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2018年8月13日 (月)

強制収容所症候群

先日又杉原千畝氏の番組をテレビで見て、3年前の6月に行ったリトアニアのカナウスの領事館の執務室を思い出したりしています。
日本の終戦と投下された原爆の事が話題になるこの季節、ドイツ人による収容所、これも2010年に行ったポーランドのアウシュビッツ収容所関連でフランクルの『夜と霧』を何度目かの読み直しをしていたら、図書館で大石芳野著『「夜と霧」をこえて』~ポーランド・強制収容所の生還者たち~が目に入り読んでみました。

あんな酷い収容所からほんの僅かな人が生還している。せっかく生還しても10年以内に90%の人が亡くなったという。
収容所の殺害・餓死・病死などの恐怖と直面しながら生きのびた条件とは「運」だった。
そしてプラス・強い意志が持てた人
          ・友だちの助けを受けられた人
          ・残虐な状況の中にも心ある人もいると人間を信じられた人
          ・屋根のあるところで働けた人
          ・ドイツ人と接触できた人
          ・からだの丈夫だった人
          ・家族がなく自分の心配だけすればよかった人
          ・服、手袋、帽子、靴下、下着などの何かが手に入れられた人
          ・食糧を余分に手に入れられた人
          ・医者、看護師、技術者などの特技を持っていた人
ある収容所の元オリンピック選手で優勝した人はその体力で、50万人のうちたった一人だけ脱走に成功したそうだ。

こうして多難な中を生還した人、しかもずっと生き残った人は運と強さゆえ、残りの人生をあの苦しみを経験すれば極楽の世界に舞い戻って、どんな苦難をも克服し充実した素晴らしい人生を・・・と私は以前の元気な時に思っていました。
実はそんなものではなかったのです。まず帰還する故郷、家がなかった。何処かへ帰還してその生業を立てなければならない。
肉体的な衰弱にとどまらず、精神的な障害、いわゆる今言う「トラウマ」が6,7年経っても消滅するどころか悪化し、慢性状態に変っていったのです。
収容所での過酷な日々が、精神的な傷となって深い痕跡を残した結果、情緒不安定、環境への不適合、集中力の欠如により、職業、勉強、家庭生活へ順応性を欠いた。
恐怖感、うつ病といった精神障害により身体的諸器官が影響を受け、不整脈、アレルギー、リユーマチ、坐骨神経痛、骨の退化、呼吸困難として現れているわけです。
そこを元気に普通に生きたごく少数の人は超人間と言えるでしょうか。一体どのくらいいたのか。精神科医のフランクルもその一人です。

あのイスラエル建国、そして中東における地位、パレスチナとの関係のユダヤ人の強引とも思える強さ。アメリカにおける富裕層のユダヤ人。優秀な民族で様々な面で世界の金融面、技術面も牽引している。ユダヤ教に頑固に固執するその姿。。
同じ人間でありながら考えられないことも多く、まだまだ理解できない事の多い人達です。
許されたドイツ、許されない日本。戦後処理のまずさゆえと言われる日本。それがどうしてなのか?いろいろ考えさせられる夏です。

◆心が安らかになる言葉です
Оこの大自然は、微妙で、かつ素晴らしいバランスで、私たちをつつみこんでくれています。 
人間がどのような知恵をもってしても、つくりあげることができない世界につつまれています (慈眼寺・塩沼亮潤)
・・・・しかし人間がその大自然を破壊しつくしていることは頭の痛い問題です。既に猛暑や他の異常気象で報いを受けています。

О私の師が晩年、病というのは人生最大の修行である、もし病をわずらってしまった場合あるがままを受け入れ、明るい気持ちで専心せよと申してました。(who?)
・・・・しかし果して自分に出来るであろうか。これまでもそうだったしこれからも課題です。
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1年中お休みの身ですが、今夏休み。19日から30日まで海外に出かけてきます。帰国しましたらまたよろしくお願いいたします。

