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2024年9月14日 (土)

稲垣えみ子著『家事か地獄か』

2011年3月11日の東日本大震災の時、当時朝日新聞社の記者だった著者は、福島の事故が起きて停電になった時、家電製品を一切やめ、普段の生活を一変させまるで江戸時代のような生活に変えた。
その事は以前他の本数冊で読んだのですが、その部分の総括のようなこの本、面白かったです。もちろん我々普通の生活をしている人には不可能ですが。
さすが元記者で文章はうまく、よくまとめ上げているのです。

今回は家事は天国なわけです。殆どないのですから
要するにこれは一人でしかも元気でないと出来ないのですが、
まず家電が全然ないのです。おまけにガスはカセット。風呂は銭湯(ガス代よりこの方が高いと思われるけど、水がいらない)
家電がないと言う事は電子レンジもトースターも炊飯器もなく、掃除機なし、洗濯機がないから手洗い、。冷蔵庫がないので日持ちしないものはなく、ほとんどベランダで干した野菜や買ってきた豆腐などで作った食事だそうで。これだけで栄養がとれるの?体は大丈夫なの?という疑問が出てくるが、著者はいたって健康で、ご飯もいつも同じでもとても美味しいのだそうだ。
ベッドと箪笥と本棚風雑物入れとちゃぶ台だけなので掃除数分、洗濯(シーツはどうしているか疑問あり)も10分、ご飯も10分で出来上がってしまうのだそうだ。
昼ごはんも夕ご飯もこんな時間でできてしまうそう。
午前と午後数時間はカフェで著作、たくさんの一日の残りは時間が出来たので、うれしくて、ピアノ(これも本を出していたけど有名な先生についてもうリストまで弾ける)、書道、絵、編み物その他いくつかやりたかったことをやる時間が出来たことが、仕事をやめて主収入は無くなったけど、インフラの欠けたワンルームでの愉快な生活が実現できたそうな。

最近は断捨離とか年金〇万円生活の本が流行っているけど稲垣さんは究極の物持ちなしの人と思われる。
驚いちゃったので、全然真似するわけではなく思わずノートしてしまいました。

フェイスタオル1本、化粧品なし、シャンプー、ヘアケアなし。
住まいと衣類の洗剤、石鹸、重曹、クエン酸。
掃除用具は雑巾1枚。
これがびっくり!!トイレブラシなし。小さな布で排水溝の奥まで手を突っ込んで拭く。(これ私には絶対にできない)

衣類編、フランス人と同じく全部で10着をめざす。羽織るものも吊るすところがないからタンスにたたむ。

台所編、小鍋と小フライパン、しゃもじ1つ。
    カトラリー・・箸2膳、スプーン1、フォーク1。
    調味料・・塩、味噌、醤油。
    香辛料・・胡椒、唐辛子、カレー粉。

電気代 200円プラスα、ガス(カセット+銭湯)、水道月1㎥、ごみ出し2か月に一度。

稲垣さん、家事を簡単に楽しくやって、趣味をいっぱいやって万歳人生。

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コメント

この人のこと、私も読んだことがあります。
独身だったら、私も同じような暮らしをしていました。
母と暮らしたときも、電気は電灯とラジオでした。
今思うとシンプルライフっていいですね。とはいえ、もう戻れなそうです。

投稿: 佐平次 | 2024年9月15日 (日) 11:00

★佐平次さま ありがとうございます。

そういえば戦前は覚えていませんが、戦後疎開から東京に帰ってきて凄い生活でしたね。
茅ヶ崎に行ってからも井戸でしたし、トイレは水洗ではなかったし、見方によればもっとひどい部分もありましたね。子供だったから不便を何も感じなくて親の大変さを今頃気が付いたりしております。
そう、今はもう戻れません。体力も衰え、いろいろな趣味に走ることさえできないです。こんなときが来ることを少し前思っていましたが、まさかの違った意味で大変になりました。

投稿: tona | 2024年9月15日 (日) 16:33

こんにちは
 
稲垣えみ子さん、著書は読んだことありませんが、珍しく知っている方でした。
TVに出演もされてたのをチラと拝見しました。
とことんシンプルな生活を楽しんで実行していらっしゃるのですよね。
シンプルだけど、自給自足ではなく、行きつけの食堂がおありに
なること、銭湯を利用する、などもあってご本人としては
無理するのではなく楽しく成立するのですね。
そうは言ってもやっぱりすごいなーと思いますけれど。
便利な家電品等に囲まれた生活を知ってしまった後で
ここまでシンプルライフに振り切れるのもすごいですね。

