も以前書いたように持っているので見ているのですが、絵の総ページ数は970、図版は4000点以上のこと。
上の7つの分類と別の見方で眺めれば、動物、妖怪、建築の他、植物、風景、天候などの自然現象、風俗、職業、市井の暮らしぶり、生活用具、日本・中国の歴史上の人物、故事、説話など描けるものを全部描きつくした感があって、江戸時代の生活もかなり多様化しいろいろなものを使って生活していたのだと、また故事来歴、昔の世界にも庶民までどっぷりと浸かって学び、妖怪や幽霊まで愉しんでいた様子も伝わってくるのです。

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コメント

こんにちは
 
昼食を挟んで2つの美術館へ行かれたのですね。
お料理もある意味アートのようなもの、アート尽くしの一日で
いらっしゃいましたね。
岩佐又兵衛という方、まるで知りませんでしたが、なんと
荒木村重の子だったとは。よくぞ助け出され絵の才能を花開かせたものです。
見せていただいた絵は、松の幹がどっしりと太く力強いですね。
このような絵からどう浮世絵へと繋がっていったものやら…
今回見せていただいた中では、酒井抱一氏の「秋草鶉図」が
いちばん好きだなぁと思いました。繊細さに惹かれました。
 

投稿: ポージィ | 2016年7月11日 (月) 17:20

この暑さの中を二カ所も巡られるとは
すばらしいです。

岩佐又兵衛の絵は、前に見たことがあり
10年以上たち場所は忘れましたが、印象に残り
歌に詠んだ覚えがあります。
でも、荒木村重の子とは知らなかったです。

山種美術館も太田美術館も24年も前に行き
遠い過去になりました。

ロシア料理は10年くらい前にロシアに行って以来
食していません。

投稿: matsubara | 2016年7月11日 (月) 17:48

精力的に、2館の美術巡りでしたか。
暑くても美術館は涼しくて、ゆっくり楽しまれたのではないでしょうか。
土佐派って高知県の(間違いかも?)
江戸絵画も、あまねく広まったんですね~
岩佐又兵衛、まさに九死に一生を得て大成したんですね!
墨絵があったとすれば、それの流れも汲んでるように見えます。
とても貴重なひと時、私も勉強させていただきました。

ロシアン料理は好きですよ♪
昔隣のテーブルで、器にキノコみたいなのを食べていました。
次にはそれを注文して、満足しました~

投稿: だんだん | 2016年7月11日 (月) 18:42

★ポージィさま

両美術館とも小さく作品数が少ないので、2つ行くことが出来ました。このところこういう技は出来なくなっていたところでした。
なるほど、お料理も芸術ですね!
私も岩佐又兵衛がまさかこんな運命を辿った人とは知りませんでした。
この人の作品はあちこち散らばっているそうで、まだこの人の展覧会は一度もないようです。たった1点しか見られず、もっと見てみたいです。
岩佐又兵衛の絵がチラシにありまして、アップしました。実はスキャナーが壊れて、今新しいのが使えるようになりました。
酒井抱一のこの絵は有名らしいです。ポージィさん、さすがお目が高いですね。
素晴らしい絵ですね。抱一が大名の子供だったというのが印象的ですし、琳派だということもです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2016年7月11日 (月) 19:11

★matsubaraさま

このところ、梯子ができなかったですが、今回は少ない展示でしたので、2つ回れました。

岩佐又兵衛の絵をすでにご覧になって、しかも歌に詠まれたとは素晴らしいです。
山種は途中で広尾の方へ引っ越しましたね。今年で50周年だそうです。

日本のロシア料理店は油濃くなく、美味しいです。時々行っています。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2016年7月11日 (月) 19:19

★だんだんさま

こんばんは。
この頃は体力なく一つで終わっていましたが、この日は腰が痛くならず、つまり展示が少なかったので2つも見る事ができて得したような気持ちです。
その通りです。歩くより暑いときは涼しい館内で過ごすのが一番ですね。
土佐派は自由党という政治団体もありましたが、絵の方は土佐という名前の画家からきているみたいです。
↑に岩佐又兵衛の絵をチラシからスキャンしたのを追加できましたのでご覧ください。

私はボルシチが好きです。
壺焼きですが、家でかなり前(15年以上も前)に作ってみました。こんなにきれいに出来ませんでした。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2016年7月11日 (月) 20:23

こんにちは。撮影できるのは有り難いですね。お陰で、私も行かずにこうして見ることができました。とても興味深いです。

投稿: 多摩NTの住人 | 2016年7月11日 (月) 21:07

★多摩NTの住人さま

こんばんは。
山種美術館では私が行った中で初めて撮影できました。
この間はサントリー美術館でも少し撮影出来て嬉しかったです。
そういえば、今はどうだかわかりませんが、ルーブル美術館は全部撮影OKでした。凄いことですね。
コメントいただき、こちらこそありがとうございました。

投稿: tona | 2016年7月11日 (月) 21:22

山種美術館、近いし手ごろな狭さ^^、また行きます。帰りは恵比寿ガーデンで映画かな。

投稿: 佐平次 | 2016年7月12日 (火) 10:38

★佐平次さま ありがとうございます。

そうです。あのくらいだと私の腰も持ちます。
恵比寿アトレでついついロシア料理になります。
映画いいですね!

投稿: tona | 2016年7月12日 (火) 10:46

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