甲州街道歩き10 甲府柳町宿~韮崎宿(2)
甲州街道は周囲が山に囲まれていて、景色がなかなかに美しく、歩いていて楽しい街道だ。
茶筌塚。初めて見た。
富士講の石造物。富士山と月と太陽が彫られる。これも珍しい石造物だ。
山門。寛永16年(1639)に建てられたもの。山梨県指定文化財。
これが境内に湧く龍王水の碑で奥の建物の中に現状が保護されている。竜王という地名の由来となっている。龍王水というのがどうなのかわからなかったけれど。
街道に戻るとここから赤坂の上り坂が見えない先まで続き、私が毎日のようにフーフー言って上っている国分寺崖線の坂の3倍くらいあると思われた。
向かいには赤坂供養塔。「南阿弥陀仏」と刻まれ、安政年間建立。無縁者供養のため建立したものだそうだ。赤坂は赤土の坂で雨が降るとぬかるんで行き倒れの旅人が多かった。ぬかるんだ土で行き倒れとは!
交通機関がない時代の旅人はずっと歩き続けるのだからさぞかし強く逞しく、でも具合が悪くなったでしょう。日帰りで、しかも行きも帰りも特急に乗って、数時間酔狂にも歩いている。大変だと自分でも思うけれども随分と贅沢この上ないことなのだ。
その先の諏訪神社には御柱が立っている。平成28年に御柱祭りがあったと書かれる。

坂を上がっていく途中で振り返ると富士山の上だけ見えた。山梨県に入って初めてである。電線だらけ。先に進むともう少したくさん見えるようになったが、このように天辺だけのシルエットを見るのも珍しい体験だ。
坂を上がりきったところに、石仏石塔群が祠の中にありました。真ん中は道標を兼ねた地蔵。
茅ヶ岳(1704m)が見えてきた。甲斐市と北杜市の境にあるインパクトのある山容で美しい。
庚申供養塔や庚申塔道標や顔のわからない双体道祖神などが次々現れる。
この庚申供養塔寛政5年(1793)のもの。
下今井の集落に入ってきた。昔は立場があった場所で、街道らしい風情である。2.2㎞続き、随所になまこ壁の土蔵がある。

甲斐市の旧双葉町のマンホール。町の花のつつじ。竜王町もそうだったが周囲には武田菱が描かれている。
自性院。参道の石畳は明和2年(1765)敷設された。そんな古そうに見えないけれど。
延命地蔵尊。横に「長寿の喜び」が還暦から白寿まで書いてある。私・傘寿は[八十歳でお迎えの来た時はなんのなんのまだお役に立つと云おう]とある。今全然役に立っていないから何とかしなきゃとも思う。
その先のレンガ造架橋(明治36年、中央線敷設当初に架橋された)をくぐる。良くもっているものだ。
坊沢川の手前に泣石があった。高遠城が落城すると勝頼は完成したばかりの新府韮崎城に火を放ち岩殿城に向けて落ち延びた。その際勝頼夫人がここで振り返り燃える城を見て涙を流したという。
涼しい流れを見ても25度であっても、歩くと暑いこと!塩崎駅入口交差点先にコンビニがあったので、ソフトクリームでクールダウンした。
(続く)
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コメント
こんにちは
刈り取られた稲が奇麗にはさがけにされて、ここの田んぼは
まだ天日干しが続いているのですね。広々と長閑な景色を
見ながら歩くのは、心が穏やかになりそうですが、昔の旅人は
ぬかるみで足を取られて行き倒れとは…過酷な旅だったのですね。
「慈照寺」に湧き出た竜王水で、地名が竜王になったのですか?
竜は水の神とされることが多いですけれど竜王と王まで
つくのは湧き出たのが水量豊かで美しい水だったのかしら?
