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2016年11月 3日 (木)

高野山の天台声明

10/29に国立大劇場で比叡山、高野山の二大声明を一日二部公演があって、高野山の方だけを聴いてきました。
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声明は、その起源は遠く数千年前インドに発生したサーマ・ヴェーダに始まった、原始祈祷の表現の一つであった。
後のバラモン賛歌、ユダヤ教聖歌、キリスト教のグレゴリー聖教歌と仏教声明とはその起源は同じ頃と言われ、世界で最も古い伝統的音楽と言える。
楽譜もあって、三種五音、十二調子と言って、音階と旋法(西洋で言う長調・短調)と調子の3つの原理がある完成された音楽だそうだ。

飛鳥時代、日本に仏教が渡来すると同時に仏教儀式用の音楽も伴って伝来されたと想像される。
そうそう、この飛鳥時代に重なって、唐の玄奘三蔵が艱難辛苦の末インドへ行き、16年後に経典を携えて帰国したのだ。その時インドの修行中にその声明も持ち帰ったのかなあと想像をしてみた。

Kokurutugekizyou_380x285_2この舞台に導師をはじめ38人のお坊さんが並び、さらに吹螺師や裏方さんまで併せて50人の出演であった。




題名は「四箇法要と問答」で、四箇法要は顕教(仏教の中で、秘密にせず明らかに説かれた教えのこと。密教の反対語の儀礼)の儀礼で行われ、「唄」「散華」「梵音」「錫杖」の四曲の声明を聴いた。舞台幕の横に経文が出るが勿論理解できない。いろいろな仏様の名前が出てきた。
四箇法要は時間の都合上、仏名、教化、論議は略されているし、雅楽演奏、舞楽も演じられなかったがとても大規模なものである。
今までお寺の法要で行われるお経を今日は音楽として聴いたわけだが、遠く奈良時代、東大寺の大仏開眼供養会で声明が盛大に鳴り響いていたことを思うと感慨深い。
声明に浸っていると気持ちよく、途中でいつの間にかちょっと居眠りをしてしまっていた。┐( -"-)┌ヤレヤレ...

街道歩きの友人が仏教の勉強を大学通信教育をされていると聞いた。研修ではインドを旅行されたとか。この日だけでもたくさんの仏教用語が出てきて、奥深い仏教の世界の勉強はとても大変そうです。意味を知らないでお寺詣りをしていてもどうもね。西洋美術史の勉強と並行も出来ないけれども、ぼちぼちとでしょうか。

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「朝井閑右衛門展」練馬美術館

昨日行ってきたマイナーな美術展。しかし知らなかったのは私だけかも。この美術館は後期高齢者は区民でなくても無料なのです。太っ腹・練馬区。
名前から江戸時代に生きた人かと思ってしまったが、本名は浅井実(1901~1983)で昭和時代の画家だった。
横須賀や晩年は鎌倉にアトリエを持った人だが、若い頃練馬区に住んでいたので、この美術展が開かれた。455x650
戦前は光風会に所属し、チラシ「丘の上」と変わった絵が登場する。敗戦後は規制の画壇から距離を置き、新樹会を結成し、私には凄い絵としか思えない、一瞬「ルオー」を思わせる凄い厚塗りの絵に仰天させられる。
電線、薔薇、ガラス台鉢、ドン・キホーテ、道化、不動明王など同じモチーフを何度も繰り返し描く。800x372
晩年の由比ヶ浜のアトリエの様子がわかる写真がたくさんあるので分かったのですが、ここでこの人はかなりの変人だったことが伺えた。こだわりの人でもあって、庭や家を庭師や大工を毎日のように呼んで手を入れさせ、身の回りには古い人形を始めとする数々の置物に囲まれ過ごしていたようです。
ガーンと来るような画家でした。

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コメント

こんにちは
 
仏教観蓮の公演が開催されることがあるとは知りませんでした。
でも、たしかに、宗派によって色々ですが、お経が歌のようであったり、
鳴り物が入ったりと、芸術的要素があることに思い至りました。
子供のころから慣れ親しんだ浄土宗ではお葬式のときのお経では木魚や鈴以外に太鼓や鉦、シンバルみたいな楽器が
用いられますし、数年前初めて経験した浄土真宗のお葬式のお経は
完全に歌としか思えませんで、参列者も一緒に唱える(歌う)
というものでした。
いえいえ、これらを今回tonaさんが行っていらした公演と重ねるのは
違うと思いますが‥
高野山の声明といえば、以前TV番組の中でほんの少しだけ聞いた
覚えがあるような気がします。
原始祈祷の表現の一つであり、世界で最も古い伝統音楽なのですね。
お経を聞いていると眠くなるのは、内容が分からないからという
ことの他に、そういうもの故に潜在意識下で心地よさや安心感を
感じているからなのかもしれない、と思いました。
(眠くなることへのこじつけ言い訳かしら ^^;)
あ、tonaさんもついうとうととされたのですね smile
 