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コメント

日本脱出、いいですね。
おおいに楽しんで行ってらっしゃい。

投稿: 佐平次 | 2018年8月13日 (月) 09:22

あの戦争で、私の知人でも生きて帰ってきた人がいます。
九死に一生を得た。なぜか「わからない、運でしょうね」と

 あの玉砕と報じられた硫黄島でも、丁度その時期、島を離れ後方の本部に
報告に行ってて生きていた人もいるという話も聞きました。
これも運でしょうね。
 
 人々は奇跡が起こってなぜかわからない時、「多分運でしょうね」と言う。
運とはとは都合のいい言葉です。
 
 12日間、どちらに行かれるかわかりませんが、南半球以外は暑い時期、
気を付けて行ってらっしゃい。

 運以外の人は、まさにおっしゃる通りの人々でしょう。

投稿: 夢閑人 | 2018年8月13日 (月) 12:07

★佐平次さま

ドナウ川クルーズで黒海からブダペストまで遡ります。暑いかもしれませんが朝夕は涼しく、又乾燥しているし、船中からの景色と寄港地散策で楽ちん旅をしてきます。
カミソリ替え歯なんて×、替え刃でした。いつもいつもすみません。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年8月13日 (月) 13:01

この暑い日本から脱出とは羨ましく存じます。
逃げ出したいのになかなかそうもいきません。

私もフランクルの夜と霧を読みましたが、
強い精神の持ち主だったのですね。
トラウマで普通の人ならどうかしてしまいます。

息子の行っていたミッションスクールの
先生はカトリックの神父でしたが、
大病の後、「これも神の計画です」
と言われたことを思い出しています。

お元気で行ってらっしゃい。

投稿: matsubara | 2018年8月13日 (月) 13:14

★夢閑人さま

私の叔父はソ連収容所からがりがりに痩せて帰ってきました。本を出しましたが、それはそれは過酷な収容所だったようです。
ナチの場合、アウシュビッツのようにガス室に直行という、あるいは散々働かせて弱らせてどんどん殺していくその残虐さはこの世の地獄です。
そんな中生きて帰ってこられた人のその後も決して幸せな人生でない人が殆どだったのですね。心理状態がベトナム帰りのアメリカ兵と同じです。
同級生でも本当にひどく運の悪い人がいます。
運と片づけてしまっていますが。

今回はドナウ川クルーズで黒海沿岸からハンガリーブダペストまで5か国に寄りながらの船旅です。今までで一番楽な旅となります。
ヨーロッパも南ですから今年は特に暑いようで、朝夕の涼を求めて両岸の景色をも楽しみたいと思います。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年8月13日 (月) 13:15

★matsubaraさま

トラウマという言葉、東日本大震災で津波に遭われた方は水を見るのが怖いといったことで多く聞きました。同じように土砂崩れ、刃物を持った男など人それぞれいろいろなトラウマがあってそれがほぼ病になってしまう人たちの多いこと、お気の毒なこと。
ましてや想像を絶するこのような過酷な収容所の話の助かった人々の話も辛い話ばかりです。
初めて知ったことが多かったです。
カトリック神父様、ご立派ですね。

ドナウ川沿岸を船に乗りながら遡っていきます。ブダペストまでで、本当はウィーンまで行きたかったですが、黒海の方が見られるので期待しています。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年8月13日 (月) 13:38

こんにちは。酷暑の日本を離れて海外旅行ですか。良いですね。お土産話を楽しみにしています。

投稿: 多摩NTの住人 | 2018年8月14日 (火) 08:29

★多摩NTの住人さま こんにちは

ありがとうございます。
あちらは湿度がないからちょっとは涼しいでしょうね。
土産話を楽しみにしていただけるということでちょっと張り切って行って参ります。

投稿: tona | 2018年8月14日 (火) 08:40

tonaさんは19日から「ドナウの旅人」ですか。ルーマニアのドナウデルタから遡江してハンガリーのブダペストまでの10日間の船旅、素晴らしいですね。毎日宿替えもなければスーツケースを運び出すこともなく、宮本輝の著作でも読みながら、のんびり・ゆったり過ごせば本当に命の洗濯ができますね。さぞ旅の醍醐味が味わえることでしょう。帰国後の旅行記・365連休の日々を楽しみにしております。くれぐれもお気をつけて。