などと想像しました。
富士講の石造物や2階建ての鐘楼も珍しく面白いと思いました。
下今井の集落のなまこ壁良いですね。自性院参道の石畳も
良いなぁと感じます。私はこういうのが好きなのかもしれません。
この石畳は250年以上も前に作られたものなのですか。
すり減ってもいませんし仰るようにそこまで古く感じられませんね。
よほど硬い石なのかしら。
ラストの川の流れも気持ち良さそうですが、たしかに25℃あると
歩くと暑くなりますね。
投稿: ポージィ | 2021年10月26日 (火) 14:36
★ポージィさま
早速にコメントいただきありがとうございます。
刈り取られた稲の乾燥にはいろいろありますが、これははさがけというのですね。聞いたことがあるような気もしますが教えていただき感謝です。すぐ忘れても一つ覚えることは今の私には楽しいです。
そうだったのですね!竜は水の神様だったのですね。大いに納得しました。ありがとうございます。大変な水量だったように書かれていました。
仰るように今回も珍しい石像や鐘楼に出会えました。私たちのご先祖様、一所懸命祈っていたことを感じます。
久しぶりになまこ壁です。下今井の集落は昔の街道を彷彿とさせてくれました。このところ街道の面影を甲州街道で見る事がずっとありませんでしたので。
石畳って箱根以来随分いろいろ見てきましたが、歩きにくいけれどもいいものですね。
気温が15度くらいで歩くときは丁度良いので11月くらいからです、気持ちが良いのは。25度ですと熱中症になりそうでした。
投稿: tona | 2021年10月26日 (火) 16:37
今回の記事は本当に田舎で聴いてる名前が沢山出てきてるのに、知らない所が多いです。
まず竜王に、こんな立派な慈照寺があるのですね。
山梨県指定文化財なのですね、今度墓参りに行った時に寄ってみたいと思ってます。
尚、義両親の墓が自性院にあります。
延命地蔵尊の隣?に「ピンコロ観音」が無かったですか、この観音様はそんなに古くなくて
私が結婚した頃には無かったのですが、その後に置かれてました。
自分の最後はピンコロで逝きたいと、バスツアー客(年寄り)が来て祈ってるそうです。
ラッシーパパの実家は旧双葉町、下今井の集落に随所になまこ壁の土蔵があるのですか
毎回、tonaさんの記事で色々な事を教えて貰ってますが、今回は特に身近な事なのに知らない事だらけでした。
教えて頂き、ありがとうございます。
投稿: ラッシーママ | 2021年10月26日 (火) 20:56
★ラッシーママさま
慈照寺は池があってお庭も立派でした。
とてもいろいろなのがあって見所一杯でした。
まあ、自性院にご主人さまの御両親さまのお墓があるのですか。びっくりです。
「ピンコロ観音」は気が付きませんでした。
私もお詣りしたいくらいピンコロに憧れますが、そうもいかない確立高しです。
旧双葉町にご実家があるのですか。マンホールが残っているのですね。
下今井の集落が一番街道らしく感じられて、なまこ壁を写しながら歩きました。
ご主人様は小さい頃からいろいろご存知でしょうね。
もうすこし行くと富士山が見えて素敵なところですね。
ありがとうございました。
投稿: tona | 2021年10月26日 (火) 21:10
なんのなんの、いつも行けなかった街道風景で楽しませていただいていますよ。
茶筅、筆、琴柱、、いろんなものを供養する精神、考えてみれば面白いですね。
投稿: 佐平次 | 2021年10月27日 (水) 09:13
★佐平次さま
ありがとうございます。
針供養もありますが、琴柱供養はまだお目に書かれていません。
考えてみれば、面白味に欠けた街道歩きを楽しんでいただけることがあの世への土産です。
投稿: tona | 2021年10月27日 (水) 10:49
この中では諏訪神社だけ行きました。
でももう30年も経っていますので、記憶は
薄れています。
写真もろくに撮りませず、残念な旅でした。
これからもいろいろ未知のものに出会われると
思いますので、楽しみですね。
投稿: matsubara | 2021年10月27日 (水) 15:03
★matsubaraさま
諏訪神社の末社でしょうか。
御柱があったのに驚きました。細かったですけれども。
街道も同じような石仏などを見てきましたが、新しいのが出てくると嬉しくなります。
いつもお付き合いいただきありがとうございます。
投稿: tona | 2021年10月27日 (水) 16:51
これは10月中旬でしたっけ?
ソフトクリームが欲しくなるほど暑かったのですね。
それからまだ半月も経っていないのに
今日は冬のような寒さです。
秋は何処かに行ってしまったようですねえ?
投稿: zooey | 2021年10月27日 (水) 18:03
順調に進まれていますね。この辺りは全く知らない町です。時々富士山が見えるのが嬉しいですね。
投稿: 多摩NTの住人 | 2021年10月27日 (水) 19:00
★zooeyさま
そうです。14日でした。
現地は25度あったようですが、歩くと暑くて熱中症になりそうでした。
11月からが歩いたり登ったりするのが楽になってきます。
夏から冬ですね。今年も気候がずっとおかしかったですね。赤ちゃんはちゃんと適応できるのですね。
ありがとうございました。
投稿: tona | 2021年10月27日 (水) 20:12
★多摩NTの住人さま
中央自動車道からも富士山が見えますが、甲州街道からもこの後見えました。
大好きな富士山、この日は珍しく晴れて嬉しっかったです。
いつもありがとうございます。
投稿: tona | 2021年10月27日 (水) 20:16
こんばんは(^o^)/!
