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2018年3月19日 (月)

『インド人の秘密』パヴァン・K・ヴァルマ著

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シキミ  丁度お彼岸の頃に咲き、仏壇や墓に供えたりする。公園に咲いていました。

暖かくなるまでは家で読書も多く、行き当たりばったり読書です。

『インド人の秘密』パヴァン・K・ヴァルマ著

本の中からちょっと抜粋。
不屈の精神ーいつも最悪を覚悟
普通であれば絶望してしまいそうな環境の中で、希望を見出していることに、本当に驚きます。極貧民でも敗北を認めません。貧困を美化するつもりは一切ありませんが、インド人は平然と、事態が少し悪いくらいでは幸運だ、と最悪を覚悟しているのです。厳しい状況があまりに長く続いたので、不屈の精神が培われたのでしょう。耐久力が身についています。人生に障害はつき物と考え、すぐ落ち込んだりはしません。無頓着に冷静にことを処理していきます。デリーのオートリキシャ(三輪のタクシー)の後ろにこんな標語を見つけました。「起きるときは起きる!」

モンゴル、トルコ、ヨーロッパの支配力とは異なり、領土を拡張する目的で軍による征服をしようとしたことは1度もない。
カースト制度、男尊女卑、インド人の消極性。
一方、どんな悪環境の下でも金儲けに専念できる性格 権力の誇示、ステイタスの重要視、結果が良ければ手段を選ばず、何をやっても正当化、長いものには巻かれろ、人間関係に距離を置く、ごますり・お世辞、妬み、服従心と敵対心、派閥主義、政治家堕落、優れたIT関連頭脳・数学・天文学と占い術、製薬、迷信、汎インド人、インドに住むムスリムとはあまり問題を起さない。

人口13.2億人、混沌とした複雑な内面を持つインドはなかなか理解しがたく、一筋縄ではいきません。



『精霊の民 アボリジニ』白石理恵著 世界人類問題叢書8

ヨーロッパ人は探検家が大変な努力を重ねて、大海や砂漠やジャングルを越えて、訪れたことのない地に到達すると、その地を発見したと表現した。
オーストラリアの場合、アボリジニがその地に誕生あるいは移住してき、昔からそこで社会を形成し、それぞれの宗教や文化や思想を発展させてきた事実を侮り、その民族の業績と能力を無視しようとする。そして既存の海岸沿いの集落を崩壊し殺戮し、あるいは白人の持ってきた伝染病で死亡させ、白人が増えるにしたがって人口を支えられなくなり、さらに襲撃し砂漠の方へ追いやり、害虫と同じ駆除すべき対象とした。そのためアボリジニの文化は壊され、人口は極端に減少し、砂漠地でさらに困窮した生活を強いられたようである。
平均寿命は1993年と古い統計ではあるが、男性は50代、女性は60代と低く、乳幼児死亡率は60%以上と書いてあった。
白豪主義の政策のもと、アボリジニは進化過程が白人のレベルに達していないと信じ、他の人種に対して非人間的な行為を犯し易くなった。その結果、はかり知しれない数のアボリジニーが悲しみと悔しさと怒りに満ちた人生を送った。

アボリジニから驚くことは、芸術の位置づけ。美術も音楽も演劇でも、この人々は日常茶飯事的に芸術性を発揮する。みんな子どものときから歌い手であり、踊り手であり、詩人であり、絵描きであるようにそだっていくのだ。
現代の私たちにとり、芸術の才能とは運よく素養を持って生まれた人が努力を重ねて習得する特殊技能だ。そして成功すると「芸術家」としてスポットライトを浴びる。いったいいつから私たちはこのように、本来は誰でもが持っている、心で感じたり表現したりする能力を「才能」と呼ぶようになり、才能が「ある人」と「才能がない人」に分かれてしまったのであろうか。世の中が便利になった分、私たちの感性が退化してしまった気がする・・・と書いてあってはっとしました。






 

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コメント

実は我が家の墓地に父がシキミを植えていた
のですが、枯れてしまいました。
花は、地味でしたね。

インドからの留学生を知っていますが、
カーストの最高のところにいた子ですから
優雅でした。結婚式に2000人の招待客が
あったことを招かれた人から聞いています。
祖父は大学の学長で、父は眼科医
でした。とても美人でした。その人しか
知りませんので全体的なことが分かりません。
上位の人としか結婚しません。
相手はエリート銀行マンです。

友人がアボリジニと交流されていて、いでたちに
おどろきますが、しいたげられていたのですね。
半裸の写真は忘れられません。
よく豪州に行かれ、英語で交流されています。

