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2024年9月25日 (水)

隙間時間に読書できる幸せ

とうとう古くてぐずぐずと読み渋っていた本2冊、
岡倉天心著『茶の本』
河上肇著『貧乏物語』が読めました。
前書は天心は英語で書いたそうで欧米で出版されたとか。利休はともかく、躙り口とか茶に関する専門用語をローマ字?で表したのかいろいろ疑問がありましたが、それほどまでに英語にあの時代に傑出していたことに驚きました。これを日本語訳にした本だったのです。

『貧乏物語』は予想と違って特にロンドンの様子やマルクス理論などが出てきて、それでもよく読めば少しはわかると言うものでした。

草生亜紀子著『逃げても逃げてもシェクスピア』~翻訳家・松岡和子の仕事~
2021年に37本のシェクスピアの戯曲を完訳した。79歳で。
完訳は坪内逍遥、小田島雄志に続いて3人目である。
ご両親がすごい人たちだ。読んだら今の自分が軟弱だと痛感する。
松岡さん自身も東京医科歯科大の教授でありながら、夫は単身赴任、二人の子育て、やがて認知症になった姑の世話、夜は観劇に出かけ帰宅して劇評を書き、翻訳など一人何役もこなす。
今もまだ気になる箇所は翻訳のし直しで手を加えると言う、常にシェクスピアとともにあり、表題名も頷ける。
体を鍛えるために乗馬やテニスをしていると言う。
私とほぼ同年齢で(1歳下)、何かに熱中し、そのための苦労をいとわない人は殆ど元気です。


秋咲きの擬宝珠、暑かったけれども今年も無事咲きました。
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9月20日に公園でもう枯れかかっていた彼岸花。ここ1か所しかありません。
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2024年9月14日 (土)

稲垣えみ子著『家事か地獄か』

2011年3月11日の東日本大震災の時、当時朝日新聞社の記者だった著者は、福島の事故が起きて停電になった時、家電製品を一切やめ、普段の生活を一変させまるで江戸時代のような生活に変えた。
その事は以前他の本数冊で読んだのですが、その部分の総括のようなこの本、面白かったです。もちろん我々普通の生活をしている人には不可能ですが。
さすが元記者で文章はうまく、よくまとめ上げているのです。

今回は家事は天国なわけです。殆どないのですから
要するにこれは一人でしかも元気でないと出来ないのですが、
まず家電が全然ないのです。おまけにガスはカセット。風呂は銭湯(ガス代よりこの方が高いと思われるけど、水がいらない)
家電がないと言う事は電子レンジもトースターも炊飯器もなく、掃除機なし、洗濯機がないから手洗い、。冷蔵庫がないので日持ちしないものはなく、ほとんどベランダで干した野菜や買ってきた豆腐などで作った食事だそうで。これだけで栄養がとれるの?体は大丈夫なの?という疑問が出てくるが、著者はいたって健康で、ご飯もいつも同じでもとても美味しいのだそうだ。
ベッドと箪笥と本棚風雑物入れとちゃぶ台だけなので掃除数分、洗濯(シーツはどうしているか疑問あり)も10分、ご飯も10分で出来上がってしまうのだそうだ。
昼ごはんも夕ご飯もこんな時間でできてしまうそう。
午前と午後数時間はカフェで著作、たくさんの一日の残りは時間が出来たので、うれしくて、ピアノ(これも本を出していたけど有名な先生についてもうリストまで弾ける)、書道、絵、編み物その他いくつかやりたかったことをやる時間が出来たことが、仕事をやめて主収入は無くなったけど、インフラの欠けたワンルームでの愉快な生活が実現できたそうな。

最近は断捨離とか年金〇万円生活の本が流行っているけど稲垣さんは究極の物持ちなしの人と思われる。
驚いちゃったので、全然真似するわけではなく思わずノートしてしまいました。

フェイスタオル1本、化粧品なし、シャンプー、ヘアケアなし。
住まいと衣類の洗剤、石鹸、重曹、クエン酸。
掃除用具は雑巾1枚。
これがびっくり!!トイレブラシなし。小さな布で排水溝の奥まで手を突っ込んで拭く。(これ私には絶対にできない)

衣類編、フランス人と同じく全部で10着をめざす。羽織るものも吊るすところがないからタンスにたたむ。

台所編、小鍋と小フライパン、しゃもじ1つ。
    カトラリー・・箸2膳、スプーン1、フォーク1。
    調味料・・塩、味噌、醤油。
    香辛料・・胡椒、唐辛子、カレー粉。

電気代 200円プラスα、ガス(カセット+銭湯)、水道月1㎥、ごみ出し2か月に一度。

稲垣さん、家事を簡単に楽しくやって、趣味をいっぱいやって万歳人生。

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2024年9月 3日 (火)

宇宙飛行士

ここ国分寺の今の早稲田実業の敷地で、糸川英夫博士が74年前(14年前2015年が丁度60年周年記念)にペンシルロケットの実験に成功した所です。
その関係で向井千秋さんが講演に見えたのに参加したしたのは過去のブログで書きました。
向井さんについてはご夫君の著書で人となりを知りました。
そして今回
若田光一著『続ける力』
野口聡一著『オンリーワン』
山崎直子著『夢を繋ぐ』
を比較しながら読みました。

若田さんは宇宙ステーションで日本人初めてのコマンダーとして勤めたその時の苦労、家庭のこと、これからの宇宙開発のことなどを述べています。
野口さんは最初のスペースシャトルのロボットを操って船外活動をし、その様子を詳しく書いています。宇宙に行くまでのこと、スペースシャトルの中のことなどよくわかる内容になっています。野口さんはその後宇宙ステーションで長期滞在で頑張ります。
山崎さんは女性宇宙飛行士として日本人で2番目。飛行士を夢見た時代から、飛行士に合格するまでの大変さ、そしてそのあとの訓練の厳しさを知る1冊になりました。途中で結婚し、子供を一人産み、訓練と家庭の狭間で離婚協議まで行ったこともあり、どうやら理解あるご夫君と離婚することなく、宇宙に飛びました。訓練のたまものの宇宙での仕事をこなし13日?で帰還しました。
前後合わせて12人(秋山さん入れて)の宇宙飛行士が日本人として活躍したわけです。
比類なき強靭な精神力と体力、専門分野の知識、語学力(英語とロシア語)、チームに和する能力など、生まれつきの高い能力の他、宇宙に対する異常な執着心など、普通の人が持ってないものまで十分に発揮して日本として世界の宇宙開発に役に立ったのでした。
しかし空気もない宇宙ステーション、あんなアフリカの砂漠のような荒地の月や火星にまで行き、いろいろメリットがあるようなことも書かれているけど(中国やインドの野心はわかるけど)、莫大な費用を要する宇宙開発の意義がいまいち掴めなくて、飛行士さんにごめんなさいです。
ちなみに私の実家がある茅ヶ崎に野口さんと土井隆雄さんの実家があって、お二人は「茅ケ崎市栄誉市民賞」を受賞し、駅北口のべデストリアンデッキに「手形モニュメント」が設置されているとか。私は知らなかったのでまだ見ていない。

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