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2022年2月 5日 (土)

『英国人記者が見た世界に比類なき日本文化』ヘンリー・S・ストークス 加瀬英明著

今まで聞いていたことが随分ありますが、英国人記者と日本人外交評論家によって日本文化をいろいろな角度から追求した本で、納得した部分があって面白かった。

文化と文明の違い
 文化は、ある国や民族が培った固有な精神生活から発するものである。
 文明は、より便利な道具や手法を使うことによって、民族や国や地域を超えて世界にひろがっていゆくものである。(・・目から鱗・・)

西洋人、中国人、韓国人、アラブ人等の国は人々が歴史を通じて、異民族と接触しなければならなかったのに加えて、王朝が興っては亡び、支配者がその都度入れ替わった。その上、他民族のよる侵略をしばしば蒙った。人々は新しい支配者のもとで、人智をつくして、生き延びなければならなかった。人々は信頼し合うことが出来ず、自らの身を守るために、常に自己を中心に置いて主張するか、時によっては、必死に弁解しなければならなかった。
したがって外国の人は饒舌で絶え間なくしゃべり続ける。交通事故に遭っても自分が悪くても決して自分が悪いと言わない。自分の誤りを認めると生命、財産を奪われかねない。だから安易に詫びることはしないそうだ。

そんな外国人から見た日本人は曖昧でイエス、ノーがはっきりしてなくて不愉快な思いをする。
寡黙であることに加え、肯定か否定かはっきりしないことが不誠実であり、誤魔化そうとしていると受け取られている。
日本は島国で上記のような他民族、異民族との壮絶な争いもなく、したがって外国人のようになることはなかったからだ。
数千年もの長きにわたって、独自の文化を育ててきた。それは「和」の「心」だ。自然に出る「おもてなし」。美を感じ美への心配りのある国。

欧米は階級社会だが日本は平等社会という。最近は貧富の差が大きくなって来てはいるのだが。

女性天国・日本。
女性の議員が少ないとか賃金格差ありとか、会社などで男尊女卑、世界のランキングでは最下位に近い日本だ。私的には女性も責任があるとは思う。大変な場面では逃げてしまう狡さがある場合があると思うから。
日本の家計簿には夫の小遣い欄があるが妻の欄はない。昼の高級レストランの80%は着飾った女性たち。昼間も自分の時間を多く持てる。接待の必要なし。外国人には日本は女性天国に見えるそうだ。もちろん共に働いている場合はそうではないが。決して100%男性上位の国ではない。
八世紀末の万葉集には多くの女性による和歌が収められる。
千年前の平安時代には紫式部や清少納言を始め数多くの女性作家が登場している。当時他の国にはあり得なかった。
江戸時代には寺子屋があり殆ど文盲はいなかった。

日本の天皇家は古代に大和朝廷が成立してから21世紀の今日まで続いている世界最古の王朝(祭祀王)である。天皇はずっと詩人であり続け、明治天皇は生涯に五万首もの和歌を詠まれた。

しかし、
今日の日本は、物の豊かさが満ち溢れているが、心が貧しく狭くなり、エンドレスに満たされることがない。
食品が溢れ、食事処が立派になるにつれ家庭の食事が貧しくなった。
欲しいものが何でも手に入るようになったのに、この国から希望だけがなくなった。
若者までが心が疲れて、若々しさを失って、安易な癒しを求めている。礼儀知らずも多い。酒を飲めば奇声を発する。
日本語もおかしくなっている。
人生が楽の連続でなければならないと思って、常に不満を唱えてすぐに挫折する。精神がひ弱になって、傷つきやすい。そのために精神を病んで、社会に迷惑を掛ける者が絶えない。「開化病」によって冒されているのだ。

最近私が愉快に思えないのが、無責任体制でもあり、良い政治家がいないことです。どんどん困った方向へ日本が向かっているような。投票率の低さが無関心ぶりを示していて悲しい。子孫の行く末を考えたら、私達の生活も教育ももっとしゃきっとしなけらばならないのですが。


近くのクレマチス・アンスンエンシス。冬咲きのクレマチスで寒いのに元気に咲いています。
Photo_20220205153701

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コメント

面白そうな本ですね。
日本の女性の地位の低さのランキングについては
かねがね私も不思議に思っていました。
日本では、家計は妻が握っている家庭が多いですよね。
我家は違いますが、それは単に私がお金の計算に興味がないからです。
アメリカ人の友人夫婦の奥さんは、買い物をする度にレシートを夫に見せて説明していましたよ。
そのシーンを見て、ちょっとゾッとしました。