投稿: matsubara | 2018年3月19日 (月) 16:06

こんにちは
 
シキミの花、爽やかな色が素敵ですよね。
以前近くの墓地に植えられていましたが、何年か前に
伐られてしまって、以来見られずにいます。
 
カオスとも思えるインド。人々は不屈の精神の持ち主が多いのですか。
不運に見舞われても悲観主義に走らずポジティブシンキング?
どんな時でも、今のこの現状に幸せを見出していくということかしら?
そういう考え方をできたら、誰もが幸せになれそうですね。
 
アボリジニと聞くと、真っ先に思い出すのはアボリジナルアートです。
オーストラリアへ行ったとき、お土産品をたくさん見ましたが、
素適なアートでおおいに心惹かれました。
それと、上橋菜穂子さん。作家でもあり文化人類学者でもある上橋さんは、
アボリジニの生活の中に入って取材をたくさんされてきました。
著書はほとんど文学作品しか読んでいないのですが。
 
人間は、ついつい自分の生活文化を基準に他の人々を判断し、
野蛮だの未開だのと決めつけますが、大きな間違いですね。

投稿: ポージィ | 2018年3月19日 (月) 16:50

★matsubaraさま

シキミは墓地やお寺に植えられているそうですね。
matsubara家の墓地にもあったとは!

インドのカースト制は依然としてすたれることなく続いているようですね。
イギリスもまだ貴族階級があるようで、かつての統治国でもあります。身分制度の違いは全然違っていますが。

ご友人にアボリジニと交流されている方がいらっしゃるのですか。
アボリジニはニュージーランドのマオリ族よりひどい扱いを受けています。
マオリ族はもっといきいきと自分たちの生活を紹介し観光にも精を出していましたね。

世界には日本と全然違う国があって、その考え方の違いや歴史を辿って知る驚きに満ちています。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年3月19日 (月) 20:28

★ポージィさま

墓地に植えられていましたか。それも伐採されていってしまっているのですね。新しい墓地には植えられていません。

インド人について書かれたこの本は、インド人が書いた本ですから、日本人が見て感じたのとは大分違います。
厳しい状況は、気がついたときにはもうなかった私の世代は何でもすぐ傷つき、我慢もせず、この本を読んだらあまりにも我儘であることに気がつきました。でもインドに行って鍛えようとは思いませんが、このような人々がいるということは頭に入れておきたいと思いました。

アボリジナルアートは買ってきませんでしたが、確かに素晴らしいですね。
上橋菜穂子さんといえばあのベストセラーになった『鹿の王』の作者ですね。
wikipediaで上橋菜穂子さんを調べましたら、アボリジニに関しての著書が多く研究されていたのですね。全然知りませんでした。教えていただき有難うございました。
1冊も読んでおりませんでした。
日本ではアイヌ、ニュージーランドのマオリ、中南米の先住民、アメリカのアパッチなどの先住民などその土地で生き抜く知恵を持った先住民を征服民はかくも無残な扱いをして、酷いです。もうこれからはこんなことは世界の何処にもあってはならないことですね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年3月19日 (月) 20:54

関西が夫の実家です。義父母の葬儀で樒を大きな和紙に包んだのが並んでました。
関東の花輪、関西の樒の違いらしいですね。
庭があるなら樒を植えろと言われて、反発したら神棚を作れと。
仕方なくオプションで和室に設えましたが、今はそこそこ手を合わせる心境になりました。

インド語・ウルドゥー語・アラビア語が専門だったので、多分最も多く行ったと思います。
土産話を聞くだけですが、一つだけ強く残る話しがありました。
極貧の家族が、小屋の外で夕食する場面を目撃した彼。
ろくな食事ではないのに、父親が慈愛に満ちた表情で子どもたちを見ていた。
その目が「あぁ、今日も良い日だったなぁ」と言っているように見えたそうです。
関係ないコメントで申し訳ないですが、私はとても感動しました。


投稿: だんだん | 2018年3月19日 (月) 20:58

★だんだんさま

関西の葬儀はもちろん一度も出たことがありませんから、和紙に包んだ樒を葬儀に用いることを初めて知りました。
お正月のお飾りや料理も違いますものね。
神棚は我が家にもありました。父が京都府出身でしたのでかはわかりませんが。

インド語やアラビア語など学んだ人は私の回りにはおりません。何だか難しそうですね。
ご主人様が目撃された風景、感動します。
まさにこの著者が書いている通りなのですね。
ご主人様の頭にはこのようなインドや他の類する国々の事がたくさん焼き付いておられることでしょう。
いえいえ、とても関係あるコメントをいただきありがとうございます。

投稿: tona | 2018年3月19日 (月) 21:51

tonaさん、おはようございます♪
シキミ、花は見たことはありますが、名前は知りませんでした。
お彼岸に合わせて咲いてくれると、お墓参りの時、重宝しますね。

よく読書なさいますね。
私は読んだとしても小説ばかりです。
20年前頃、日本で使い捨てにされている鉛筆や文房具を集めて
インドの子供たちに届けている友人がいましたが
今もそんなに貧乏なのでしょうか。
英会話を習っている頃、タージ・マハルを見た時、涙が溢れたと
言っていた知人もいました。
インドに関しては高校の世界史で習ったこと位しか知りませんが、
それも遠い話。
今の知識は無といっても良いかもしれません。
私も少しは勉強しなくてはと思いました。

