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2018年12月19日 (水)

スマホを持っていても何もできない私と同じようで笑ってしまう

『恋するように旅をして』角田光代 直木賞作家の随筆より(2005年の話です)

一人で旅に出る以外、行動に移すパワーがことごとく欠如している。
飲食店に一人で入らない。一人で映画を観に行かない。コンサートやライブのチケットをみずから買ったことがない。買い方が分からない。どう調べていいのかわからないから調べもしない。興味のある絵画展やイベントがあってもそこへのいきかたがわからなければいかない。時刻表が読めない。読もうとしたことはあるが、暗号が書かれているとしか思えない。東京に長く住んでいるが乗り換えがわからない。路線図だの時刻表だの理解できないものを理解しようとつとめて眺めていると胃がきりきりしてくる。ビデオ屋もみずから会員にならない。なぜなら私には目当てのビデオを捜すことがことができない。監督別、役者別、あいうえお順、入り混じっている文字を目で追っているとこれまた胃がきりきりしてくる。
そうすると、行動が非常に狭まってくる。決まりきった場所しか移動せず、決まりきったことしかしなくなる。
そして結論は、自堕落でもなければ、初心なのでもなく、面倒くさがりやでもなく、ひとりで旅をするための行動力を温存してるのだろう。

私の子どもの年齢の作者が2005年(13年前)に書いているのですが、これ私と思わず笑ってしまった。そして最後のオチみたいのにもっと笑ってしまった。
私は乗り換えが少しわかり、絵画館には行けるが、他は殆ど同じ様な状態。違うところは一人で国内はおろか海外旅行もできないし、その上私には作家と言う文章の上手な、物語を構成する能力なく、何の取り柄もないと言うことで、一瞬暗くなったのでありました。呆れられてもいます。この3年間、努力ということが私の体から抜け去ったこともとても痛い。

しかし、スマホがこんなに便利になった現在、まさか作者がこの状態が続いているとは信じられないけれどどうなのでしょう。
私もスマホを使いこなせず、決まりきったことしかしていないで、上記のチケットを買えない云々殆ど出来ないが、とても便利でもうやめられない。ないと困る。
再び思う。角田さんはバリバリに使いこなして上記の事を全部こなしているのか。何しろ若いのですから。

       ・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…

先日名古屋で川上貞奴が福田桃介と住んでいた家を拝見してきたが、貞奴と川上音二郎が結婚して住んでいたのは私の故郷・茅ヶ崎。
駅から南へ200m行ったところに高い松などがたくさんそびえて、今はきちんと整備された高砂緑地があって、そこに彼らは「萬松園」と伊藤博文に名付けてもらった家に住んでいた。九代目の市川團十郎を慕ってそのそばに住んだというわけだ。その後実業家・原安三郎(三溪園を造った人)の別荘になった。私がいた頃この前をよく通った。
その原別荘の跡地に貞奴たちが住んでいた方の場所は今は立派な市立図書館になり、別荘の中で茶室・書院が「松籟庵」として残っている。
用事があって行ったのが月曜だったのであいにくお休みだったが中の庭を垣根越しに覗いてみた。
その門と庭
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平塚らいてうに碑 雷鳥は奥田博史と事実婚で、結婚した頃奥田が結核を病み茅ヶ崎の南湖院で療養中、らいてうは看護していた。
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コメント

川上貞奴とか岐阜出身の原三渓の住んだ
邸宅のことを紹介いただきありがとうございます。
そちらに別荘があることは知りませんでした。
原三渓の生まれは岐阜市に合併する前は、羽島郡でしたので
とても親しみを覚えます。

平塚雷鳥と奥田博史のことは瀬戸内さんの
小説で読んだことがあります。

前回の記事で、名古屋市政資料館の中身は
それほど魅力のある展示ではありませんでした。
あの前にある建物でよくイベントがありますので
ついでに覗いたことがあります。