投稿: zooey | 2022年2月 5日 (土) 20:43

★zooeyさま

日本人とイギリス人の両観点から書いているのですが、食い違いはなく同じようだったのです。
zooeyさんはご主人が管理してくださっているのですか!
アメリカから日本に赴任してきた外交官夫人が、日本に来て接待しなくていいし、昼間はずっと自分の時間だしご主人がらみのお付き合いが常にあるわけでなく、それで日本では女性天国と言ったわけです。
女性がドメスティック・バイオレンスも外国ほど多くないし、家で虐げられているわけでないのに、なぜ女性の地位が世界的に低いのかと不思議になりました。
アメリカで実際にご友人夫妻で体験なさっているのですね。映画でも垣間見られますよね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2022年2月 6日 (日) 08:35

女性天国なのに、そうしてやらなかった亡妻に棲まぬすまぬの日々です。

投稿: 佐平次 | 2022年2月 6日 (日) 10:53

★佐平次さま ありがとうございます。

女性天国をずっと味わっている私です。
亡き奥様に申し訳ないと感じます。
天国でそうおっしゃる佐平次さんに感謝しておられるのではと思います。

投稿: tona | 2022年2月 6日 (日) 14:58

私も今の日本が女性天国と思っています。
本で読んだのですが、米国ではお金を管理している
のが夫で、妻が言い訳しながら夫から貰うとか・・・

戦後は文字通り女性が強くなっていますね。

戦国時代は日本の女性は悲惨で、仕事は
娼婦か、戦場で落ちている首を洗い清める
仕事しかなかったそうです。
今に生まれて本当によかったですね。

投稿: matsubara | 2022年2月 6日 (日) 16:00

★matsubaraさま

特に理解のある配偶者を持った女性は、バラ色の天国にいるようですね。
良いと思われた西欧が男性にお金をもらって、足らないと言い訳したりして、お気の毒に思ってしまいます。

戦国時代の女性は配偶者がいつ死ぬかわからないという毎日で、しかも亡くなったら、おっしゃるような仕事にしかなく本当に悲惨です。
今は女性もありとあらゆる職業に勉強次第で就けるようになって、思いっきり才能を伸ばすことが出来るのですね。
私も今に、そして日本に生まれて良かったと思います。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2022年2月 6日 (日) 16:52

こんばんは(^o^)/!
いやはや・・・もうすべて的を射ているような内容ですね。江戸時代の鎖国政策がやがて長崎、そして下田の開港から明治の時代へと移り”文明開化”した日本!
この中の『交通事故に遭っても自分が悪くても決して自分が悪いと言わない。自分の誤りを認めると生命、財産を奪われかねない。だから安易に詫びることはしないそうだ。』『曖昧でイエス、ノーがはっきりしてなくて不愉快な思いをする。』この2つは本当にそう思います。現代に対しても当てはまる見解でしょう!
日本人として生まれ育ってきた私たちと、異国の人々ではやはり感じ方も大きく異なる‥当たり前なのかもしれませんね。

投稿: 慕辺未行 | 2022年2月 6日 (日) 23:35

★慕辺未行さま

おはようございます!
外国人が日本の良い所を世界に紹介したい、浸透させたいと書き、加瀬氏が同じような観点がから書いているので重複感もありますが、とても説得力があります。
日本って特異な国と言われていますが、島国で外国のような争い、侵略、一神教の宗教がなかったから。外国人から見たら和の心を感じ、普段私たちは温室の中にいるような人種であると思われるのも当然です。
これがまた腰が引けている政治、外交でもあるわけで、隣国に対して色々こととが絡み難しいところではあるのですが、堂々と言うべきことは言っていかなければいけないとも示唆しております。
超借金大国となり、人々は上記のように弱くなり(特に私は老化によって心も更に弱くなった)、国が危うくなりかけています。便利な生活の上に胡坐をかいて、文句ばかりたれ、次第に弱くなっていく日本の現代の人々をも憂いていると思います。
もしかして、大変大変と言い過ぎではないかとマスメディアの煽られている私達。我慢が足りなくなったかもです。コロナに対しても西欧系の悠然たる態度には驚いています。神経質日本かとスエーデンに政策に思いました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2022年2月 7日 (月) 08:51

こんにちは
 
英国人記者と日本人外交評論家による日本文化の考察。面白いです。
なるほどな~と思ったり共感するところ大いにあり、
ちょっと反発するところもあり。
男女によってや年代、育ってきた環境、仕事や生活をしてきた環境などなど、
個々人で感想は異なってくるかもですね。
それぞれの女性側からの考察もあったら、それもまた面白そうです。

投稿: ポージィ | 2022年2月 7日 (月) 10:47

★ポージィさま

こんにちは。
日本人にもいろいろな人がいますが、概して言われる通りの人が多いと思います。
ハーフの人、大阪選手みたいな人はちょっと日本人の部分が少ないかしら。
はっきりずけずけ言う人もいますが、結構同じ気質でないので顰蹙を買うなんて言うこともあります。
確かに長い歴史、世界史を読みますとあちらの人々は本当に大変。城壁が物語っています。
それぞれの女性の考察も探してみたいですね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2022年2月 7日 (月) 16:02