甲州街道歩き、続きを楽しまれたのですね。
龍王水がどのような場所に湧き出て、どんな水なのか、きっと見てみたかったことでしょう!場所柄、富士山からの雪解け水の伏流水かと想像しています。
竜王という地名、山梨県にもあるのですね。滋賀県にも竜王町というところがあります。
一直線に続く街道や「エッ?富士山?」と思ってしまいそうなシルエット、なまこ壁の土蔵・・・、色んな景色が目に飛び込んできて、さぞ楽しかったことと思います。私自身も写真を拝見して楽しく感じるほどです w(^o^)w!
>高遠が落城すると・・・
高遠城は今はありませんが、お城があった場所は「天下一の桜の名所」として名高い”高遠城址公園”になっています。私も何度か見に行きました。
投稿: 慕辺未行 | 2021年10月27日 (水) 23:45
★慕辺未行さま
おはようございます!
中山道の前に特急に乗る予行演習でした。
竜王水の源泉は建物で囲まれていて見られませんでした。
滋賀県の竜王町、字も同じで、中山道の守山を過ぎ、近江八幡の中山道を挟んだ反対側にあるのですね。蒲生郡が日の町と竜王町に飛び地で分かれているように地図で見えました。でも竜王町には蒲生郡とは書いてないようです。
富士山が現れた時、本当に富士山かと見かけた人に聞いてしまいました。
ここのなまこ壁は立派でした。
私もかなり前に高遠城址公園の桜を見て参りました。階段が多かったように覚えています。とてもきれいな桜で今でも覚えています。その時は武田の悲運を知らないで行っていました。
ありがとうございました。
投稿: tona | 2021年10月28日 (木) 09:34
tonaさん、おはようございます♪
山梨は観光地を除いては中央高速で走り抜けるだけですが、
街道歩きはその土地ならではの歴史や文化に触れることが
出来て良いですね。
竜王という地名は知っていましたが、慈照寺の湧水が由来
だったことは知りませんでした。山門も立派ですね。
なまこ壁は伊豆の松崎や倉敷で見たことがありますが、
ここのなまこ壁も良いですね。
この日は25度もあったのですね。
ソフトクリームがさぞ美味しかったことでしょう。
投稿: hiro | 2021年10月28日 (木) 10:35
★hiroさま
こんにちは♪
その通りで、以前随分中央高速を走り抜けるのみで、帰路の富士山を見るのが楽しみでした。
歩いてみますといろいろなものが見えてきてまた違った面で面白いです。
竜王は初めてでしたが、名前の由来がこのお寺の中にあるとは!
私もなまこ壁といえば最初に見たのが伊豆松崎で次に倉敷でした。東京では見たことがないように思います。
今まで30度以上は歩けないと思って7~9月はダメでしたが、太陽が出ますと25度以上もかなりきついです。光線が昔より強いような気がしました。暑いとすぐアイスへ直行です。
ありがとうございました。
投稿: tona | 2021年10月28日 (木) 12:48
こんにちは。
私の飛ばし飛ばし甲州街道歩きでもこの辺は歩きました。
でもすっかり忘れていて、案内本と比べながらtonaさんの記事を読みました。
諏訪神社の御柱、覚えてます。
御柱は長野ではよく見かけますが、山梨でも諏訪神社と名乗るからには御柱があるのですね。
長野では小さな祠にも立ててあり、車山の頂上、八島湿原内の祠でもかわいい御柱を見ました。御柱って律儀に奉納されてますね。
下今井のなまこ壁、この辺の往時の豊かさが偲ばれます。
自性院の敷石は立派ですね。墓石ほどの厚みがある石が敷かれているようなびくともしない重厚感がありました。
私達は泣石の前で記念写真を撮りました。
思い出させていただき、有難うございます。
投稿: ☆銀河☆ | 2021年10月29日 (金) 16:57
★☆銀河☆さま
諏訪神社がこの辺りにあるのは頷けますが、御柱まであってびっくりでした。
以前銀河さんのブログで本家のを見て、あるいはテレビで観て凄いなあとと思っていましたから。小規模ながらここでもやっているのですね。この辺りのどこでやるのかはわかりませんが。
下今井の街道は長くてなかなか昔の雰囲気があります。なまこ壁が立派でした。
自性院にはラッシーパパさんのご両親が眠っていらっしゃるとは!知っていたら探してお詣りしたのに。
泣き石を見ましたら武田の悲しい最期を奥さんの涙に思いました
ありがとうございました。
投稿: tona | 2021年10月29日 (金) 20:17