投稿: matsubara | 2018年12月19日 (水) 19:30

こんばんは
 
角田光代さんはたくさんの作品を書いていて受賞作品、
ドラマ化映画化された作品もいくつかある作家さんですね。
不思議と作品は読んだことがないのですが…
そんなに苦手なことがたくさんおありだったとはびっくりです。
13年前といったらまだまだお若いですよね。
PC、インターネットが普及する前の時代は、あれこれ調べるのも
なかなか大変だったことは確かですね。
20歳の時、時刻表だけを頼りに、愛知から生まれて初めて訪れる戸塚へ
1人きりで出かけたときはすごく不安だったことを思い出しました。
何しろ何線があるのか何線に乗っていけばいいのかも分からずでしたから。
どうにかこうにか辿り着けたときは心底ほっとすると同時に
ぐったり疲れたのを思い出します。
今では乗り換え案内のおかげで東京へも行けますが(笑)
角田さんも今ではバリバリ使いこなしているかもですね。
 
茅ヶ崎のご実家へいらしたのですね…
茅ヶ崎は療養地・別荘地としてとして発展した地。
九代目市川團十郎、川上貞奴と音二郎もそんな茅ヶ崎で
暮らし、他にも著名な方の別荘等、たくさんあったのですね。

投稿: ポージィ | 2018年12月19日 (水) 20:36

★matsubaraさま

そういえば原安三郎は岐阜県出身でしたね。
羽島郡だったのですね。
茅ヶ崎に住んでいた時、原別荘と呼んでいました。遠い親戚が近くに住んでいました。
原別荘の前の住人が川上夫妻だったとは知りませんでした。

平塚雷鳥の人生はかなり波瀾に満ちた人生でしたね。森田草平と心中事件も起こしているのですね。
市政資料館は建物やエントランスが素敵ですね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年12月19日 (水) 20:43

★ポージィさま

こんばんは。
私も角田さんの小説は1冊も読んでおりませんでした。
おっしゃるように昔は出かけるのに、あの細かい時刻表とにらめっこでしたね。
何時間かかるかわからないのによく約束の時間に到着したと思います。本当にどうしていたのか。
今はインターネットであらかじめ調べられ、何両目に乗ると乗り継ぎが早く出来るか、何分乗り換えにかかるかまで出るのですから隔世の感があります。
角田さん、さすがにバリバリとスマホを使いこなしていると私も想像しています。

丁度茅ヶ崎に行きましたので、帰りに高砂緑地に昔の勘で30数年ぶりに行って見ました。
すっかり様変わりして驚きました。
ここは東海岸北ですが、東海岸南も大きな家が多かったですが、今は殆ど切り売りされてこれも様変わりです。亡くなられた城山三郎や開高健なども住んでいましたね。そういえば城山三郎は名古屋生まれの作家であると、貞奴の二葉館に本が飾ってありました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年12月19日 (水) 20:59

門田光代氏の作品、「対岸の彼女」「八日目の蝉」など、私は結構読んでいます。
しかし13年前とはいえ、そんなに苦手なことが多いとは驚きました。
そう言えば中野京子氏の怖い絵シリーズ、名画シリーズも好きで、何冊も読んでいるのですが
去年、彼女の講演を聞きに行って、携帯をお持ちでないと聞いて驚きました。
私よりも若い感じの人なのですよ~

投稿: zooey | 2018年12月19日 (水) 23:25

胃がきりきり痛むってのが作家らしいなあ。

投稿: 佐平次 | 2018年12月20日 (木) 08:12

★zooeyさま

色々な作家を読まれているのですね。
『八日目の蝉』は有名です。
私のことを書かれているようで大笑いです。

私も中野京子氏のシリーズを殆ど読んでいまして、興味深かったので、講演聞きに行きましたよ。そうなのですよね。携帯の話には私も驚きました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年12月20日 (木) 13:30