こんにちは。「開化病」は本当に困ったものです。世の中はずいぶん便利になりましたが、古き良き日本人の心がすさんでいっているように思えます。

投稿: 多摩NTの住人 | 2022年2月 7日 (月) 17:06

tonaさん、こんばんは~♪
今はどうか知りませんが、私の年代は女性天国でした。
一億総中流とも言われた時代で、専業主婦でも家計に余裕が
あるお宅が多く、ランチを楽しんだり、お稽古事も出来ました。
今はその時に比べると、貧富の差が大きくなったように思います。
コロナ禍で仕事を失い、収入の道を断たれた人も多いでしょうし、
コロナ関連で、税金をたくさん使ったので、収束したら増税時代に
なるのではないかと、よく友人たちと話しています。

投稿: hiro | 2022年2月 7日 (月) 21:50

★多摩NTの住人さま

本当にそうですね。
便利になるとかえって人間がだめになる。
自分にもその気があるので最期まで気をつけていきたいものと思いました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2022年2月 8日 (火) 08:43

★hiroさま

おはようございます♪
仰る通り親の世代と比較にならない女性天国でしたね。
自由に出歩きお金を使い、お稽古事も出来ました。こんなに恵まれた私たちは、今度は次世代どうなってしまうのか、気がかりです。
1人1人の気持ちの問題もですが、財政破綻が目に前に迫っているのに、使うばかりで少しもこのことに目が行く政治家が現れないので今後の日本を心配する日々です。申し訳ないことに私たちはもう少しなので最後まで年金を頂けそうです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2022年2月 8日 (火) 08:50

ヨーロッパを旅して思うのはどの国も侵略の歴史の上に成り立っている国であるという事。
そのような経験を繰り返してきた民族とそれがなかった日本人との違いは大きいでしょうね。
自己主張できない日本の外交姿勢などはそうした根があるからなのでしょうか
それにしても歯がゆい思いですが・・・
女性の社会的地位の低さが言われる反面
実際を見渡せば女性天国であるという事に異議はありません(;^_^A
好きなように生きさせてもらっていることに改めて感謝です。
冬咲きクレマチスたくさんの花ですね
このお花何回もチャレンジしましたがいつも夏越し出来ずに枯らしてしまっています。

投稿: ビオラ | 2022年2月 8日 (火) 16:49

★ビオラさま

ヨーロッパのドブロブニク、ハイデルベルク、ローテンブルク、チェスター、タリン(エストニア)など城壁を一周しました。
また壮観だったのが南フランスの山のてっぺんの町々、ギリシャのペテオラやカッパドキアなど凄いですね。夕方になると門が閉まるのだそうですね。
日本は元寇があったくらいで国内の争いですからスケールが違います。
日本人がこうなったのもそんな事情があったのですね。長い間に培ったこの精神は一朝一夕ではなおるものではないです。
しかし国際情勢がこんなに厳しくなってくると日本人もある面では目覚めないと。
私も女性天国の住人です。とてもありがたいです。
冬咲きクレマチスは難しいのですね。
ここの家のは何かの木に絡まっていました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2022年2月 8日 (火) 20:24

 面白そうな本ですね。すべて言い得ていてなるほどと思います。

>外国の人は饒舌で絶え間なく喋り続け、自分の誤りを認めると生命財産を奪われかねない<
日本には「言わぬが花」とか「以心伝心」とか「沈黙は金」とか話さない事を讃える言葉が沢山ありますが、喋りすぎる事を讃える言葉は思いつかない。
常に異民族との抗争に巻き込まれてきた民族とは話す内容も全く違ってきますね。
外国の人から見れば、日本人はハッキリしないだろうな~と思います。

明治維新の時、武士を根絶やしにすることもできたのに、
戦争が終われば、新政府の要職につけたり、
下級役人に採用したり、新政府に役立てようとしてますね。
日本人に異民族対異民族の虐殺という概念がなかったのは幸せな事と思います。

 女性天国日本・・・・確かに高級レストランはそんな方が多いですね~。
でもご自分で必死に働いてたまに贅沢する方も多いのではと弁護したくなります。

投稿: ☆銀河☆ | 2022年2月11日 (金) 18:46

☆銀河☆さま

>「言わぬが花」とか「以心伝心」とか「沈黙は金」・・こんな言葉がありました!
日本人の心そのものですね。
長い年月の間にDNAに組み込まれてしまったのは、外国も日本も同じですものね。それを一挙に変えるということも出来ないですが、それぞれ長所を生かしていかないと今の複雑な世界に乗り出せないです。
それにしても、仰るように長い間異民族間との侵略、虐殺がなかったのは幸いでしたね。
ですからぼーっとしてしまうのも頷けます。
女性天国、とは言いながら今は半分以上の女性が結婚して、子供がいても働いていますね。このことはとても大変なことで、伴侶の手助けがない人は最悪です。
それでも頑張っている人は強い人です。子供がその背中を見てよりよく成長したら嬉しいです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2022年2月11日 (金) 19:28

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