投稿: ポージィ | 2024年9月15日 (日) 17:09

★ポージィさま ありがとうございます。

アフロヘアというのでしたっけ。独特でテレビでもすぐわかりますね。
震災がなかったら今の稲垣さんはなかったわけで、あの時のことをこのように人生を徹底的に変えてしまう人はかなり意志の強い、今でいえば変人と言われかねない人です。でもこのまま地球が壊れて行けば、みんなこんな生活になっていくのかもしれません。
私は貧しい戦後の生活(子供なので苦にならない)と豊かな生活の両方を味わって、まだ地球が完全に壊れないうちにサヨナラできそうで幸せです。
でもまだ地震に襲われる恐れあり、戦争の飛び火が来る恐れありで緊張を強いられますが。
最期まで良いことを思い楽しんで行けたらとおもっています。
昨年今年と暑いのに夜など電気製品なしで寝られたのでしょうかね?

投稿: tona | 2024年9月16日 (月) 07:51

著者のお名前はじめて聞きました。

お恥ずかしいのですが、ご著書も知りませんでした。

でもとても真似はできそうにありません。
そういうことができるとは素晴らしいことですね。
私などは随分無駄なものを買っていますので
震災が来たら大変なことになりそうです。

投稿: matsubara | 2024年9月16日 (月) 08:13

★matsubaraさま ありがとうございます。

私は朝日新聞で、東日本大震災、福島の原発のメルトダウンが起きたときに、実験的に電気なしの生活をやってみると、新聞に書いて、結果を記事に書いていらしたこの記者を知りました。
その後、何か悟るところがあって本当に新聞社をやめてしまって、普通の節約家と違った面白い生活を始めたのですね。
震災がきたときあわてるでしょうが、matsubara家は広い空間があるので避難所はいりませんね。
matsubaraさまは時間の使い方がとても上手でいらっしゃいますね。

投稿: tona | 2024年9月16日 (月) 16:01

稲垣えみ子さん、この方はTVで何かの番組に出てますね、その時にクーラーが無いと言ってたのを
一緒に番組に出てた方が驚いていましたが、私も驚きました。
この便利な世の中に、便利さを外して生活する人もいるなんて私にはとても真似できません。
掃除数分、洗濯(シーツはどうしているか疑問あり)も10分、ご飯も10分で出来上がってしまう
申し訳ないのですが、こんな時間で仕事が終わるとは考えられないのです
私なら掃除も洗濯も食事の支度も1時間以上は掛かってしまうので、却って今の便利な生活の方が沢山時間は使えそうに思います。

投稿: ラッシーママ | 2024年9月17日 (火) 22:15

★ラッシーママさま

この暑い夏、喫茶店にこもるときはいいでしょうが、クーラーなしで、勿論扇風機もないようですが、我慢して暮らしているのでしょうか。凄いですね。
私の年では熱中症に毎日かかってしまいます。
真似できる人は路上生活者などしか考えられません。
今は貧困でご飯も提供してくれる食堂に頼る人が出ているようですが、この方の逞しさ、いろいろな知恵には脱帽しました。
家族がいたらできませんよね。便利な電気製品でたくさんの自由な時間を作っているのですから。
世の中にはいろいろな人がいて面白いですね。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2024年9月18日 (水) 08:54

この季節に停電になったら冷房は使えず生きてはいけませんね。9月下旬を迎えお彼岸が近いというのに、毎日猛暑日のニュースばかり・・。今年は完全に真夏が4ケ月間(6~9月)になってしまいました。ゲリラ豪雨や雷も続き、穏やかな四季の移り変わりは一体どこへ行ってしまったのか・・と嘆かわしきことです。暑さ寒さも彼岸まで、次の3連休が過ぎれば秋の便りが聞こえてくることでしょう。

投稿: ローリングウエスト | 2024年9月19日 (木) 08:23

★ローリングウエストさま

こんにちは。
今年は冷房に夜中も浸って、電気さまさまです。ありがたいです。やっとそのおかげで生きていると言う感じです。
でないと毎日のように救急車で運ばれる熱中症の人に私もなりそうです。
アルプスの上は登る途中は少し暑いかもしれませんが涼しいのでしょうね。
今週末から涼しくなりそうで楽しみです。
ありがとうございました。

投稿: tona | 2024年9月19日 (木) 16:50

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