朝井閑右衛門という画家は全く知らない方でした。
変わった題材でさらりと描かれた絵もあれば、こてこてのバラの絵も
あったりと、様々な表現方法で描かれた方だったのですね。
晩年は由比ヶ浜にアトリエがあったのですね。行ったことのある由比ガ浜
ですが、私が神奈川県民になったのは、亡くなって数年後でした。

投稿: ポージィ | 2016年11月 3日 (木) 14:30

★ポージィさま

ありがとうございます。
私は曹洞宗と日蓮宗のお教しか聞いていませんが、音楽と感じたことがなかったのです。
私のあくまで不注意というか、認識不足です。
ポージィさんが浄土宗と浄土真宗のお葬式でお聞きになったお教はそうだったのですか。
この天台、真言の声明も雅楽演奏もあるそうですから、宗派による違いで同じ声明からきているでしょう。
この頃全然お葬式には列席したこともないですが、浄土真宗のを是非聞きたいところです。
こんな良いお話を聞いたのですから俄然興味が湧いてきました。
学生時代居眠りしたことがないのに、この頃数秒だと思うのですが、いい心持になって睡魔に襲われてしまいます。困ったことです。
声明から比べると、今の音楽は音程があちこち飛んだり、高低差が激しく、でも美しい音楽に酔いしれて古の人よりどれだけ楽しんでいるかという思いにも耽りました。

やはりポージィさんも朝井閑右衛門をご存じありませんでしたか。
描き方がいろいろでしたが、最後は数センチは盛り上がっているのではないかというくらいゴテゴテでした。日本人離れした題材もありましたし、同じ題材ばかりをいろいろ変えて、好きな絵ではありませんでしたが、その変わりぶりが面白かったです。

投稿: tona | 2016年11月 3日 (木) 16:34

お声明とはものすごくレベルの高い音楽を
正式に学ばれたのですね。素晴らしいです。

朝井閑右衛門のお名前だけは存じていたの
ですが、詳しくは分からなかったです。

投稿: matsubara | 2016年11月 3日 (木) 19:18

★matsubaraさま

残念だったのは比叡山天台声明と比較できなかったことです。高野山声明は男性的で、比叡山声明は女性的なのだそうです。体力的に無理だからでした。

朝井閑右衛門をご存知でしたか。
私は全く聞いたこともありませんでした。
行って良かったと思っています。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2016年11月 3日 (木) 19:28

声明のCD持ってます。
どこにやったかな、探して聞いてみよう。

投稿: 佐平次 | 2016年11月 4日 (金) 10:08

★佐平次さま ありがとうございます。

まあ、声明のCDがあるのですか。
どの派のでしょうね。
探して是非お聞きになってください。

投稿: tona | 2016年11月 4日 (金) 13:21

我が家は夫婦揃って全く信仰心が無いので、今回のtonaさんの記事は初めて聴く話しで勉強させて頂きました。

私は元々、美術に疎いのでtonaさんが知らない画家なら
私が朝井閑右衛門を知ってる筈が無いですね。
分からないながらも面白い絵ですね。

投稿: ラッシーママ | 2016年11月 7日 (月) 14:09

声明の起源も内容も、知ろうとしない者ですが・・・
数年前に、地元のホールで聴きましたが素晴らしかったですよ。
今年の春にも大宮の寺で3・11の追悼に行き、聴いてきました。
説明されても勉強不足で、早く声明聴きたいと思ってまして!
目を瞑ると、大地の震動を感じて心打たれますね。
その後ライブ演奏がありましたが、エレキギターやらドラムやらがうるさく思えてね。

昭和生まれの浅井実さんの雅号ですか! 
勘違いしそうですが、よほど気に入っていらっしゃるのでしょう。
濃い精神をお持ちですね。布団に包まってるのが、ご本人?

投稿: だんだん | 2016年11月 7日 (月) 14:20

★だんだんさま 

ありがとうございます。
そうでしたね。大宮のブログを拝見していまして、思い出していました。
やはりそのようにお感じになって、声楽をされていらっしゃるので耳が肥えていらっしゃると思いました。

そうです。アトリエで布団に包まれているのが閑右衛門さんです。
絵も随分特異ですが、由比ヶ浜の生活の写真から変人とわかりました。
一見頑固そうな感じですね。

投稿: tona | 2016年11月 7日 (月) 14:35

★ラッシーママさま ありがとうございます。

順序が後になって失礼しました。
というのもライブメールにコメントが入ったという知らせがあってそれを見てブログの方へ来るのですが、昨日からそのライブメールがおかしくなって、メールが入らなかったり、送れなかったりでてんてこ舞いしていたのです。
それでママさんからのコメントのメールが届いたという知らせが全くなく、ブログのここに気がつかないでいました。今、娘が知らせてくれたのです。
すみませんでした。

お教も長いと退屈なのですが、実は音楽だったのですね。
いつも展覧会の記事にコメントをお寄せくださりありがとうございます。

投稿: tona | 2016年11月 7日 (月) 18:43

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