★佐平次さま

なるほどね。
でも人間って矛盾しているというか、東南アジアの凄い所に行ってとんだ目に遭っても平気。夜中ずっとビールを飲み続けるという一面もあって、そこで日本で温存されたエネルギーが発散されるわけですね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年12月20日 (木) 13:40

tonaさん、おはようございます♪
角田光代さんの作品は「八日目の蝉」しか知りませんでした。
小説を読んだわけではないのですが、TVドラマや映画を見て感動しました
最初に書かれているようなことは、私も40代頃まではできないことが
多かったですが、時刻表を読むのは結構好きでした。
今はパソコンやスマホで大分解決できるようになりましたが、
この若さでスマホを使いこなせないとはちょっと驚きました。
しかし一人で旅ができるというのは素晴らしい能力ですね。
なかなか面白そうな作家さんなので、小説など読んでみたくなりました。

茅ケ崎市は東海道線を境に、里側と海側では住む階層が違うと
藤沢市の方から聞いたことがあります。
一度、椿に魅かれて氷室椿庭園 に行ったことがありますが、
他にもいろいろ見所がありそうですね。ご紹介有難うございました。

投稿: hiro | 2018年12月21日 (金) 08:54

★hiroさま こんにちは♪

「八日目の蝉」は私もテレビで観ました。
とてもユニークな作家で随筆に寄りますとかなり私の観点からは変わった方です。
一人旅はそれこそ男顔負けの旅です。
不思議な方です。
仰るように時刻表だけは読めないとどこにも行けませんでしたものね。

氷室椿庭園、私も行きました。種類が多いですね。
我が家はその通り(鉄砲通り)の北側で駅には比較的近いです。南側の友人には千坪の庭園のある人がいました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年12月21日 (金) 16:20

スマホが大いに普及する少し前の随筆でしょうか。
それまで自分も、同じような戸惑いに流されてたように思います。
今も不十分だけどスマホ頼み、分厚い列車時刻表を見なくて済みます。
突拍子もないことをする面がありまして・・・
一人で、インディアナの知人の元へ行ったことがあります。
生涯忘れぬエピソードは、少なからず持ってるほうだと思います(^^;
角田さんの本は読んでませんが、八日目の蝉を映画で見ました。
展開が凄くて最後が切ないですね。

投稿: だんだん | 2018年12月21日 (金) 18:53

世の中にはよくこんな人がいますよね。
性格でもあるだろうが、要は面倒くさがり屋なのである。必要があればやらざるを得ないだろう。
 現在の情報化時代にスマホなど実に便利なモバイルグッズが氾濫してる。今や電話とかメールだけだけでなく、モバイルPCであらゆる情報を検索出来る。数多くの機能を兼ね備えているが、ほとんどの人は自分が必要な部分しか知らない。またそれで十分なのである。こんなこともできるのかとひょんな時にその機能を知ることもある。
東京に40年以上住んでいた姉二人。自分のよく使う路線のことしか知らない。それで用がたりているのだからそれ以上は必要ない。
初めての地下鉄などこっちが連れて行く始末。 
 時代はキャッシュレス時代へと変貌しつつある。公衆電話の掛け方も知らない若い人もいるとか。そういえば公衆電話はあまり見かけなくなった。公共交通機関を使用するのに切符をまだ券売機を使う人がいると笑った人がいると聞いた。必要ないからキャッシュレスカード持っていないだけのことなのである。

 政府は来年の秋の消費税率の10%へのアップで、経済状況の後退を気にして税制改革を
検討してる。あらゆる手段を講じて還元を考えているようだが、キャッシュレスカードによる決済の場合ポイントカードによるポイント還元も考えているようだが、大手はともかく、中小企業では現金決済が普通。キャッシュレスとか、ポイントカードとかを導入するには設備資金と知識が必要、
そんなに簡単に出来るわけがない。
 来年度の一般会計予算がついに100兆円を超えた。高齢者社会になり、医療費と社会補償費の増大によるもの。防衛費も5兆円を超えた。国債による借金は少しは減ったとはいえ、借金の返済に国債で借金をする。借金なしの予算編成が出来るのは程遠い。

