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2022年10月24日 (月)

朝井まかて著『ボタニカ』と稲垣えみこ著『老後とピアノ』

朝井まかて著『ボタニカ』

来年の朝ドラになる牧野富太郎の一生を描いた作品。ブログ友に紹介していただきました。
南方熊楠と同様、変人奇人とみました。
植物にかける異常な情熱。これが世界の牧野となったわけです。
それが実家の資産を全部食いつぶし、結婚相手とは結婚せず酷い対応、上京したときの女性には13人も子供を産ませ最後は50歳余にしてガンで死なせてしまう。
小学校中途退学の学歴で今の東大に出入りするようになるが、勿論無給、途中から助手に、最後は講師になる。
自分の研究のためには殆ど寝ないでやり、標本採集には日本国中まわり、目についた本は手当たり次第に買うので借金は膨大で当時大正昭和で3万円というもの。1回目は東大関係の友人たちが助けてくれ、次は神戸の篤志家に借金返済をしてもらう。
実際の奥さんは毎日借金の取り立ての相手をし、質屋に出入りした。子供13人のうち6人を亡くし、それでも夫に尽くし、待合みたいなのをやって資金を得(学校側からふさわしくないと言われ身売りする)て、練馬の家を購入という誠に肝っ玉かあさんばりの人なのだ。他人のことをあまり意に介さず、自分中心だから空気が読めないのは、あまりに熱中するものに捧げる情熱が凄いことによる事と理解できます。でも陰の女性が可哀想ですが、当時の女性は今とは違った強さを持っていたと驚くのです。
高知県の牧野植物園にはツアーで行きそこなったので、練馬の牧野庭園記念館にはいい季節に行って見たいと思います。

 

稲垣えみこ著『老後とピアノ』

あのアフロヘアの著者が50歳で朝日新聞を退職して3年経ったとき、40年前にやめたピアノに挑戦。
有名ピアニストの米津真浩先生の指導で習い始めたピアノ。自宅にはなくて行きつけのカフェの営業していない時間を借りてだけの一日2時間の練習。
とっつきは40年前の「きらきら星変奏曲」で次はいきなりショパンのワルツ。ベートーベン、リスト、ドビュッシー、グリーグ、ブラームス、シベリウス、バッハ、モーツァルト、シューベルト、ラフマニノフと続く。
263頁までずっとピアノとの格闘、さすが米津先生の上手い指導、発表会まで心と行動の軌跡が綴られる。これは凄い。なんでこんな苦しいことに挑むの?と思ってしまう老人の私。彼女は私の子供の年齢の世代。それがもう死ぬまで時間は待ったなしと言って焦っているようにも感じられた。その頃の私はまだ仕事真っ最中だから、この年でこんなに老後を悟るなんて驚きだ。まさか東日本大震災の後、あの電気ナシの生活をした人とは思えないがそれを成し遂げた人だからあえてこんな大変なことに挑めるのか。尊敬。
ITの世界に突入して、殆ど拒否して過ごしている身にとって驚いたことがあった。
あらゆる楽譜がダウンロード出来、一つの曲でも色々な人の演奏が聴けるのですね。本当にびっくりでした。

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近所の明日葉の蕾と花 9/5

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コメント

学問の業績が図抜けていれば人間としての欠陥は許されるのか、むしろアク「徳」とさえもてはやされるようですね。
わが亡父などはなにも業績がないくせに家庭を見捨てて放蕩したようです。

投稿: 佐平次 | 2022年10月25日 (火) 09:58

★佐平次さま

そうなのですよ。
文化勲章ものの研究をしたからと言って、色々な人々に迷惑をかけていいものか?
その研究がなかったら実に多くの人が恩恵に浴さない類の物など・・どうなのでしょうか。今はもっと周りが厳しいから許されないような気がします。そういえば檀一雄が別の意味でひどかったですね。
お父様のことを思い出させてしまって申し訳ない気分です。
今まだ女性が暴力を振るわれたりするような国が世界にはあるようですね。まあ、この方の場合は暴力でないのでまだ救われますが、でも絶えられないです。
現在女性の議員が少ないとか云々で世界のランキングが低い位置にある日本ですが、私は女性の生活として、パワハラあるにしても決してそんなことはないと思います。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2022年10月25日 (火) 14:42