投稿: shikamasonjin | 2018年8月14日 (火) 14:55

★shikamasonjinさま こんにちは

また暑くなりましたね。
ドナウデルタは別の船でクルーズするので、鳥などが見られるかなあと期待しています。
そうです~宿替え、スーツケースの運び出しがないのですね。
こんな楽ちんな旅初めてなのです。川ですから大波も来ないでしょうし。
バルト海は一晩だけで朝だけしか見ていませんからクルーズとは言えないほどです。
宮本輝『ドナウの旅人』読みましたが、すっかり忘れています。ですから何度読んでもいいわけですね。
何時もいい加減な旅行記ですけれども、帰りましたら見ていただければ嬉しいです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年8月14日 (火) 16:52

tonaさん こんばんは

ちょうど、今しがた「手紙は憶えている」という映画をみました。
アウシュヴィッツからの生還者を描いたサスペンス映画でした。

生き延びただけでも幸運だと思いがちですが、
その後の生活や精神状態は過酷なものだったのですね。

ドナウ河クルーズの旅に行かれるのですか!
いいなぁ~ 
ブタペストは美しい街だそうですね。
お帰り後の旅行記、楽しみにしています。

出発は成田からですか?
成田からだと我が家の上空あたりを飛んで行かれるかもしれません。

airplaneairplaneairplane bon voyage! airplaneairplaneairplane

投稿: グレン | 2018年8月16日 (木) 23:22

★グレンさま おはようございます。

『手紙は憶えている』は見ていませんでした。
サスペンスで重いお話ですが、興味深い映画ですね。
私は全く日本でも起きている災害経験者のトラウマの話を聞いていたのに、もっともっと酷いホロコーストに遭って生還した人々の精神的なことを知らないできました。
それさえも乗り越えてしまう強い人がこの世に存在することも驚きでした。

成田出発です。カタール航空でドーハの方に向かいますが、グレンさんのお家の上を畏れ多くも飛んで行くのですね。夜遅くにお騒がせいたします。
帰国しましたらいい加減な旅行記ですが読んでいただけたら嬉しいです。
フランス語を選択されたのですね。
素敵なお言葉をどうもありがとうございますhappy01


投稿: tona | 2018年8月17日 (金) 08:55

フランクルの「夜と霧」を近年手に取って驚きました。
私が中学生の時に読んだ「夜と霧」は
夥しい毛髪の山、金歯の山など、残酷な写真がたっぷりあったのに
最近の改定本では、その写真がなくなってしまっているのです。
どんな文章よりもあの写真は、説得力があったと思うのに残念です。

ドナウの船旅、行ってらっしゃいませ~!

投稿: zooey | 2018年8月17日 (金) 09:43

★zooeyさま

中学生の時にもう読まれたのですか。
私のは新版ですのであの写真は全部載っていまして、実際にアウシュビッツ収容所で他にもトランクや靴や子供のものなどもありましたが、写真を見ていったのでそこのところは驚かなかったです。ただ義足がたくさんありましたので、随分たくさんの方が義足をしていたのだと驚いたものでした。
改定本に写真を載せないのは日本の本だけでしょうか。世界中ならまたどうして載せなくなったのでしょうね。

今日は涼しくなった日本でホッとしています。
ドナウ川もかなり南の方ですので、見学に降り立つと暑いらしいです。でも船中のレストランなどは我々日本人の他は体温の高い欧米人ばかりだそうで冷房がきついのですって。
まだ明後日ですが行って参ります。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年8月17日 (金) 16:03

コメント遅くなってゴメンナサイ。
明日から30日までドナウ河クルーズの旅にお出掛けですね。
気をつけ行ってらっしゃい。
旅行記、楽しみにしてますね。

投稿: ラッシーママ | 2018年8月18日 (土) 22:58

tonaさん、こんばんは~♪
明日から、海外旅行なのですね。
どうか気を付けて行ってらっしゃい。
帰られてからのブログを拝見するのを楽しみにしています。

戦争は悲惨ですね。
二度と起こしてほしくないです。
私はテレビで「駅の子の闘い 語り始めた戦争孤児」を見て
胸が張り裂ける思いでした。
何も知らなかった私。
80歳を超えた駅の子たち、生きているだけでも
素晴らしいことだと思いました。