投稿: 夢閑人 | 2018年12月21日 (金) 20:09

昨日・今日とPCのネットの調子がおかしく、昨日コメントを2度入れたのにバシット飛んで
何処かに行ってしまいました。
今日は入るでしょうか。

私は角田光代さんの作品は読んだ事が無いのですが、「八日目の蝉」は映画になりましたね。
あれもこれも行動するのが嫌でも、作家さんになって直木賞を受賞出来るのですから素晴らしいです。

tonaさんは茅ケ崎が実家なのですね、
その茅ケ崎も昔とかなり様子が違っ多様ですが、別荘の中で茶室・書院が「松籟庵」で残り
用事があって行ったのに月曜日で休みだったのは残念でしたね。 

投稿: ラッシーママ | 2018年12月21日 (金) 22:42

★だんだんさま

いかにもだんだんさんんらしい。一人で外国へとはやはり私とは段違い。
人間的に面白いです!

私はエピソードが少ない方かも。
でも面白い出会いはいろいろあるものですね。
皆さんスマホ使いこなして私は完全に追い越されています。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年12月22日 (土) 07:18

★夢閑人さま

本人が面倒くさがりではないと書いてあるのがおかしかったです。
本当に今は便利になりましたね。
スマホが出きてから使いこなせば、PCもいらないくらいといいます。
お姉さんたちのお話頷けますね。
中国や韓国の方がキャッシュレス、進んでいるのでしょう。遅れている私には抵抗があります。
この頃ついて行けないです。QRコードを使ってていろいろしますし。
バスでも時どき両替して払っている人を見ますが、たまになのでしょうか。
>中小企業では現金決済が普通。キャッシュレスとか、ポイントカードとかを導入するには設備資金と知識が必要・・・・全くその通りですね。私はそうなるのがいやだなあと思っています。
安倍さんになってからますます借金が増えましたね。世界中に行ってばらまいているのも、それでいいのか?と思います。国内ではインフラがすべて劣化、高齢者が一時的に増えてとても大変になっていくと思います。
奥州では借金をそれほどしていない国が多いのでしょう。
どなたか私利私欲に溺れない、国民、国を想う政治家が出てこないものでしょうか。
ありがとうござました。

投稿: tona | 2018年12月22日 (土) 13:38

★ラッシーママさま

あらら、私も3度そんなことがあってniftyのせいでしょうか。すみませんでした。
私も何もできなくても、直木賞作家であること、これからもどんどん本が書けるのですから羨ましい限りですね。
人間あれもこれもというマルチがおりますが、この人の場合ほほえましい部分があります。
旅行に行ったら忍耐強いのですよ。なんでそんな不便な何もないところで、私なら何も楽しくないところで、何故か楽しんでいることが不思議でなりません。

茅ヶ崎も様変わりしていました。大きな屋敷は全部細分化され、それなりにお洒落な家が建っていて、湘南という雰囲気満載の所がありました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年12月22日 (土) 13:48

こんにちは。読んでいて、自分はここまでではないと思いながら、やや当たっているところもあり、笑ってしまいました。私もリタイア後の行動力を温存しています。と思っています。

投稿: 多摩NTの住人 | 2018年12月26日 (水) 09:22

★多摩NTの住人さま

おはようございます。
えっ!やや当たっているところありですか。
ちょっと信じられませんが、リタイア後に向けて温存、いいことですね。
お元気で楽しい日々が待っていますね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2018年12月27日 (木) 08:39

tonaさん こんにちは

今年も一年間ありがとうございました。

コメントを書こう、書こうと思いながらあっという間に時間が過ぎてしまいました。

角田光代さんの本は何冊か読んでいますが、
なかなかユニークな方なのですね。
やはり本を書く方は、凡人とはちと違うのでしょうね。

旅行記、東海道の旅など興味深く読ませていただきました。
来年もお元気で、楽しい記事を読ませて下さい。

投稿: グレン | 2018年12月28日 (金) 15:06

★グレンさま

お忙しい中、コメントいただきありがとうございました。
読書家のグレンさん、さすが角田さんの本も読んでいらっしゃいますね。
かなり変わった方とこの随筆からお見受けしました。
普通考えられない思考ですね。

こちらこそ1年間たくさんのコメントいただき感謝しております。ありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

投稿: tona | 2018年12月28日 (金) 19:12

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