私も次の朝の連続ドラマを楽しみにしています。
四国の牧野植物園には行きましたが、学者の日常の
ことは知りません。
奥様に苦労させた償いにあるササをスエコササと
奥様の名前を入れられ
命名されたことも知られていますね。

投稿: matsubara | 2022年10月25日 (火) 16:18

こんにちは
 
牧野富太郎氏の植物研究への没頭ぶりや金銭感覚の欠如は
ちらちらと読んだことがありますが、これまでの私の認識以上で
唖然としました。研究の成果はすごいものがありますが、
半面とても自己中心的、自分勝手といえますね… ご実家も奥さんも、よくぞ献身的に支え切ったと
驚きます。よほど深く理解していたのですね。
来期の朝ドラではどのように描かれるのやら。
 
稲垣えみ子さんは、名前はすっかり忘れていましたが、
肖像写真を見たら思い出しました。ついでに、ご紹介の著書も
ネット上で一部読むことができました。
毎日のピアノ練習や大人になってからの上達の遅さなどなど、
10代後期~20代前期に必要にかられてピアノを習った身としては
大いにうなずけるところありでした。今の年齢でもしまた
習うとしたら、基礎練習はすっ飛ばして『易しいけれど
腰を抜かすほど美しい曲』というのをマイペースで弾けるように
なっていけたら、楽しいと感じられるかも、と思います。

投稿: ポージィ | 2022年10月25日 (火) 16:26

追伸
明日葉は名前しか知らず、直に見たこともありませんが、
こんな花(蕾)なのですね! セリ科だったとは!!

投稿: ポージィ | 2022年10月25日 (火) 16:29

★matsubaraさま

牧野植物園いらっしゃったのですね。
行きそこなってとても残念です。
そうそう、本にもスエコササのことが書いてありました。
ご本人はやりたいことをやって、途中大変ながら良い人生だったと感じました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2022年10月25日 (火) 19:14

★ポージィさま

子供の頃、野口英世がお金にだらしなかったと読んでがっかりした覚えがありますが、あの分厚い植物辞典を書かれた牧野氏のことは全然知らなかったので、始めから終わりまでびっくりしながら読みました。
そうなのです。二人の女性の犠牲のもとで偉大な功績が編み出されたわけですね。
今の女性はここまでできる人はもうあまりいないと思われました。
次の朝ドラの脚本がどのように書かれるか楽しみです。
それにしても脚本家というのも大変な仕事ですね。「鎌倉殿の13人」は評判が良いようですが。

稲垣えみ子さん、インパクトがなかなかですね。
ポージィさんはピアノをされていたのですか。いいですね。ピアノ曲は美しい!
きっと稲垣さんみたいに基礎は出来ているのですから、同じく弾かれると思うのです。なさってみませんか。我が家は引っ越しが多くて途中で人に差し上げました。

明日葉は今年畑のヘリにあったのを初めて気が付いて、まずグーグルレンズで知り、後で検索しました。蕾と開きはじめと花が同時に見られました。
いろいろありがとうございました。

投稿: tona | 2022年10月25日 (火) 19:43

tonaさんへ
おはようございます。朝井まかて著「ボタニカ」、早速柏市立図書館に貸し出し予約いたしました。人気の本で予約順番は57番目でした。楽しみに待ちます。良い本をご紹介頂きありがとうございました。

投稿: shikamasonjin | 2022年10月26日 (水) 09:44

★shikamasonjinさま

こんにちは。
私は何か月も待ってやっと図書館から知らせがありました。
最近はあまり買わないで図書館のお世話になっています。
買ったばかりの本も10数冊手放しました。冊数が少ないので市のゴミの日回収です。
こちらこそご紹介の本を数冊借りて読みました。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2022年10月26日 (水) 10:29

こんにちは。お読みになられましたね。来年の朝ドラが楽しみですが、果たしてあの奔放さを朝の明るい雰囲気でどのように描くのか興味津々です。

投稿: 多摩NTの住人 | 2022年10月26日 (水) 13:29

★多摩NTの住人さま

こんにちは。
本のご紹介ありがとうございました。
図書館で借りましたので順番がなかなか回ってきませんでした。
今度の朝ドラ、果たしてどう描かれるか楽しみですね。
名前が有名でも全くその人生を知りませんでしたので、感謝しております。