投稿: hiro | 2018年3月20日 (火) 06:22

★hiroさま おはようございます♪

白峰寺にはシキミは見かけませんね。水仙を植えているお墓があって春はきれいです。18日に行ったのですが、今年はまだお墓横の桜は咲いていませんでした。

インドは階級制度があって一番下の階層はひどい生活をしているそうですね。テレビで見ましたが線路脇のバラックで生活している人がたくさんいる光景には驚きました。マザー・テレサの活躍したコルカタの映像も浮かんできます。
一方富んで優秀な階級はアメリカや北欧のIT産業で大活躍、右に出る民族はいません。
しかし人口が多過ぎます。
また、実に複雑な国民性で驚いたという次第です。
ありがとうございました。


投稿: tona | 2018年3月20日 (火) 08:18

インドは短期間旅行しただけですが
本当に混沌の国ですね。
夢のような広大なタージマハルのすぐ隣は
ゴミ箱をひっくり返したような街並みでした。

アボリジニの差別を描いた映画や本を少しばかり齧りました。

>害虫と同じ駆除すべき対象とした

本当にそんな感じで
しかもまだほんの半世紀前まで行われていたようで
知れば知るほど腹が立ちました。

投稿: zooey | 2018年3月21日 (水) 14:25

★zooeyさま

インドはタージマハルだけ行きたかったのですが、時すでに遅し、インドに体力がついて行けません。カレー粉みたいな香辛料もだめになりました。
それで本だけでも読んでテレビで見たのも参考に知りたいと思いましたら、何だか凄い国でした。

アボリジニは実際にオーストラリアで数人ですが会いました。体は大きくて立派なのですね。
半世紀前までまだ差別が行われていたとは。
厳しい大陸なので元々凄く数が多いわけではないですが、南アフリカや今のアメリカのように今もまだ激しい状態が続いてなくて良かったです。
タスマニア島ではアボリジニの人々を見かけませんでした。
アボリジニの聖地ウルルの登山がやっと来年から禁止される方向になったことは進歩でしょうか。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年3月21日 (水) 16:46

秋にアボリジニの聖地エアーズロックに行く予定です。
来年の秋にエアーズロックがアボリジニに返還され、登ることが出来なくなると言うので、
今年の旅行のコースに気楽に入れました。
アボリジニが迫害されていたと知っていましたが、実態は知りませんでした。
行く前にこの本をよまなくてはいけませんね。

しきみ・・・大阪の葬儀に出たことがあるのですが、式場の前にシキミと言う板に名前を書き
掲げる習慣があって驚きました。
その数が多いほど盛大なのだそうです。
亡くなった友人は500枚掲げられていました。
植物のシキミと関係あるのかもしれませんね。

投稿: ☆銀河☆ | 2018年3月22日 (木) 00:31

★☆銀河☆さま

それは良いですね。来年ってすぐ来てしまいます。今年中に登るのはベスト。
私は義妹と20年前に行きましたが。義妹が登りたくないと言うので、エアーズロックの周囲の植物や岩の絵を見るツアーに参加しました。
アボリジニも見かけました。こんなことも知らずに行ったのですが、出かける前に知っていた方がよいと反省です。

大阪のこのような葬儀、初めて聞きました。
シキミの板に名前を書くとは!
樒は仏事に関係ある植物なのですね。
新しいことを知りました。
ありがとうございます。

投稿: tona | 2018年3月22日 (木) 08:51

以前エアーズロック(ウルル)へ行った時、山麓の岩肌に昔のアボリジニの人々が描いた岩絵を見学しました。また、近くのアボリジニ・カルチャーセンターには芸術品・工芸品・民芸品が沢山並んでいました。お土産にアボリジニアートのT-シャツを5枚購入しましたが、今でも愛用しています。当時はエアーズロック登頂が許されており、深く考えることなく上ってしまいましたが、アボリジニの人々の聖地に土足で踏み込んだようで、申し訳なく思っております。

投稿: shikamasonjin | 2018年3月24日 (土) 13:07

★shikamasonjin1さま」

私もその岩絵や当たりの植物を見学するツアーに参加しました。
義妹が登るのが怖いと申しましたので、あきらめた経緯があります。
その後、ウルルがアボリジニの聖地であると知り、登らなくてもよかったのだとあきらめがついた次第です。
来年から登れなくなるそうですね。
アボリジニのTシャツを買われたのですか。良い買い物をされましたね。それも気に入っていらっしゃるとのこと。見る目がおありになったのですね。
有難うございました。

投稿: tona | 2018年3月24日 (土) 15:11

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