『アルチンボルド Arcimboldo アートコレクション』リアナ・ジローラミ・チーニー著
アルチンボルド(1527~1593)はハプスブルグ家のフェルディナンド1世、マクシミリアン2世、ルドルフ2世に仕えていたイタリア出身の画家です。
アルチンボルドと言えば、花、魚介、野菜果物などの収穫物、枯れ木や藁や葉などで顔を描いた四季「春・夏・秋・冬」など面白い画家という事のみ浮かんでくる画家でありました。
ところがこの「春・夏・秋・冬」にはいくつかのバージョンがあり、世界中に散っているか行方不明という。ウィーン、ルーヴル、スペインバスクでいくつか見ることが出来ました。
そしてこれの対になる作品があってそれが「大気・水・火・大地」です。こちらは凄さを感じさせる作品です。
これらの作品を細部まで見ていると優に1日はすぐ過ぎてしまいそうであります。
この他にたくさんの鳥、動物を描いていてこれが上記の作品に克明に描かれるわけです。
その他宗教画「聖母マリアの死」もなかなか他の画家と違っているのです。
肖像画が数枚紹介されているが「フェルディナンド1世の娘の半身像」が気に入りました。
厚紙にペン、鉛筆、茶色のインク、青とグレーの淡彩の「市場に向かう農婦」。自画像がこれと同じ色調で、エッチングとは味わいが違い傑作だと思います。
植物、動物、鉱物で色々な人間の顔をそれらしく描いてしまった人はアルチンボルトが初めてなのでしょうね。基礎がしっかり勉強されているうえでのこれらの作品です。
またルドルフ2世が博物学者並みに各国からいろいろな動物や骨とう品など収集していたことも作品誕生に与ったと思われました。
●近所の働くおばあさんとして二人、以前取り上げた方。
薬屋を90歳くらいまで一人で年中休みなしで経営していた方、ここ8年くらい外の煙草販売機しか稼働していず、お隣の方に聞いたら昨年亡くなった由。ずっと自宅療養で介護の人の助けを借りていたようです。よく働き続けたとご冥福をお祈りしました。
もう一人近所の野菜を作って販売していたおばあさん、私より15歳上で5年前に倒れ、遂にデイケアに通い美味しい野菜を食べられなくなりました。八王子から週末に通ってくる娘さん夫妻では殆ど野菜の供給がなく淋しいところです。
倒れるまで現役で働くその姿は、倒れないのに働いていない自分と比べられない私の中の偉人です。
| 固定リンク | 2
最近のコメント