投稿: tona | 2022年10月26日 (水) 16:38

tonaさんへ
今日は。アシタバはホームセンターで家庭菜園用に苗が販売されているのを見かけることがありますが、まだ栽培したことはありません。別名八丈草と言うくらいなので、八丈島特産の山菜ですが、これまで伊豆半島(石廊崎等)や房総半島の海岸(鵜原理想郷等)に自生しているのを見つけ、採取して食べたことがあります。ご近所のアシタバは栽培品が逃げ出した野生でしょうか?。としたら、毎年春に新芽や若葉が採集出来るのでは?、と、楽しみにしたいところですが、他所様の土地では難しいですね。アシタバは茎を折ると黄色の汁が滲み出るのが特徴です。セリ科植物には有毒なドクゼリもあるので御用心、見るだけにしておくのが安全です。

投稿: shikamasonjin | 2022年10月27日 (木) 13:07

★shikamasonjinさま

こんばんは。
今日光街道歩きからさっき帰って参りました。
歩いていると全然寒くありませんでした。

アシタバは八丈島の食事を出すお店が吉祥寺に昔ありまして食べたのですが全然味を覚えていないです。それくらい縁のないものです。
ちゃんと自生しているのを採取されて召し上がったのですね。
いくら道路で、塀(変なもので囲んであるという塀ですが)の外でも採取は控えようと思います。ただ黄色の汁が出るというのはもし畑の人がいたら試してみたいです。貴重な情報をありがとうございました。

投稿: tona | 2022年10月27日 (木) 21:53

ブロ友さんを訪ねて高知に行ったとき
牧野植物園の入り口まで案内してもらえましたが
入り口付近の植物の写真を撮ったのみで駐車場に戻りました。
時間が無かったことが残念です。

今年の7月にツアーの途中で高知に行った際のフリータイムには
牧野富太郎ふるさと館に立ち寄り、その玄関さきにあった花々も見ました。

以前から牧野博士のことをわずかながらに見聞きしていましたが
詳しい業績まで踏み込んだことはありません。
来年のNHK朝の連続テレビ小説を愉しみにしています。

投稿: Saas-Feeの風 | 2022年10月28日 (金) 10:39

★Saas-Feeの風さま

こんにちは。
コメントありがとうございます。
牧野植物園と牧野富太郎ふるさと館があるんですか。
両方とも時間がなくて残念でしたね。
でも牧野富太郎が育った故郷を感じてこられたわけですので良かったです。
日本の植物界にとって一番権威のある業績を残した凄い方の一生はすさまじいものでした。
思うに生まれつき丈夫な人とそうでない人がいますが、この方は丈夫だったことプラス飽くなき探求心と情熱が加わってあんなに元気に長生きして仕事をされたのですね。
体は丈夫よりやや弱めの私、生きる目的がしっかりとしてないので、今は弱めの老人になっているのだつくづく感じました。

投稿: tona | 2022年10月28日 (金) 11:28

「ボタニカ」は私も図書館に予約しているのですが
まだ百人以上待ちで、いつのことやらという感じです。
世の中の偉人には、かなりの変人が多いようですね。
エジソンの映画を近年観ましたが
あまりの利己主義ぶりに驚きました。
まだ近代の人ですから、子供や孫など親族も多く存在して
そうそう嘘は描けないでしょうにね?

投稿: zooey | 2022年10月31日 (月) 00:06

★zooeyさま

私も何百人待ちでやっとでした。
お金遣いが荒いのは使い道が違うとはいえ、野口英世を思い出しました。
本当に偉人には奇人変人が多いですね。
私もエジソンを思い出しました。
映画があったのですね。
たしかに自分の研究のことで頭がいっぱいの牧野氏ですがエジソンも映画にもなってリアルですね。牧野氏も今度朝ドラ。久しく見ていませんが来年は見ます。
そうそうご子孫がいらっしゃるのですね。練馬の方にもいらっしゃるようで。
エジソンもそうなのですね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2022年10月31日 (月) 09:00

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