『「夜と霧」をこえて』は読んでいませんが、
読んでおかなければと思いました。

投稿: hiro | 2018年8月18日 (土) 23:41

★ラッシーママさま

おはようございます。
夜の便ですの夕方出掛けます。
今度は船の中なので荷物が置きっぱなしで寄港地で降りるだけ。食事も全部ついているし、疲れれば船に寝ていていいのでとても楽そうです。こんなのは初めてです。
そんなわけで元気に帰ってこられると思いますので、つまらない紀行文を書きましたらよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年8月19日 (日) 08:43

★hiroさま

おはようございます♪
今日の夜の便ですのでゆっくり出かけられます。
また帰りましたら、いい加減な紀行文を書きますにでよろしくお願いいたします。

毎年この時期になると嫌でも戦争の事が幼少で覚えていないのですが、話題から思い起こします。疎開地での田舎の生活の事や貧しかったこと(苦になるほど成長していませんでした)などで、政治的意味は知らないでいました。
戦争を若い人たちが受け継いで一所懸命活躍している姿が映し出されていて頼もしく思いました。
「駅の子の闘い 語り始めた戦争孤児」は見ませんでした。
いつも『火垂るの墓』で泣いています。
まだまだ世界は戦争が多く、又その飛び火を恐れる日本であります。子供たちに悲惨な思いをさせたくありませんね。温暖化などで戦争以外でも厳しい日がやって来つつありますが。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年8月19日 (日) 08:55

海外へお出かけになっているのですか。
どちらへでしょうね。
酷暑の続く(ここ数日は涼しい日になっていますが)ことの多い今夏なので
気温が高くても湿度の低い地域が多い海外ですから
そんなところへでしょうか。
どうぞ気を付けて・・・。

投稿: Saas-Feeの風 | 2018年8月19日 (日) 14:46

こんにちは
 
長らくご無沙汰して、久し振りにお伺いしましたらご旅行中ですね。
ドナウ川のクルーズの旅、これまでとは趣の違う楽しみがありそう。
ご帰国後の記事が楽しみです。
 
ご紹介の本、読んだことがありませんが、tonaさんの記事で、
また新たな気付きや考えをいただけました。
重く深い闇のような過去を繰り返すホモ・サピエンスという生物の
根源や未来まで考えさせられますね。
いくつにも枝分かれし誕生と絶滅を繰り返す中から、
現在唯一残っている人類、ホモ・サピエンスですが、
残ることができたのには偶然の要素もあったとか。
その強運?もそろそろ尽きて、ホモ・サピエンスの絶滅も
近いような気がしてしまいます。

投稿: ポージィ | 2018年8月22日 (水) 10:35

Saas-Feeの風さま

昨晩夜遅くに帰ってきました。ドナウ川クルーズです。
川とはいえ、湿気がなく、日本の蒸し暑さに今更ながら夏は住みにくいところに住んでいるものと感じました。
ドナウ川の水が少なくて一部航路が変更になりました。
またちんたらと書きますのでよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年8月31日 (金) 08:56

★ポージィさま

お返事遅くなりました。
昨晩おそいく帰りました。
時差ボケでぼーとして満足に文章が打てず、3回目にやっと正常な文章に。我ながら驚きです。この項は4回目でやっと打てました。
初めてのクルーズ体験、とても怠けてました。
日本では毎日お休みなのに忙しく過ごしているのでしょうね。ヨーロッパ人のバカンスの様子をじっくり拝見しました。

今回はバルカン半島でしたがその歴史は複雑で勉強していったことが何も役に立たず、ただ大変ななかに西欧とは違った貧しさをも感じました。
ユダヤの多くはこの当たり南米に行ったそうです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年8月31日 (金) 09:20

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